評 価
File No.
2038
製作年 / 公開日
2014年 / 2014年06月27日
製 作 国
日 本
監 督
中島 哲也
上 映 時 間
118分
公開時コピー
愛する娘は、
バケモノでした。
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
役所 広司
[as 藤島昭和]
小松 奈菜
[as 藤島加奈子]
妻夫木 聡
[as 浅井]
清水 尋也
[as ボク]
二階堂 ふみ
[as 遠藤那美]
橋本 愛
[ 森下]
森川 葵
[as 長野]
高杉 真宙
[as 松永]
國村 隼
[as 辻村医師]
黒沢 あすか
[as 桐子]
青木 崇高
[as 咲山]
オダギリ ジョー
[as 愛川]
中谷 美紀
[as 東里恵]
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あ ら す じ
妻の不倫相手への傷害事件で警察を退職した、元・刑事の
藤島昭和
。警備会社に勤務しながらも酒に溺れ、自堕落な生活を送っていた藤島に、元・妻の
桐子
から電話が入る。娘の
加奈子
が失踪したというのだ。
「俺が捜す」と桐子に言い切った藤島は、加奈子の同級生の
森下
と
長野
、加奈子が通院していた神経科の医師
辻村
、中学時代の同級生、そして元担任の
東里恵
らに接触する。そして、徐々に浮かび上がった加奈子像は、藤島が思っていたような優等生などではなかった。
クスリに手を出し、
遠藤那美
や
松永
らヤバい連中との付き合いがあった加奈子。なぜか執拗に藤島を追う元・後輩の刑事
浅井
。加奈子の真の姿を知った藤島は抑えきれない怒りに駆られ、暴走を始める。「あんなクソガキ、俺がブッ殺してやる!」と・・・・・。
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たぴおか的コメント
どうも私の好みは中島監督作品との相性があまり良くないようなのだが、その理由のひとつが色使いにあることが、この作品を観て気づいた。『告白』こそ例外だが、『嫌われ松子の一生』、『パコと魔法の絵本』、そしてこの作品と、ドギツい原色に疲労困憊してしまうようだ。特に『松子』を観終えた時などは、疲れを通り越して頭痛がしてしまった。そして、ラストに何の救いもない、何らカタルシスを得ることもできない、そんな所も共通していて、これじゃ観終えた後にグッタリ疲れてしまうのも無理ないだろう。
それはともかく、登場人物全員が狂ってる。役所広司演じる主人公・藤島昭和を筆頭に、現実にこんな奴がいたらと思うと、寒気がする。調べれば調べるほどその“バケモノ”ぶりが露呈していく、小松奈菜演じる加奈子、おおよそ正義などという概念からかけ離れた、妻夫木聡演じる刑事・浅井にオダギリジョー演じる愛川、そして中谷美紀演じる教師・東里恵までも。だから、この作品を観るならば、法律なんて常識を持ち込んじゃいけない。常識なんていう枠組みを超越した際限の無い狂気の応酬、この作品を一言で言い表すとそんな感じになるんじゃないだろうか。
だから、バイオレンスシーンは満載だし、クスリもあれば少年買春もありと、裏社会の展示会のようなバラエティさだ。そして、自分の娘がそんな世界にどっぶりと浸かっていることなど、藤島はもちろんのこと、一緒に暮らす母親の桐子すら微塵も知らないのだ。自分の娘がバケモノだと知った藤島の愛情は反転して憎悪に変わる。中島監督が言うところの「愛と憎の物語」というのは、その辺りを指すのだろう。
加奈子役の小松奈菜のキャスティングには不満があって、二階堂ふみ演じる友人の言葉のように「誰もが加奈子に夢中になる」とは到底思えないのだ。仮に、加奈子役が二階堂ふみだったら、その言葉にもっと説得力があったんじゃないか、なんて思う。それと、森下役にお嬢様タイプの橋本愛を起用したのも、あまりに周囲の人物から浮いている気がして、違和感ありありだった。