評     価  

 
       
File No. 2044  
       
製作年 / 公開日   2014年 / 2014年07月11日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ニール・バーガー  
       
上 映 時 間   139分  
       
公開時コピー   たった一度の 性格診断で 未来は決まる  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   シェリーン・ウッドリー [as ベアトリス/トリス]
テオ・ジェームズ [as フォー]
アシュレイ・ジャッド [as ナタリー(ベアトリスの母)]
ジェイ・コートニー [as エリック]
レイ・スティーヴンソン [as マーカス]
ゾーイ・クラヴィッツ [as クリスティーナ]
マイルズ・テラー [as ピーター]
トニー・ゴルドウィン [as アンドリュー(ベアトリスの父)]
アンセル・エルゴート [as ケイレブ(ベアトリスの兄)]
マギー・Q [as トーリ]
メキー・ファイファー [as マックス]
ケイト・ウィンスレット [as ジェニーン]
 
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あ ら す じ    最終戦争から100年後の未来。人類は過去の経験から、国家、人種、宗教という概念を捨て、新たな社会体制を作り上げた。それは一生に一度の“選択の儀式”という性格診断テストにより人類を性格別に、勇気ある者の集団【勇敢=ドーントレス】、誠実で嘘がつけない者の集団【高潔=キャンダー】、優しい者の集団【平和=アミティー】、他人を思いやる者の集団【無欲=アブネゲーション】、論理的で知識が豊富な者の集団【博学=エリュダイト】という5つの共同体に分類する社会であった。
 【無欲】の家庭で育ったベアトリスは、16歳になり診断の時を迎えるが、結果は5つのどれにも当てはまらない【異端者】と判定される。【異端者】は未知の特殊能力を持ち、人類を滅ぼす危険分子とされており、秘密裏に抹殺され続けてきた。ベアトリスを不憫に思った検査官のトーリは、検査結果を偽るようにとベアトリスに忠告する。そしてベアトリスは、【異端者】であることを隠すため、結果を偽って【勇敢】へと加入する。彼女の兄ケイレブが【無欲】を捨てて【博学】を選択したうえに、ベアトリスまでもが【無欲】を捨てたことに、父・アンドリューと母・ナタリーは言い表せないほどのショックを受ける。
 名前をトリスと改名した彼女は、生まれながらの共同体を捨てて他へと移った“転向者”として、厳しい訓練を受ける。そんな彼女を影ながら支えるのは、【勇敢】の教官でトップクラスの戦士のフォーだった。だがその頃、政権担当の【無欲】に対する抵抗運動が勃発する。同時に何者かによる【異端者】暗殺計画が動き始め、トリスの身に危険が迫りつつあった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    “ダイバージェント(=DIVERGENT)”とは、「分かれる」、「分岐する」、「逸脱する」という意味の形容詞で、5つの共同体全てから「逸脱した」者ということで、「異端者」という訳語になるのだろう。全米でベストセラーとなったSF3部作の第1弾『ダイバージェント 異端者』を映画化した作品・・・・・ということを、帰宅してWebを見て初めて知った。なるほど、道理で続編を臭わせるような終わり方だったわけだ。マット・デイモンの『エリジウム』と、ジェニファー・ローレンスの『ハンガー・ゲーム』を足して2で割ったような内容の作品だが、特に『ハンガー・ゲーム』と似ていると感じる向きは多いと思う。
 主人公がいずれも反体制のヒロインという点でも共通しているが、何よりも主人公のトリスを演じたシェリーン・ウッドリーのイメージが、ジェニファー・ローレンスとダブるのだ。2人の顔がそれほど似ているとは思えないが、表情によって美人に見えたり、そうじゃなく見えたりして、この作品を観ていても時折ジェニファーを観ているような錯覚を覚える。ただ、個人的には今ひとつS・ウッドリーからはジェニファーのような力強さや色気が感じられないのが物足りない。ルックスも美人と言うにはちょっと微妙だし・・・・・あ、でもそれはジェニファーも同じか(笑)。
 ダイバージェントが特別な存在で恐れられているという設定だが、どこが一体特別なのか、その点に説得力が感じられない。確かに、精神伝達物質を使ったコントロールが利かないようだが、ただそれだけじゃことごとくダイバージェントが抹殺されてきた理由にはならないだろう。もっと何か、現体制を根底から覆しかねないような何らかの能力を、ダイバージェントが持っていなければ意味がない。それどころか、むしろ、ダイバージェントと同じく、5つの集団のどこにも属さない“無派閥”の方が、数が多いだけに危険分子となりやすいように思えるけど。
 ケイト・ウィンスレットがこの手のSF作品に、しかも悪役で出演しているのは珍しい。マット・デイモン主演の『エリジウム』に、やはり大御所のジョディ・フォスターが悪役で登場していたのを思い出させるね。