評 価
File No.
2049
製作年 / 公開日
2013年 / 2014年07月18日
製 作 国
カ ナ ダ / スペイン
監 督
ドゥニ・ヴィルヌーヴ
上 映 時 間
90分
公開時コピー
“脳力”が試される、究極の心理ミステリー
あなたは、一度で見抜けるか
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
ジェイク・ギレンホール
[as アダム・ベル/アンソニー]
メラニー・ロラン
[as メアリー]
サラ・ガドン
[as ヘレン]
イザベラ・ロッセリーニ
[as キャロライン]
ジョシュア・ピース
[as 学校の先生]
ティム・ポスト
[as 管理人]
ケダー・ブラウン
[as 警備員]
ダリル・ディン
[as ビデオ店の店主]
ミシャ・ハイステッド
[as 暗室の女性]
メーガン・メイン
[as 暗室の女性]
アレクシス・ウイガ
[as 暗室の女性]
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あ ら す じ
大学で歴史を教える
アダム・ベル
は、ある日同僚から1本のビデオを勧められる。そのビデオを借りて鑑賞したアダムは、映画の中に自分と瓜二つの端役の俳優を発見する。男が自分とあまりに酷似していることに、驚きを通り越して恐怖を感じたアダムは、翌日から取り憑かれたようにその俳優を探し始める。そして、アンソニーという名前を突き止め、相手に悟られないよう遠くから監視するうちに、彼と話してみたい気持ちが膨れ上がり、ついにアンソニーと対面する。
2人は、姿かたちだけでなく、声も、生年月日も、生まれついたものではない傷痕もまるっきり同じだった。自分とまるっきり同じ存在の出現に混乱する2人。どちらかが“オリジナル”でもう一方が“複製”なのか、なぜ自分と同じ人間が存在するのか。自己像が揺らぎ、後戻りできない極限状態に陥った2人は、それぞれの妻や恋人を巻き込みながら、想像を絶する運命をたどっていく・・・・・。
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たぴおか的コメント
う〜ん、これが『問題提示編』であって、次に『問題解決編』が用意されていればいいのに、と真剣に思ってしまった。「“脳力”が試される、究極の心理ミステリー あなたは、一度で見抜けるか」なんてコピーに書かれているから、「だったら見抜いてやろうじゃないか」などと勇んで劇場に臨んだはいいけど、そもそも原題がなぜ“
ENEMY
(=敵)”なのかもわからないし、本編を観ても冒頭のシーンで既に「???」状態に陥ってしまった。あのシーンには一体どういう意味があるのか?結局最後まで結論は出なかったが、ただひとつわかったのは、冒頭のシーンには陥穽が仕掛けられていること。ネタばれになってしまう可能性があるので、一応例によって字を隠しておくが、
冒頭の怪しいナイトクラブのような部屋で女性を見つめる男、あれはその後の展開で誰もがアダムだと思い込むように仕組まれているが、実はアダムじゃなくアンソニーなのだ。
それはわかっても、そのことがクライマックスにどう結びつくのかがわからないのは悔しくて仕方ないけど。
謎はまだまだある。冒頭のシーンで現れ、中盤では高層ビルほども巨大な、そして極めつけはラストシーンでサラ・ガドン演じるヘレンが変身してしまったのだろうか、随所に登場する蜘蛛。そして、ブルーベリー。多分、もう一度観てもその意味は理解できない気がする。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督と『プリズナーズ』に続いてタッグを組んだ、ジェイク・ギレンホールの一人二役の演技が最大の見所。通常の作品であれば「全くの別人を演じた演技力が素晴らしい」なんて評価になるところだろうが、この作品の場合は、逆に露骨に別人を演じ分けてはいけないところがミソ。アダムのようにも思えてアンソニーとも取れる、言い換えれば観る者に錯覚させるような演技が必要だと思う。だからこそ、上に書いた冒頭のシーンでは、観ている者は皆陥穽に陥ることになるわけだ。
アダムの恋人・メアリーを演じるメラニー・ロランと、アンソニーの妻で妊婦のヘレンを演じたサラ・ガドンの女優競演も、もうひとつの見所と言っていい。ただ、私見を言わせてもらうならば、個人的にはメラニー・ロランは美人かもしれないけど、何度観てもどうしても好きになれない。この作品では全裸シーンがあるけど、あまり綺麗なヌードとは思えなかったし。対するサラ・ガドンは、悪く言えば幼く見えるようなあどけない表情と、透き通るような白い肌が絶品で、もう文句なしにこの勝負はサラの勝ち!なんてね(笑)。
クライマックスでは、2組のカップルが互いに相手を交換することになり、アダムとアンソニーはそのことを知っているが、女性2人は知らない。メアリーはアンソニーに抱かれている最中にそのことに気づき、半狂乱状態になった挙げ句、アンソニーもろとも悲惨な結末へ。対するもう一組はというと、ヘレンは相手が夫じゃなくアダムであることに気づいていたようだ。それでいて、夫としてアダムを受け入れてしまうとは・・・・・女って、やっぱり恐いね。でも、そう考えると、ラストでの“ヘレン=蜘蛛”という図式、あながち理解不能というわけでもなくなるけど・・・・・そんな解釈でいいんだろうかな?