評     価  

 
       
File No. 2053  
       
製作年 / 公開日   2013年 / 2014年07月26日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   李 闘士男  
       
上 映 時 間   108分  
       
公開時コピー   運命は、ヘンな偉人にたくされた!!  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   玉木 宏 [as 勝海舟]
石原 さとみ [as 川辺未香子]
柄本 時生 [as 高瀬雅也]
川口 春奈 [as 森野恵理]
千葉 雄大 [as 沼田慎太郎]
谷村 美月 [as 千代]
吉田 羊 [as 民子]
渡辺 邦斗 [as 宮川八郎]
井上 肇 [as 神田尚志]
中村 育二 [as 木下長行]
篠井 英介 [as 徳川慶喜]
嶋田 久作 [as 薩摩屋]
柄本 明 [as 柳田龍三]
隆 大介 [as 山下利蔵]
山崎 銀之丞 [as 新門辰五郎]
伊武 雅刀 [as 山崎則篤]
石橋 蓮司 [as 長英]
佐藤 浩市 [as 西郷隆盛]
 
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あ ら す じ    1968年、江戸時代末期。国内の争いだけでなく西欧列強諸国からの圧力によって、未だかつてない激動期を迎えた日本。攘夷を不可能と判断し、倒幕へと藩論を転換した薩摩・長州の両藩は、3月15日を江戸総攻撃の日と定め、進軍を開始していた。幕府の陸軍総裁・勝海舟は、今は日本人同士で争うべきではなく、団結して海外からの脅威に備えるべきだという考えのもと、新政府軍参謀の西郷隆盛へ和平の使者を送っていた。
 現在。高校教師の川辺未香子は、高瀬雅也森野恵理沼田慎太郎の3人の生徒たちと一緒に、雅也のスマホのアプリ“体感ヒストリー江戸時代”によって、本当に1868年幕末の江戸へタイムスリップしてしまう。恵理や慎太郎とはぐれながらも、雅也とともに幕府に捕えられた未香子は、偶然にも陸軍総裁・勝海舟の目に止まり、彼にに引き取られる。
 未来で歴史を教えている未香子は勝に、「勝海舟と西郷隆盛の間で和平交渉が行われ、江戸城は無血開城すると」言う。ところが、史実ではすでに薩摩軍総司令官・西郷隆盛のもとへ送った使者からの返事が到着しているはずなのに、未だ音沙汰がない。さらには、勝の政敵・柳田龍三なる人物は史実には存在していなかった。何かが歴史を変えてしまっていたのだ。未香子は、歴史を変えたのが残る2人の恵理や慎太郎だと考え、江戸火消しの協力を得て2人を探し始める。一方の勝もまた、無益な争いを回避し未香子らの未来を守るために奔走する・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    過去にタイムスリップして幕末の激動期へなんて、なんだか眉村卓の『時空(とき)の旅人』のような設定だと思ったら、この作品も原案眉村卓の小説を原案に作られたようだ。ただ、この作品は『時空の旅人』と違って完全なコメディ作品で、軽〜い気持ちで観るにはうってつけの作品。
 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でもお馴染みなように、この手のタイムスリップ物は「過去の歴史を変えてはならない」というのが鉄則で、未香子たちが歴史を変えないよう奔走するのが見所のひとつだが、勝海舟と西郷隆盛による江戸城無血開城だけを達成すれば、他の細部はどうでもいいというような雑さが目に付く。おそらくは詰め込みすぎて端折らざるを得なかったんじゃないかと思えるのが、ちょっと残念。もうちょっと尺を長くしてもよかったんじゃないかな、なんて個人的には思う。
 玉木宏のコミカルな勝海舟が新鮮。本物の勝海舟に似てないじゃん、なんて思ってWebで検索してみたら、以外に本物の勝海舟も細面で鼻筋の通った、今の時代でもイケメンで通りそうなルックスで、これなら今回のキャスティングも納得。そして、石原さとみと有村架純に釣られてついつい『失恋ショコラティエ』を観てしまったが、ドラマのサエコのような役じゃ、石原さとみの持ち味は生かし切れていない。彼女は本来、こういう役柄が文句なしに似合う。
 周囲のキャスティングがまた豪華で、これは本当に本人に似ていないだろう西郷隆盛役(もう少し若ければ、中尾彬が適役じゃないかな?)に佐藤浩市、伊武雅刀に石橋蓮司といったベテラン勢、柄本明と時生の父子共演、この作品でのちょい役じゃもったいない、『好きっていいなよ。』とは正反対のキャラを演じた川口春奈と、錚々たる錚々たるメンバーが顔を連ねている。これだけのキャスティングを揃えて面白く出来なきゃ、詐欺だよ(笑)。
 未来、というか現代に戻った未香子が観た勝海舟の写真、腰にルービック・キューブがぶら下がっていたのは予想通りだったけど、6面揃っていたとは恐れ入ったね(笑)。