評     価  

 
       
File No. 2054  
       
製作年 / 公開日   2014年 / 2014年08月01日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   大友 啓史  
       
上 映 時 間   139分  
       
公開時コピー       

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   佐藤 健 [as 緋村剣心]
武井 咲 [as 神谷薫]
青木 崇高 [as 相楽左之助]
蒼井 優 [as 高荷恵]
大八木 凱斗 [as 明神弥彦]
江口 洋介 [as 斎藤一]
伊勢谷 友介 [as 四乃森蒼紫]
土屋 太鳳 [as 巻町操]
田中 泯 [as 柏崎念至]
宮沢 和史 [as 大久保利通]
小澤 征悦 [as 伊藤博文]
藤原 竜也 [as 志々雄真実]
神木 隆之介 [as 瀬田宗次郎]
滝藤 賢一 [as 佐渡島方治]
三浦 涼介 [as 沢下条張]
丸山 智己 [as 悠久山安慈]
高橋 メアリージュン [as 駒形由美]
福山 雅治 [as 謎の男]
 
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あ ら す じ    動乱の幕末に「最強」の伝説を残した男、緋村剣心。かつては“人斬り抜刀斎”と恐れられた彼も、明治の新時代を迎えて神谷薫相楽左之助明神弥彦高荷恵ら仲間たちと穏やかな日々を送っていた。
 そんなある日、剣心は新政府の内務卿・大久保利通から、剣心の後継者として“影の人斬り役”を務めた志々雄真実を討つように頼まれる。かつては剣心と剣の腕も頭脳も互角だった志々雄だが、新政府に裏切られ焼き殺されたことをきっかけに、人を殺すことを全く躊躇しない冷酷非情さを身につけていた。そんな志々雄が京都で先頭集団を作り上げ、新政府の転覆を狙っていたのだった。
 決断までに7日の猶予をもらった剣心だったが、依頼人である大久保利通が志々雄の側近である瀬田宗次郎に殺されてしまい、大久保の依頼を受けることを決意する。必死で止めようとする薫るに別れを告げ、京都へと向かった剣心は、ついに宿敵・志々雄との対面を果たす。ところが、志々雄は瀬田に剣心の相手を命じ、剣心の逆刃刀は瀬田によって真っ二つに折られてしまう。
 逆刃刀を失った剣心の敵は志々雄一派のみならず、元御庭番衆の四乃森蒼紫もまた剣心と立ち合う事だけを目的に、躍起になって剣心を探していた。そんな剣心の元へ、左之助や薫、弥彦らが駆けつける。新たな逆刃刀を手に入れた剣心は、志々雄の十本刀のひとり沢下条張を倒し、京都を火の海にしようという志々雄の謀略を知る。だが、志々雄が企てる京都大火の裏には、さらなる陰謀が隠されていた。そして、薫が瀬田にさらわれてしまい、剣心はこれを追って単身志々雄の船に乗り込むが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    2012年に公開された『るろうに剣心』よりも、格段にスケールアップした、『京都大火編』『伝説の最期編』の2部作の前編となる作品。後編が『最後編』ということであれば、このシリーズは今回の2部作で完結するってことで、剣心の敵役である藤原竜也演じる志々雄真実は、最後を飾るにふさわしい最凶のキャラクターだ。全身に火傷を負ったという設定で、顔を見ても誰が演じているのかわからないのだが、むしろそれがこの作品では功を奏している。
 尺が139分とちょっと長めなのだが、時間いっぱい間延することなく、退屈せずに一気に観られるのが凄い。これほどのテンポでアクションを詰め込むとなると、演じる俳優陣も大変だっただろう。特に剣心を演じた佐藤健、彼の運動量は半端じゃない。邦画のアクション作で、「体力的に自分じゃ絶対に演じられない」なんて思った作品はこれが初めてかもしれない。
 原作のコミックを読んでいない私にとって、この作品で唯一違和感を覚えるのは、伊勢谷友介演じる四乃森蒼紫の存在。直接剣心と関わりがある訳でもないのに、ひたすら剣心と戦うためにさすらう男。おそらくは、『伝説の最期編』では意外に重要な役割を演じるのかもしれない。もしかして、剣心は四乃森に討たれて最期を遂げる・・・・・なんてことはないよね(笑)。
 ラストシーンでは、予想外の大物俳優の登場に、嫌が応でも『伝説の最期編』への期待が高まるってもんだ。その登場の仕方も気を持たせることといったら・・・・・最後の最後まで顔を映さないんだから、さぞかし意外な俳優を起用しているんだな、と心構えはできていたのだが、その予想のさらに上を行く彼の登場には、新たなファン層を取り込もうというしたたかさが感じられた。