地元最寄りのTOHOシネマズの、4番目に座席数が多いスクリーンで観たのだが、ほぼ8割方満席なのには驚いた。しかも、ティーンから20代が中心かと思ったら、若年層よりもむしろ熟年層の観客の方が多く見られたのには、さらに驚いた。明らかに60代と思われる夫婦が多数見受けられたのは、おそらく『あまちゃん』で大ブレイクした能年玲奈を主役に起用したことが功を奏したのだろう。
不朽の名作と言われるレディース・コミックが原作らしく(何でもかんでも“不朽の名作”としてしまう最近の風潮には不満がある。“不朽の名作”と呼ばれるほどの作品なんて、そうそうあるもんじゃない)、「能年玲奈が観られれば幸せだ」なんていう輩ならともかく、私には正直言って退屈この上ない作品だった。
そもそも、ヤンキーや族といった連中の生き様に共感するところはないし、数を笠に着て他人の迷惑を顧みずやりたい放題といった、連中の行動には反感しか覚えない。つまりは、この作品を観る前から既に批判的な立場にいたわけだが、それを差し引いてたとしても、原作のコミックのファンを満足させる出来かどうかは疑わしい。
唯一気に入った点といえば、主題歌に尾崎豊のあの名曲“OH MY LITTLE GIRL”を使っていることだけ。それにしたって、尾崎豊も草葉の陰から嘆いてるんじゃないか?なんて思ってしまう。