評     価  

 
       
File No. 2064  
       
製作年 / 公開日   2014年 / 2014年08月29日  
       
製  作  国   フランス  
       
監      督   リュック・ベッソン  
       
上 映 時 間   89分  
       
公開時コピー   人類の脳は、10%しか機能していない
100%覚醒した彼女は、人類を救うのか?滅ぼすのか?
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   スカーレット・ヨハンソン [as ルーシー]
モーガン・フリーマン [as ノーマン博士]
チェ・ミンシク [as Mr.ヤン]
アムール・ワケド [as ピエール・デル・リオ]
アナリー・ティプトン [as キャロライン]
ジュリアン・リンド=タット [as 英国人]
ヨハジャン・オリヴァー・シュレーダー [as ドイツ人男性]
ルカ・アンジェレッティ [as イタリア人男性]
ピルー・アスベック [as リチャード]
 
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あ ら す じ    ごく普通の生活を送っていたルーシーは、ある日知人のリチャードに頼まれて、無理矢理Mr.ヤンへアタッシュケースを届ける役目を負わされてしまう。ところが、Mr.ヤンの正体はマフィアのボスで、アタッシュケースの中身は新種のドラッグだった。
 下腹部を切開されてドラッグの入った袋を埋め込まれたルーシーら数人は、それぞれ海外にドラッグの運び屋に仕立てられる。ところが、ルーシーの体内に埋め込まれたでドラッグが漏れ出してしまい、彼女の脳は突如覚醒し始める。20%の覚醒で驚異的なスピードで言語をマスターし、40%の覚醒で目に見えない電波をコントロールするなど、超人的な能力を発揮する一方で、彼女の人間性は次第に失われていく。
 自分自身でもコントロール不能となって暴走し始めたルーシーは、高名な脳科学者ノーマン博士を頼る。Mr.ヤンの追っ手をピエール・デル・リオ警部を味方にしてかわすルーシーだったが、やがて彼女の脳は100%覚醒へと近づいていく・・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『96時間』のオープニング対比で200%という出足で、リュック・ベッソン監督作では過去最高のヒットとなった。もちろんその理由は、主演のルーシー役にスカーレット・ヨハンソンを抜擢したことだろう。米男性誌エスクワイアが選ぶ“最もセクシーな女性”に2006年、2013年の2回も選ばれている彼女、2003年の『ロスト・イン・トランスレーション』で初めて観て以来ずっと注目してきたが、ここに来てようやく遅咲きの大輪の花が開花したという感がある。
 そんなスカーレットにおんぶにだっこ、それがこの作品を観た率直な感想だ。しかも、彼女の魅力が生かし切れていないのは残念で仕方ない。せっかく『アベンジャーズ』であれほどの身体能力を発揮してくれているんだから、それを出し惜しみする手はないだろう。どうせやるなら徹底的にハチャメチャなアクション作にしちゃえ、なんて思ったりするのだが、そこがフランス映画の弊害なのか、妙に中途半端な立ち位置の作品になってしまっているんだな。
 敢えてSF小説やコミックを原作とせずに、あくまでリュック・ベッソンのオリジナル脚本にしたその意気込みはわからないでもない。だが、その割にはこの作品の背後にジョニー・デップの『トランセンデンス』の影が見え隠れして仕方ない。ラストでルーシーがコンピュータに取り込まれて、警部が“Where are you?”と問いかけたのに対して“Everywhere”と答えるが、『トランセンデンス』でもエヴリンとコンピュータにアップロードされたウィルが同じ応答をしているくだりがあった。そう言えば、モーガン・フリーマンが主人公を見守る科学者という役割で、やはり共通して登場している。彼のような大御所を起用して作品に箔付けをしようという意図なのだろう。
 といった具合で、この作品をこき下ろすようなことばかりを書いてしまったが、89分の間出突っ張りのスカーレットを満喫できるのは、個人的にはこの上なく嬉しい作品だった・・・・・とフォローしておきたい。