評     価  

 
       
File No. 2089  
       
製作年 / 公開日   2013年 / 2014年09月27日  
       
製  作  国   イギリス  
       
監      督   リチャード・カーティス  
       
上 映 時 間   124分  
       
公開時コピー   今日を生きることが
好きになる。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ドナール・グリーソン [as ティム・レイク]
レイチェル・マクアダムス [as メアリー]
ビル・ナイ [as ジェームズ・レイク(ティムの父)]
リディア・ウィルソン [as キットカット]
リンゼイ・ダンカン [as メアリー・レイク(ティムの母)]
リチャード・コーデリー [as デズモンド伯父]
ジョシュア・マクガイア [as ローリー]
トム・ホランダー [as ハリー・チャップマン]
マーゴット・ロビー [as シャーロット]
ウィル・メリック [as ジェイ]
ヴァネッサ・カービー [as ジョアンナ]
トム・ヒューズ [as ジミー]
クレミー・ダグデール [as ジンジャー]
ハリー・ハッデン=パットン [as ルパート]
 
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あ ら す じ    イギリス南西部でティムは大学教授を退官した父・ジェームズと母・メアリー、妹・キットカット、それにデズモンド伯父と共に暮らしていた。家族との仲は良好であるものの、自分になかなか自信が持てず、恋人ができないでいたティムだったが、21歳の誕生日を迎えた日、父からある秘密を告げられる。それは、一族に生まれた男子には過去へのみタイムトラベルができる能力が備わっているというものだった。
 はじめは冗談かと思い信じることができないでいたが、早速クローゼットに入り父の言う通りに試してみると、新年パーティの会場へと戻っていた。能力の使い方を覚えたティムは、その夏にレイク家に逗留することとなったシャーロットい一目惚れして、彼女を落とすためにタイムトラベルを試みる。けれども、結局タイミングが上手く合わずに、シャーロットとの恋は実らなかった。
 失意のうちに弁護士を目指すためにロンドンへ単身越してきたティムは、父の脚本家仲間のハリー・チャップマンの元で下宿を始める。そして、悪友のジェイに誘われて訪れた店で知り合ったメアリーに恋をする。ところが、ハリーを助けるためにメアリーと出会った時間より前に遡ってタイムトラベルしたせいで、気がつくとティムの携帯には登録したはずのメアリーの連絡先が消えてしまっていた。再びメアリーと出会うためにタイムトラベルを繰り返すティムは、なんとか彼女の愛を得た後もタイムトラベルを繰り返して、人生の成功を掴もうとする。
 メアリーと結婚し子供にも恵まれたティムだったが、妹キットカットの事故や愛する父の死を経験して、どんなにタイムトラベルをしようと誰にでも起こりうる不運や波乱を避けることはできないことを知る。そして、父から教えられた人生の秘訣に加えて、自ら本当の幸せにを築くための生き方に気付いていく・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    レイチェル・マクアダムスが目当てで観た作品だが、期待以上の出来映えに満足。ドナール・グリーソン演じるティムと、レイチェル分するメアリーの恋物語で終始するのかと思っていたら、実はそれも含めた人生全般がテーマになっていて、なかなか含蓄のある作品だった。
 レイチェルが素晴らしかったのは言うまでもない(笑)。ティムと出会った時の若作りはちょっと無理がある気がしなくもないのが残念だけど、それ以上に彼女の立ち居振る舞いや表情が魅力的なのだ。ティムと食事を終えて「車まで送って」と言って、実は車は家の前に停めてあるなんてお洒落な誘われ方、一度経験してみたいものだ。
 そして、驚いたのが『アンダーワールド』のヴァンパイアや『パイレーツ・オブ・カリビアン』のデイヴィ・ジョーンズ、それについ先頃も『アイ・フランケンシュタイン』での悪魔といった、キワモノ役が多いビル・ナイのフツーの父親ぶりだ。これが実にいい父親で、正直彼が自分の父親だったらいいのに、と本気で思ったほど。大人になって家族ができてからも父親とハグできる、そんな父子関係って憧れるね。
 シャーロットを演じたマーゴット・ロビーがまた美人で、ちょっと見エマ・ストーンかと思ったけど、エマよりも美人だと思う。でも、主役が彼女じゃなくレイチェルだと知っているから、シャーロットとティムの恋の進展にはドキドキすることもなかったけど。
 タイムトラベルをモチーフにした作品ではあるけど、いたずらにタイムトラベルを賛美しないのがいい。主人公のティムもある時点からは、タイムトラベルをしなくなるのだ。それは、タイムトラベルで過去を変えられたとしても、それが現状を改善するとは限らないことに気づいたからだ。だからこそ、悔いの残らないように一日一日を精一杯生きる。今の私にもそれが最も欠けていることだと気づかせてくれた、そんな秀作だった気がする。