評     価  

 
       
File No. 2090  
       
製作年 / 公開日   2014年 / 2014年09月27日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   橋本 以蔵  
       
上 映 時 間   90分  
       
公開時コピー   人類を滅亡しうる薬を手にするのは男か、女か?  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   小西 真奈美 [as 鮎川桜子]
窪塚 洋介 [as 日村紀久生]
和田 哲史 [as 寺子田達彦]
SHOGO
勝矢
クリス・ペプラー [as 道元紀夫]
高橋 洋
秋吉 久美子 [as 日村百合子]
柄本 明 [as 一ノ瀬迅]
 
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あ ら す じ    風邪をこじらせた工事現場の作業員・日村紀久生は、偶然訪れたスナックのママ・鮎川桜子に連れられ、ウイルス学の権威である一ノ瀬迅医師の診察を受け、大学病院に入院する。夜中に病室を抜け出した紀久生は、手慣れた様子で自分の唾液や血液を検査し始める。実は、紀久生の正体は地球上に存在する200種類にも及ぶ風邪ウイルスのすべてに有効な特効薬“風邪(ふうじゃ)ワクチン”を開発した若き天才科学者で、ワクチンのすべてのデータを持って失踪していたのだった。
 桜子は、“風邪ワクチン”を手に入れようと暗躍する裏組織の幹部・道元紀夫)とその右腕・寺子田達彦の指示で紀久生に近づいていた。そして、彼女には組織されたからではなく、どうしてもワクチンを手に入れなければならない強い理由があった。一方、紀久生の頭脳に嫉妬し、特効薬発明の名声が欲しい一ノ瀬もまた、“風邪ワクチン”を狙っていた。
 ワクチンを狙う人々と逃げる紀久生。それぞれの思惑が交錯し、ワクチンを巡り繰り広げられる攻防の末に待ち受けていた、衝撃の真実とは・・・・・?
 
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たぴおか的コメント    小西真奈美の久しぶりの主演作とあって、何が何でも劇場で観なければ、と勢い込んだのは良かったのだが、都内でもシネマート六本木1館しか上映がなく、それなら是非月曜日のメンズデーにと思ったら、最初の月曜は体調不良、次の月曜は台風19号が直撃で、結局上映終了間際の水曜日に1,800円を払って観る羽目になってしまった。
 これで作品が面白ければ苦労した甲斐があったというものだが、問題なのは作品自体じゃなく、今回初めて赴いたシネマート六本木のシアター2。この劇場、設備が最悪としか言いようがない。定員が数十名程度の小規模スクリーンはともかくとして、通路側の座席脇にある非常灯が常時点灯しているために(非常時に点灯するからこそ非常灯なんじゃないのか?)、場内が真っ暗じゃない。しかも、暗闇が多い映像のために、非常灯のおかげでスクリーンが見難くて仕方なかった。上映中は是非、非常灯を消してもらいたいものだと切に思う。
 設備はサイアクだが、作品の中身自体は悪くない。誰もがよく知る「風邪」がモチーフだけに、非常に分かり易いのだ。ちなみに、風邪を治す薬を発明したらノーベル賞ものだ、と言われている通り、実は風邪には現在もなお有効な治療薬はない。では、市販されている風邪薬とは何かと言えば、風邪による発熱、咳、くしゃみといった諸症状を抑えるだけで、結局風邪を治すには人体の自然治癒能力に頼るしかない。だから、この作品で扱われる“風邪ワクチン”が、いかに価値があり、特にウイルス研究者にしてみれば、喉から手が出るくらい欲しいものだということが容易に理解できる。
 小西真奈美はさすがに上手いね。そして、相手役の窪塚洋介も、今回はセリフが極端に少ないだけに演技力が物を言う。そんな役柄をそつなくこなしていて、改めて感心させられた。多くの「なぜ?」を提起しておいて、それらがすべてラストでひとつに繋がっていくという構成も良く、おかげで最後まで観ているる者は興味を惹かれて退屈することがない。クリス・ペプラー(この人が映画に出演するの、初めて観た。もしかして、これが彼のスクリーン・デビュー作?)扮する道元や柄本明演じる狂気に走った一ノ瀬医師が加わっての風邪ワクチン争奪戦、果たして勝者は一体誰なのか?ラストに待ち受けているどんでん返しも見物だ。