評     価  

 
       
File No. 2108  
       
製作年 / 公開日   2014年 / 2014年10月25日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   長田 琴  
       
上 映 時 間   108分  
       
公開時コピー   ココロもカラダも
元気になれるヒントがつまってる!
日本初、体感型ヨガ・ムービー!!
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   門脇 麦 [as 本沢海空]
道端 ジェシカ [as KUMI]
ディーン・フジオカ [as 篤史]
葉山 奨之 [as 時森]
石田 ニコル [as RISA]
坂口 健太郎 [as 瞬]
高谷 智子 [as 本沢花代]
綿本 彰 [as Himself]
椎名 慶子 [as as Herself]
鶴見 辰吾 [as 若尾編集長]
木内 みどり [as 佐藤の妻]
螢 雪次朗 [as 佐藤春夫]
村上 淳 [as 梅之助]
 
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あ ら す じ    本沢海空、21歳。青森の実家で林檎の収穫を手伝って貯めた88万円を手に、刺激的な生活を求めて大都会東京にやって来た。「もう田舎者とは呼ばせない!」と意気がっているものの、口を開けば出てくるのは津軽弁ばかり。ある時テレビで、KUMIというトップモデル兼ヨガインストラクターの美しさに一目惚れし、KUMIのいるヨガスクールに通い始める。
 KUMI、28歳。モデルとして雑誌の表紙を飾りながら、ヨガインストラクターとしても活動する慌ただしい日々を送っている。肌のメンテナンスを怠らず、見えないところのお洒落にも手抜かりのない努力家だ。最近はヨガウエアのプロデュースも始めてますます忙しいけれど、努力の末に手に入れた今の地位は、絶対に手放したくない。想いを寄せてくれる写真家の篤史が誘ってきてもどこか上の空。
 KUMIに憧れる海空は、撮影場所や、行きつけの“BAR SO’ham”にまで顔を出すようになる。ストーカーのようにまとわりつく海空にペースを乱されてイライラするKUMI。だが、その屈託のなさは、大都会で一人隙を見せずに頑張ってきた彼女の心を少しずつ溶かしていく。KUMIの良き理解者である“SO’ham”のマスター梅之助と従業員のも海空を牽制しつつもそのペースに巻き込まれていく。
 そんなある日、海空は街で出逢った時森にだまされ、全財産を盗まれてしまう。泣きじゃくる海空をKUMIはスタジオに招き入れ、ヨガを始める。KUMIに誘導され、心の落ち着きを取り戻した海空。「顔色がさっきと別人…ちゃんと呼吸した証拠だね」と言うKUMIに、「これが・・・ヨガ・・・。すごい。魔法みたい・・・」と海空は深い感銘を受ける。
 一文無しになってしまった海空はKUMIの部屋に居候することになる。KUMI が出かけている間、散らかった部屋を片付け、花を飾り、夕食を用意する海空。帰宅して、食卓にごちそうが並べられた温かい光景に目を見張るKUMI。こうして、何の接点もなかった二人の奇妙な同居生活が始まった。朝ヨガで目を覚まし、一緒にペディキュアやパックをする日々。KUMIの手ほどきでファッションセンスも身につき、アルバイトも採用になり、海空の生活はうまく回り始める。
 しかし、そんな海空とは反対にKUMIの人生は急降下。後輩モデルのRISAにメインモデルの座を奪われ、篤史にも見放され、ついにはストレスから倒れてしまう・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ヨガ・ムービーなんて、と最初は上から目線でとらえていた作品だが、観てみるとこれが実に心地いい作品で、観終えた後私もヨガを習いたい気分になった(笑)。おまけにエンド・クレジットの前に瞑想のための5分間が用意されていて、ナレーションのままに目をつぶって深呼吸するのが気持ちいい。あのナレーション、てっきり門脇麦だと思っていたら、実は作品にも登場する、ホットヨガスタジオのインストラクター、椎名慶子さんだった。そりゃそうだよね。
 門脇麦と言えば、初めて観たのが『恋の渦』で乱交パーティに訪れた女性役で、次が『闇金ウシジマくん』でホストに貢ぐ女性と、演技力は確かだけどどうもアンニュイな暗い役柄が似合う女優だと思っていた。そんな彼女に対して私が持つネガティブなイメージを覆すような作品で、これは男女を問わずにオススメできる。
 世間知らずの門脇麦演じる海空が単身上京して、全財産を騙し取られながらも、道端ジェシカ演じるKUMIや、村上淳演じる梅之助に支えられながら、変にひねくれることなく真っ直ぐに生きていく。そんなストーリーにヨガが実に巧く絡められているのだ。こんな映画を観てしまうと、今まで麻雀を発明した中国を偉大な国だと思っていたが、ヨガやカレーを生んだインドも負けず劣らず偉大な国なんだと思う。あ、そういえば“0”という概念を発明したのもインドだったな。どうでもいいことだけど。
 門脇麦、とにかく津軽弁が上手い、うま過ぎる(笑)。もしかして青森出身かと思ったら、生粋の東京生まれだというから驚いた。そもそも津軽弁は本当に外国語のような方言だから、とにかく字幕がないと何を喋ってるかわからないほど。それをあれほど流暢に早口で喋れるとは恐れ入った。海空の母親を演じた本沢花代は正真正銘の青森県出身みたいだけどね。
 映画初出演のトップモデル・道端ジェシカが、見た目の美しさに加えて、初めてとは思えない演技達者ぶりを見せてくれている。誰とは言わないけど、どこかの中途半端に美人な女優と違って、本物の美人は嫌みがないんだよね。そして、ゲイのマスター・梅之助の優しさが、海空とKUMIをさりげなく支えてくれているのがいい。そして、意外な所で登場して実は重要な役割を演じた螢雪次朗も見逃せない。彼が亡くなったことをKUMIが知るシーンでは、思わず観ているこっちまで目頭が熱くなってしまった。とにかく、登場人物が皆愛すべきキャラクターばかりで・・・・・あ、ひとりだけ例外がいたな(笑)。
 ラストでは、前述の椎名慶子さんが主宰するホットヨガスタジオLAVAから、もの凄い人数のエキストラが参加しての、海空、KUMI、それに梅之助と一緒にヨガをするシーンは圧巻だ。