評     価  

 
       
File No. 2120  
       
製作年 / 公開日   2013年 / 2014年11月14日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   アトム・エゴヤン  
       
上 映 時 間   114分  
       
公開時コピー   悪魔は、だれか。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   リース・ウィザースプーン [as パム・ホッブス]
コリン・ファース [as ロン・ラックス]
アレッサンドラ・ニヴォラ [as テリー・ホッブス]
ジェームズ・ウィリアム・ハムリック [as ダミアン・エコールズ]
セス・メリウェザー [as ジェイソン・ボールドウィン]
クリストファー・ヒギンズ [as ジェシー・ミスケリー・Jr]
エイミー・ライアン [as マーガレット・ラックス]
ロバート・ベイカー [as リッジ刑事]
コレット・ウォルフ [as グローリ・シェトルズ]
レックス・リン [as ギッチェル署長]
ブルース・グリーンウッド [as バーネット判事]
クリストファー・ポラーハ [as ヴァル・プライス]
マット・レッシャー [as ポール・フォード]
マイケル・グラディス [as ダン・スティッドハム]
スティーヴン・モイヤー [as ジョン・フォグルマン]
マーティン・ヘンダーソン [as ブレント・デイヴィス]
テッド・ハッカビー [as スティーヴ・ジョーンズ]
イライアス・コティーズ [as ジェリー・ドライヴァー]
デイン・デハーン [as クリス・モーガン]
ケリー・カヒル [as ジョー・リン]
ミレイユ・イーノス [as ヴィッキー・ハッチソン]
ケヴィン・デュランド [as ジョン・マーク・バイヤース]
 
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あ ら す じ    1993年初夏、アメリカ、アーカンソー州ウエスト・メンフィスで児童の猟奇殺人が発生する。鬱蒼と緑が生い茂る“ロビン・フッドの森”の奥深く、“悪魔の巣窟”と呼ばれる沼の底から全裸姿で発見された少年たちは、手足を靴紐で縛られ、体には人間の所業とは思えない暴行の痕があった。戦慄した地元住人らはパニックに陥り、全米のメディアが小さな田舎町に押し寄せる。
 犯行当日の夜、現場近くのレストランに現れた血まみれの黒人男性、児童らの顔見知りだったアイスクリーム売りの若者クリス・モーガンなど、捜査線上に浮かび上がった不審人物は決め手を欠き、報道が過熱するなか警察は、16〜18歳の若者3人を犯人と断定し逮捕する。
 警察はあまりにも猟奇的な殺人の手口ゆえに、悪魔を崇拝する異端者が儀式の生贄にしたとし、それに当てはまる人物としていつも黒い服装をしてヘヴィメタルを愛聴し、オカルトへの興味を隠さない町の問題児ダミアン・エコールズとその仲間たちジェイソン・ボールドウィンジェシー・ミスケリー・Jrの犯行だと見立てたのだ。
 悪魔崇拝が動機の未成年者の犯行説に激震が広がる中、事件の成り行きに不自然さを覚えた私立探偵のロン・ラックスは独自で調査を開始する。一方、被害者の母親のひとり、パム・ホッブスは当初はダミアンら3人が真犯人と信じて疑わなかったが、裁判を通して浮上したさまざまな矛盾に動揺し、人知れず苦悩を深めていた。そして、警察も司法も信じられなくなったパムは、事件を調べるラックスに、意外な人物の事件への関与をほのめかす衝撃的な告白をする・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    アメリカではあまりに有名な事件らしいが、私は全く知らなかった“ウエスト・メンフィス3事件”を描いた作品。映像で見せられると確かにその殺し方は凄惨この上なくて、しかもわずか8歳の子供3人が被害者というから、あまりに痛々しい。何が恐いといって、ワケがわからない事ほど恐い物はない。その意味では、犯人が未だに不明だということはもちろんだが、その動機が全く想像すらつかないというのは、犯人は精神異常者だとしか思えず、付近の住民たちはさぞかし恐ろしさに震えならが暮らしたことだろう。
 冷静に考えて、この事件での警察の対応はどう考えてもおかしい。3人の若者が逮捕された最大の要因となる母とその息子の証言は信憑性を著しく欠いている。後日、警察から強要されて事実無根の証言をしたと語っているようだが、少なくともこの作品を観る限りは母親が自ら進んで証言を申し出ている。3人の前途ある少年の未来を奪うような言動を軽々しくやってのけるとは、その軽薄さ・無分別さが不愉快この上ない。そして、事件当日ダイナーに訪れた血まみれの男が残した血痕を採取しておきながら、裁判では紛失したと言い張る警官。紛失じゃなくて、明らかに証拠隠滅じゃないのか?つまりは、はなから3人が犯人になるように仕組まれていたとしか思えないのだ。ちなみに、被害者の母親(おそらくリース・ウィザースプーンが演じたパムだと思われる)が、インタビューに対して3人は無実だと思うと答えている。
 そのリース・ウィザースプーンだが、驚くべき太り方で完璧な中年のオバサン体型になっているのにはビックリ。てっきりこの作品の役作りのためかと思ったら、どうやら結婚生活のストレスから食に走ったことに、出産太りが重なってああなってしまったというのが真相のようだ。今は既に元のスリムな体型に戻っているとかいないとか。
 コリン・ファースが、今回は弁護士資格を持たない探偵ということで、裁判では傍観者を強いられる立場を演じている。言いたいことも言えないもどかしさやイライラ感が観る者にもしっかり伝わってくる。こういうコリンは悪くはないが、オスカーを取って以来出演作の傾向が変わってきた、なんて思うのは邪推かな?基本的に彼はコメディで最も持ち味が発揮される俳優だと思うのだが。『英国王のスピーチ』だってコメディタッチでしょ?