評     価  

 
       
File No. 2132  
       
製作年 / 公開日   2014年 / 2015年11月29日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   山崎 貴  
       
上 映 時 間   109分  
       
公開時コピー   日常は、ある日とつぜん、食べられた。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   染谷 将太 [as 泉新一]
深津 絵里 [as 田宮良子]
阿部 サダヲ [as ミギー(声)]
橋本 愛 [as 村野里美]
東出 昌大 [as 島田秀雄]
岩井 秀人
山中 崇
オクイ シュージ
池内 万作
豊原 功補 [as 山岸]
大森 南朋 [as 倉森]
北村 一輝 [as 広川]
余 貴美子 [as 泉信子]
國村 隼 [as 平間]
浅野 忠信 [as 後藤]
 
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あ ら す じ    謎の寄生生物パラサイトが現れた。パラサイトは人間の脳に寄生し肉体を操り、人間を捕食していく。高校生の泉新一にもパラサイトが近づき脳に寄生しようとするが失敗し、パラサイトはやむなく右腕に寄生する。この信じがたい事態を周囲に話すわけにもいかず、新一は右腕のパラサイトにミギーと名前を付け奇妙な共生生活を始める。
 パラサイトは同種の存在を感じることができ、新一は次々とパラサイトに脳を乗っ取られた人間に遭遇する。彼らは皆脳が残ったままパラサイトと共存する新一に異様な敵意を抱き、その都度ミギーは本来は仲間であるパラサイトたちを、何のためらいもなく倒していく。そんな新一とミギーの前に、新任教師として現れたパラサイトの田宮良子は、高校生のパラサイト・島田秀雄、警官のパラサイト・Aと共に、人間と共存する道を模索しているという。
 ところが、島田の正体が発覚してしまい、新一の幼馴染の同級生村野里美に危険が迫る。学校内が大騒動になる中、島田を倒した新一とミギーだったが、彼らに敵意を抱くAは、新一とミギーによって瀕死の重傷を受けると、あろうことか新一の母・信子に寄生し、新一の前に現れる。そして、母親の信じられない姿に動揺する新一は、為す術もないままにAに心臓を貫かれてしまう・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    1990年前後に連載された、同名の伝説的コミックを実写化した作品で、私も原作の大ファンでコミックは全巻持っている。実はこの作品、映画化権を獲得したハリウッドのニューライン社が40年の歴史に幕を下ろすという予想外の事態のために、映画化に20年以上もかかったといういわく付きの作品でもある。もっとも、その20年の間に映像技術は格段の進歩を遂げているから、映画化が遅れたのは不幸中の幸いだったと言えるかもしれない。
 原作の世界が非常に忠実に再現されているのは気に入った。そして、のっけから大迫力の音楽でボディ・ブローを食らって、そのまま映画に引きずり込まれる。寄生生物と新一との戦闘シーンがタイミング良く配置されているから、ちょっと気を抜こうと思うとまた緊張を強いられ、その連続であっという間にラストまで連れて行かれてしまう。
 ところが、そもまで思い切り盛り上げておいて、ラストが何とも中途半端な終わり方なのだ。これはもしかして、ヒットしたら続編の製作を考えているのか?なんて思ったらとんでもない。エンド・クレジットの終了後に2作目の『完結編』の予告が流された。公開日も既に来年4月25日に決まっているとのことだ。どうりで、モヤモヤ感を持たせたままに終わると思った。その辺りは観客心理を上手くとらえていて、さすがは東宝、実に商売上手なやり方だと思う。
 その他のキャスティングも、実に巧い人選じゃないかな。田宮良子役の深津絵里は、原作のシャープなイメージとはちょっと違うものの、童顔だけにかえってコワい。演技が下手だと言われている東出昌大の島田秀雄も、ぎこちない笑顔がまさにうってつけ。もしかして、演技の下手さが幸いした?なんてことないよね(笑)。エンド・クレジットで大森南朋の名前があったが、確かどこにも登場していないはずと思ったら、ラストで新一を撮影するカメラマンだったようだ。完結編ではもっと出番が多くなるはず。