評     価  

 
       
File No. 2180  
       
製作年 / 公開日   2014年 / 2015年02月28日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   チアン・ショウチョン  
       
上 映 時 間   118分  
       
公開時コピー   今、心からの「ただいま」。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   永作 博美 [as 吉田岬]
佐々木 希 [as 山崎絵里子]
桜田 ひより [as 山崎有沙]
保田 盛凱清 [as 山崎翔太]
臼田 あさ美 [as 城山恵]
イッセー尾形 [as 弁護士]
村上 淳 [as 清水俊男]
永瀬 正敏 [as 男]
浅田 美代子 [as 山崎由希子]
 
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あ ら す じ    石川県能登半島の中でも最も北側にある奥能登。東京から故郷である奥能登に戻ってきた吉田岬は、日本海に面した海辺の舟小屋を改装し、焙煎珈琲店・“ヨダカ珈琲”を開く。ヨダカ珈琲の向かいにある民宿には、有沙翔太という小さな子を二人抱えたシングルマザーの山崎絵里子が住んでいた。絵里子は金沢で働いており、絵里子にとって頼りの綱である祖母の山崎由希子は入院中のため、幼い姉弟ふたりきりになることも多かった。姉弟の目にはたびたび訪れてくる絵里子の恋人であるが恐ろしく映っていた。
 姉弟は家の近くにオープンした珈琲店に興味を持ち、次第に姉弟と岬の距離が縮まっていく。一方、絵里子は考え方の異なる岬に嫌悪感を抱いていたものの、ある夜起きた事件で岬を助けたことから友情を持つようになる。やがてヨダカ珈琲には有沙の担任教師・城山恵ら地元の人々にも馴染んでいく。店には岬と絵里子、子どもたちの笑顔が満ち、岬にとってかけがえのない場所となっていた。そんな中、岬が奥能登に戻ってきた一番の理由である父清水俊男について、ある事実を知ることになる・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    永作博美×佐々木希のコラボに興味を持ちながら、観ようと思うたびにトラブルに見舞われ(例えば、上映時刻に間に合うように劇場に着いたつもりが、上映開始時刻と終了時刻を間違えてしまったり・・・・・これって、トラブルじゃなくて単なるボケだろ>自分)、遅ればせながら公開から1週間たってやっとのことで鑑賞。
 舞台となる奥能登の、海辺の舟小屋を改装した“ヨダカ珈琲”のひなびた雰囲気が暖かみ、日本海の荒波の厳しさ、それに海に面してぽつんと立てられた街灯のほのかな灯りというシチュエーションが気持ちを和ませてくれるのがいい。この作品のように淡々と進む静かな物語は私にとって、なぜか強烈な睡魔を惹起する場合と、眠気など全く感じずに終わってしまう場合の両極端で、その中間がないような気がする。果たしてその差が一体どこからくるのかは自分でもわからないが、この手の作品が両極端だということ、そしてこの作品が後者のパターンに属するのは確かだ。
 永作博美は相変わらず童顔に似合わない自立した強い女性役が似合う。佐々木希がシングルマザー役というのは映画を観て初めて知ったが、最初はてっきり有沙と翔太が年の離れた妹と弟だと思っていただけに衝撃的だ。彼女も母親役を演じておかしくない年齢(27歳)だったんだね。永作博美演じる岬と、佐々木希演じる絵里子、最初は一方的に絵里子が岬を拒絶していたが、絵里子みたいな女性って何かをきっかけに味方にできると、結構心強いんだよね。そのきっかけってのが、永瀬正敏の最大の見せ場だっていうのはちょっと滑稽だけど。
 岬と絵里子の2人の友情ってだけなら、それほど心を動かされることもなかっただろうけど、そこに有沙と翔太の2人の子供を絡めてくるのはズルい。あたかも私の弱点を狙い撃ちするかのような設定で、岬と絵里子の友情、絵里子と有沙・翔太の親子の絆、そして岬と有沙・翔太の絆という不安定な三つ巴の人間関係がどう変わっていくのかが気になって、最後まで穏やかな緊張感を持ち続けることができたようだ。
 最後に余談。以前に何の作品だったか忘れたけど、3D+α(席が動いたり、風が吹き付けたり、雨が降ったり(これは困りものじゃ?)、香り、煙などの特殊効果を体験させる4DXデジタルシアターをユナイテッド・シネマがオープンしたとのこと。そんなもん、必要ないんじゃ?なんて思っていたが、少なくともこの作品の場合、コーヒーの香りが場内に漂っていればなぁ、と痛感したことを考えると、あながち4DXも無用の長物じゃないのかもしれないね。