評     価  

 
       
File No. 2209  
       
製作年 / 公開日   2014年 / 2015年05月02日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ポール・シュレイダー  
       
上 映 時 間   94分  
       
公開時コピー   ニコラス・ケイジ 引退  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ニコラス・ケイジ [as エヴァン・レイク]
アントン・イェルチン [as ミルトン・シュルツ]
アレクサンダー・カリム [as モハメド・バニール]
イレーヌ・ジャコブ [as ミシェル・ズバレイン]
 
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あ ら す じ    30年のキャリアを誇るベテランCIA捜査官エヴァン・レイクは、CIAに入る以前はアメリカ海軍でも国に忠義を尽くすなど、輝かしい経歴を持っていた。しかし、「自分はまだまだ現役として現場で役に立つ人間だ」と主張するレイクに、上司は華々しい式典の約束と引き換えに引退を勧告する。そんなとき、レイクを慕う部下・若きCIA捜査官ミルトン・シュルツが、22年前の合衆国ミッション遂行中にレイクを監禁し拷問した政治過激派のテロリストリーダー、モハメド・バニールがケニアに潜伏している可能性がある、という情報を突き止める。
 その忌まわしい過去の記憶を、レイクは22年間一時たりとも忘れたことはなかった。死んだと思われていた仇敵がどこかで生きているはずだと信じていたレイクは、シュルツと共にルーマニアに飛ぶ。女性密偵ミシェル・ズバレインの力を借りながら、バニール生存の証拠を掴むことに成功するが、レイクは末期的な認知障害と医者に診断され、記憶が混濁するなど不安定な健康状態が続き、残された命は僅かになろうとしていた。しかしレイクは自分の肉体と精神に消えない傷を刻み込んだ宿敵バニールへの復讐に燃え、国家の威信と名誉、正義を守るため、自らの命を賭けてケニアへ最後の闘いに乗り込んでいく・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ニコラス・ケイジが脳障害に冒された、退役間近のCIAエージェントを演じている、大作の合間の小休止のような作品。白髪(銀髪?)のニコラス・ケイジが、実年齢よりも10歳以上老けて見える。原題“DYING OF THE LIGHT”は「死に行く光」とでも訳すればいいのだろうか。そしてその「光」とはおそらくニコラス・ケイジ演じる主人公エヴァン・レイクの存在なんだろうけど、私が観た感じ彼は“Light”というよりはむしろ“Dark”なキャラクターだ。
 邦題の『ラスト・リベンジ』=「最後の復讐」というのが、珍しく原題よりも内容を言い当てている。「テロは絶対に許さない」という気持ちもないわけじゃなかっただろうが、本心は22年前に自分を拷問にかけたバニールに対する強い私怨が彼を支え続けてきたのだろう。だから、22年振りにバニールに対面した際には、バニールもまた死に行く病だと知って何もせずに立ち去ったものの、相棒がバニールの部下に撃たれると、ついつい見境を失って暴走してしまったのだ。あ、それともあれも病気のせいなのかな?
 それにしても、ただでさえ復讐という決して爽快ではないテーマなのに、それをさらに重苦しくしているのが出演者の年齢層の高さだ(笑)。唯一救いになっているのが、エヴァンの部下ミルトンを演じたアントン・イェルチンの存在だけというのは少し寂しい。これで若い美形の女優が登場していれば、少しは雰囲気も軽くなっただろうけど、物語の設定上それは無理な相談だろう。