評     価  

 
       
File No. 2221  
       
製作年 / 公開日   2014年 / 2015年05月22日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ウェス・ボール  
       
上 映 時 間   113分  
       
公開時コピー   その「迷路(メイズ)}は、
どこまでも追ってくる。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ディラン・オブライエン [as トーマス]
カヤ・スコデラーリオ [as テレサ]
ウィル・ポールター [as ギャリー]
トーマス・ブローディ・サングスター [as ニュート]
アムル・アミーン [as アルビー]
キー・ホン・リー [as ミンホ]
ブレイク・クーパー [as チャック]
ジェイコブ・ラティモア [as ジェフ]
クリス・シェフィールド [as ベン]
ジョー・アドラー [as ザート]
デクスター・ダーデン [as フライパン]
ランドール・D・カニンガム [as クリント]
アレクサンダー・フローレス [as ウィンストン]
パトリシア・クラークソン [as アヴァ・ペイジ]
 
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あ ら す じ    高い壁に囲まれた巨大な迷路への扉は、朝になると開き、夜が訪れる前に閉じられる。夜の間、迷路はその構造を変化させ、二度と同じ道順は出現しない。そんな謎の迷路に囲まれたエリアに、月に一度、生活物資とともに新しいメンバーが送り込まれてくる。記憶を失い、かろうじて自分の名前だけを思い出す彼らたちは、コミュニティを形成して独自のルールに則って調和を保っていた。選ばれた数名が迷路の構造を調査し、この地からの脱出法を探していた。
 そんなコミュニティに新たに送り込まれたトーマスは、リーダーのアルビーニュートチャックらに教え助けられながらも、今ひとつコミュニティになじめずにいた。そんなある日、迷路の調査に出かけたミンホらの戻らないままに迷路の扉がが閉まろうとしている時、トーマスは迷路の中に飛び込んでしまう。
 トーマスはミンホと共に一晩を切り抜け生還すると、その後一人の女性が「彼女が最後だ」というメッセージと共に送り込まれてくる。彼女テレサはトーマスのことを知っているようで、トーマスも又記憶の底で彼女に見覚えがあった。そして、夜になっても迷路の扉は開いたままになり、メンバーは残留するか迷路を抜けて脱出するかの選択を迫られるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    全米ティーンの間で爆発的な人気を博した小説を映画化した、3部作の1作目となる作品。私は今回が迷路脱出を決意する序章的な位置づけで、2作目がいよいよ迷路と格闘する山場になるのかと予想していたが、見事に裏切られた。思ったよりも呆気なく、1作目で巨大迷路はクリアされてしまうのだ。これだったら、今まで3年もの間に一体何をやってたのか?と言いたくなる。別にランナーのように走れなくてもいい、少しばかりの機転が利く人間がいれば、もっと早く迷路はクリアできたはずだ。
 というわけだから、本当の意味での『メイズ・ランナー』はこの作品だけで、おそらく今後は迷路が登場しない全く違った展開になるはずだ。ちなみに、エンド・クレジット終了後に次作の映像が披露されるのだが、予め冒頭に字幕で告知されていたにもかかわらず、エンド・クレジットになった途端に席を立って退場した観客の気が知れない。もしかして、早くも「2作目は観ない」との決断を下したのだろうか?
 ティーン向けYA小説が原作ということで、登場人物も皆若手の俳優ばかりで、私が知る俳優はラストで登場するパトリシア・クラークソンだけか・・・・・と思ったら、常にトーマスに敵対するギャリーを演じたウィル・ポールター、どこかで観た顔だと思ったら、『ナルニア国物語 第3章』の彼だったんだね。あの変な眉の形だけは、一度観たら忘れられない(笑)。ミュート役の俳優は、予告編では一瞬『クロニクル』のデイン・デハーンかと思ったけど、違ったようだ。
 パトリシア・クラークソン演じる正体不明の人物が、どうやら若者たちを集めて何らかの実験を行っている首謀者のようで、おそらくは『ハンガー・ゲーム』のスノー大統領のような役回りを演じることになるのだろう。そういえば、どことなく『ハンガー・ゲーム』の既視感を覚えるこの作品だが、J・ローレンスというオスカー女優を擁する擁する点では言うまでもなく、その他の出演者の格も圧倒的に『ハンガー・ゲーム』には敵わない。その上内容もイマイチとあっては、両作品を同じ土俵の上で比較するのは、あたかも横綱と小学生の相撲のようで、酷かもしれないな。
 巨大迷路というシチュエーションは観る者を圧倒するのだが、それ以外は取り立てて目新しさも感じられず、極めて平凡な出来。しかも、その巨大迷路さえも、3部作全体を俯瞰すれば単なる脇役に過ぎないようだ。原作がティーンをターゲットにしたYA小説だから、私のようなオジサン世代には今ひとつ面白さが感じられないのかもしれない。もう少し工夫すれば、アドベンチャー大作として成功したかもしれないと思えるのは残念だ。ただ、この作品はあくまで序章に過ぎず、次作からが盛り上がりそうな予感はするけど、このシリーズに3作付き合わざるを得ないのはちょっと辛いかも。2作目の出来次第では3作目を観ることはないかもしれない。