評     価  

 
       
File No. 2225  
       
製作年 / 公開日   2015年 / 2015年05月23日  
       
製  作  国   アメリカ / メキシコ / 南アフリカ  
       
監      督   ニール・ブロムカンプ  
       
上 映 時 間   120分  
       
公開時コピー   ・・・ボクを・・・なぜ怖がるの?・・・  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   シャールト・コプリー [as チャッピー]
デヴ・パテル [as ディオン・ウィルソン]
ヒュー・ジャックマン [as ヴィンセント・ムーア]
ニンジャ [as ニンジャ]
ヨ=ランディ・ヴィッサー [as ヨーランディ]
ホセ・パブロ・カンティージョ [as アメリカ]
シガニー・ウィーヴァー [as ミシェル・ブラッドリー]
ブランドン・オーレット [as ヒッポ]
 
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あ ら す じ    2016年、犯罪多発都市、南アフリカ・ヨハネスブルグ。ロボット開発者のディオン・ウィルソンは、苦心の末にプログラミングに成功した学習機能を備えたAI(人工知能)を、廃棄されるはずのロボットにインストールする。“チャッピー”と名付けられたそのロボットを起動させると、まるで子供のように純粋な状態であった。だが、チャッピーはディオンとともにニンジャヨーランディアメリカら3人のストリートギャングにさらわれ、そのAIにはギャングによって生きるための術が叩き込まれていく。
 そんな中、加速度的に成長するAIは彼自身のバッテリーが残り5日間しかないことを知り、さらに死への恐怖をも感じるようになっていく。やがて、ただ生きることを目的としたチャッピーは人知を超えた行動を起こし始めるが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    なんだか、『第9地区』の世界観にロボコップを引きずり込んだ、そんな印象を受けた。ヒュー・ジャックマン演じるヴィンセントが開発したロボットなんて、まさにロボコップに登場したアレのまんまじゃないのか。もっとも、CG技術が進歩した分、『ロボコップ』に観られるようないかにも合成だと言わんばかりの不自然さはさすがに払拭されてはいるが。
 『第9地区』のニール・ブロムカンプ監督と主演シャールト・コプリーのタッグ再びってことになるが、なぜか半ばまで時間が経過してもコプリーが登場しない。そこでやっと、チャッピーのモーションキャプチャと声を彼が担当しているのだと気づいた。そのモーションキャプチャーだが、あまりにチャッピーの動きが自然すぎてロボットらしさが全く感じられず、逆に不自然。それから、AI機能のロボットを作れるほどの技術があるなら、もう少し造形に気を配って欲しいものだ。あれじゃ、ガラクタを集めて作ったにわか仕立てのポンコツにしか見えない。
 チャッピーを作った技術者ディオンに『スラムドッグ$ミリオネア』のデヴ・パテル、彼の邪魔をする悪役ヴィンセントになんとヒュー・ジャックマン、ディオンとヴィンセントが勤務する会社のCEOにシガニー・ウィーヴァーと、キャスティングはバラエティに富んでいる。そして、ヒュー・ジャックマンが悪役を演じるのを観るのも初めてなら、彼がコテンパンにやられる姿を観るのも初めてだった。
 そんな見所満載の作品ではあるけど、肝心のチャッピーの性格描写が足りないために、今ひとつ感情移入することができない。しかも、AIで感情を持ったロボットという大きなテーマをもっと掘り下げるのかと思ったら、後半は単なるアクションものに成り下がってしまったようだ。ニンジャとアメリカの悪役コンビも中途半端だし、ヨーランディの可愛くないことといったらもう・・・・・(絶句)。ラストのオチだけは予想もしていない方向に持って行かれて意表を突かれたが、それ以外は極めて平凡な作品だった。