評     価  

 
       
File No. 2254  
       
製作年 / 公開日   2014年 / 2015年07月25日  
       
製  作  国   アルゼンチン / スペイン  
       
監      督   ダミアン・ジフロン  
       
上 映 時 間   122分  
       
公開時コピー   押したら、さいご。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   リカルド・ダリン [as シモン]
オスカル・マルティネス [as モーリシオ]
レオナルド・スバラーリャ [as ディエゴ]
エリカ・リバス [as ロミーナ]
リタ・コルテセ [as 料理人]
フリエタ・シルベルベルグ [as ウェイトレス]
ダリオ・グランディネッティ [as サルガード]
 
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あ ら す じ  
“おかえし”
 仕事の依頼を受けて、指定された飛行機に乗ったファッションモデル。話しかけてきた隣の席の男が、彼女の元カレを知っていた。ところが、元カレの名前を口にした途端、「小学校の教え子だった」「同級生だ」「元部下だ」と乗客全員が彼と関わりがあることが判明。しかも、みんな彼にひどい仕打ちをしていた。息をのみ顔を見合わせる乗客たち。そのとき、CAが発した一言に機内は凍りつく ・・・・・。
 
“おもてなし”
 郊外のレストランでウェイトレスとして働く女。客が誰もいない雨の日、父親を自殺に追いやり、母親を誘惑してきた高利貸しの男が店に現れる。調理担当の女に打ち明けると、彼女は「猫いらずを入れな」と物騒な提案を する。一度は止めたものの、男の傲慢な態度に恨みが激しく再燃し、猫いらず入りと知りつつポテトフライを出してしまう。ところが男は、バクバク食べてピンピンしている。そこへ男の息子が来店 すると、調理担当の女は目を疑う行動に出る・・・・・。
 
“エンスト”
 雄大な山に囲まれた一本道を新車で走り抜ける男。前方を走るポンコツ車がノロノロ運転のくせに追い越しを邪魔する。ようやく抜き去る時に、「トロいんだよ、田舎者!」と捨て台詞を吐く男。ところが、程なくしてまさかのパンク。タイヤを取り換えていると、例のポンコツ車が追いついてくる。男は車に逃げ込むが、降りてきた運転手はスパナで新車をボコボコに し始める。満足して立ち去ろうとする運転手に、男はあり得ない逆襲に出る・・・・・。
 
“ヒーローになるために”
ほんの数分で見事にビルを爆破する解体職人の男。仕事を終えて娘の誕生会のケーキを買っていると、駐車禁止区域じゃないのに車をレッカー移動されてしまう。翌日、陸運局の窓口で訴えるが無視され、大暴れしてしまう男。その姿がハデに報道され会社はクビに。日頃から家庭を顧みない夫に腹を立てていた妻からは離婚を言い渡される。職探しで停めていた車を再びレッカー移動された男は、イチかバチかの計画を思いつく ・・・・・。
 
“愚息”
 豪勢な屋敷に暮らす裕福な男。ある朝、息子が酒を飲んだ帰りに人を轢いてしまう。テレビをつけると、既に悪質なひき逃げ事件だと報道 されている。顧問弁護士に相談し、使用人に50万ドルで身代わりになってもらう計画を立てる。ところが、検察官にすぐにバレ、100万ドルで買収する ハメになる。交渉役の弁護士は50万ドル、使用人は追加でマンションを、検察官は必要経費を上乗せろと次々に要求は増えていく。息子に「自首しろ」とキレた男と、金の亡者たちのとんでもない交渉が始まる ・・・・・。
 
“HAPPY WEDDING”
 盛大な結婚式の最中に、花婿が招待した同僚が浮気相手だと気付く花嫁。ショックのあまり泣きながら屋上に出るが、休憩していたシェフに慰められ、コトに及んでいるところへ花婿が捜しに来る。開き直った花嫁は「全財産はぎ取ってやる!」と恫喝して会場へ 戻る。帰ろうとする浮気相手を引きとめ、一緒に踊り始めた花嫁は、彼女に恐るべき復讐を果たす。だが、花嫁が断固としてやり通した式の終わりには、まさかの結末が待っていた ・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    人生には随所に運命の分かれ道があって、その時に押すスイッチを間違えるとこうなる、という選択の妙を面白おかしく描いた、6話から構成されるオムニバス・ムービー。コピーに「驚愕&爆笑」とある通り、確かに序盤は場内から笑いの渦が巻き起こっていた。でも、物語が進むにつれて、次第に笑いがフェード・アウトしていったのは気のせいじゃないだろう。
 やはりラテン系民族と日本人との民族性の違いなんだろうか、それとも私個人の嗜好なのだろうか、エロ・グロが絡んでくると爆笑が苦笑に変わってしまう。1話目の“おかえし”であれほど可笑しかったのが、3話目の“エンスト”では、車に放尿したり挙げ句の果てには排便したりとなると、もう笑えない。後半は沈黙したままでラストに至ってしまった。
 こういうオムニバスだと、それぞれのストーリーがどこかで微妙に繋がっていたりするものだが、この作品は全く無関係な独立したストーリーになっているのも、ちょっと当て外れだったかな。