評     価  

 
       
File No. 2291  
       
製作年 / 公開日   2015年 / 2015年10月16日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   山本 透  
       
上 映 時 間   91分  
       
公開時コピー   未確認生物を求めて
TV番組クルーが大奮闘!
新境地開拓ムービー
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   藤原 竜也 [as 杉崎正雄]
ユースケ・サンタマリア [as 井坂善三]
小澤 征悦 [as 瀬川学]
田中 要次 [as 橋本政明]
川村 陽介 [as 小宮山秀一]
佐野 ひなこ [as 赤田たまき]
岡安 章介 [as マゼラン]
 
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あ ら す じ    落ち目の俳優・杉崎正雄は、俳優人生を賭けて新境地に挑むことを決意し、伝説の未確認生物(UMA)m三つ首の蛇“ヤーガ”を求め、秘境の地を探検するというテレビ番組の隊長に挑戦する。
 番組がオモシロければ何でもありのプロデューサー・井坂善三、大雑把に進めていくディレクター・瀬川学、職人気質のカメラマン・橋本政明、UMAオタクの音声・照明の小宮山秀一、バラエティ番組をバカにするAD赤田たまき、そしてテキトーな現地通訳のマゼランらの番組スタッフと行動を共にする杉崎であったが、チームワークはバラバラ、撮影も行き当たりばったりでなかなかまとまらない。だがいつしか隊長の自覚が芽生え出した杉崎は、番組作りに真剣に挑んでいくのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    正直あまり期待はしていなかった作品で、劇場で観るかどうかも最後まで迷ったのだが・・・・・観てみると、珍しくほぼ想像した通りの作品だった。キャスティングは、どう見てもユースケはお調子者のプロデューサーだし、田中要次は堅物で口数が極端に少ないカメラマンなんてのは、誰もが容易に想像できる。そして、私と同世代の人間なら誰もが、あの1970年代から80年代にかけてテレ朝系で放映されたスペシャル番組『川口浩探検隊』を思い出すはず。『川口浩』にも“双頭の巨大怪蛇ゴーグ”なんてのがあって、その辺りがこの作品のモチーフになっているのは間違いない。
 思えば、あの元祖や○せ番組と言われた『川口浩探検隊』の裏側はこうなっていたのか、なんて思わせるようなこの作品の杉崎探検隊。実際にOAされるやらせ番組の本編と、それを撮影しているシーンを交互に見せるのは、そのギャップが強調されて面白い。また、張りぼての動かないワニを相手に死闘を繰り広げる杉崎隊長、オモチャの蛇が落ちてきたり、反政府軍の兵士を原始猿人に仕立て上げ、挙げ句の果てに作り物のヤーガが登場するが、その脇を本物の三つ首の蛇が悠然と通り過ぎていく。本物が去った後に忽然と佇む偽ヤーガがなんとも物寂しくて、それがかえって滑稽だ。まぁ、とにかく嘉門達夫の『ゆけ!ゆけ!川口浩!!』に出てきそうなやらせシーンが満載なのだ。
 『川口浩探検隊』を知る人には、絶対にオススメしたい1本であると同時に、『川口浩』を知らない人には、「かつてこんなや○せ番組が10年も続いた」という、今では信じ難い事実を知ってもらいたい、なんて思ったりする。また、バカバカしい笑いに浸りたい気分の時にも、最適の1本になるだろう。