評     価  

 
       
File No. 2305  
       
製作年 / 公開日   2013年 / 2015年11月06日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ジョージ・クルーニー  
       
上 映 時 間   118分  
       
公開時コピー   芸術品はプロ 戦争はド素人
美術品奪還
プロジェクト
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ジョージ・クルーニー [as フランク・ストークス]
マット・デイモン [as ジェームズ・グレンジャー]
ビル・マーレイ [as リチャード・キャンベル]
ジョン・グッドマン [as ウォルター・ガーフィールド]
ジャン・デュジャルダン [as ジャン=クロード・クレモント]
ボブ・バラバン [as プレストン・サヴィッツ]
ヒュー・ボネヴィル [as ドナルド・ジェフリーズ]
ケイト・ブランシェット [as クレール・シモーヌ]
ディミトリー・レオニダス [as サム・エプシュタイン]
ユストゥス・フォン・ドナーニー [as ヴィクター・シュタール]
ウド・クロシュヴァルト [as ヘルマン・ゲーリング]
ミヒャエル・ブランドナー [as 歯科医]
サム・ヘイゼルダイン
マイルス・ジャップ
アレクサンドル・デスプラ [as エミール]
ディアミッド・マルタ
セルジュ・アザナヴィシウス [as ルネ・アルマンド]
グラント・ヘスロヴ [as 医師]
クリスチャン・ロドスカ [as トゥルーマン大統領]
マイケル・ダルトン [as ルーズベルト大統領]
ジェームズ・ペイトン [as アドルフ・ヒトラー]
 
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あ ら す じ    第二次世界大戦が激化する中、ヨーロッパ各国に侵攻したドイツ軍が、大量の美術品略奪を重ねていた。危機感を募らせたハーバード大学付属美術館の館長フランク・ストークスは、ルーズベルト大統領を説得。歴史的建造物や美術品を守る特殊チーム“モニュメンツ・メン”を結成する。そのメンバーは、リーダーのストークス以下、メトロポリタン美術館で中世美術を管理するジェームズ・グレンジャー、建築家リチャード・キャンベル、彫刻家ウォルター・ガーフィールド、ユダヤ系フランス人美術商ジャン=クロード・クレモントら7人。略奪された美術品の追跡、発掘、保護を使命としてヨーロッパへ旅立った彼らは1944年7月、フランスのノルマンディー海岸に到着する。
 だが、激戦を終えたばかりの連合軍から十分なサポートは期待できない。やむなく2,3人ずつに分かれてヨーロッパ各地へ移動し、別々に任務を遂行することとなる。様々な困難を乗り越え、着実に成果を挙げて行くモニュメンツ・メン。ストークスたちは、パリで美術品略奪に加わったシュタールという男から重要な地図を奪取。坑道に隠されていた数多くの美術品を発見する。パリを訪れたグレンジャーは、クレール・シモーヌという女性の信頼を得て、ナチが運び出した何千点もの美術品の台帳とそれらの運び先の情報を入手。その一方で、2人のメンバーが命を落としていた。
 やがてドイツに集結したモニュメンツ・メンは、最大の隠し場所と見られる場所に向けて決死の行動を起こす。果たして、そこには消息不明となったミケランジェロの作品も隠されているのか?だがその行く手には、横槍を入れてきたソ連軍の影がちらつき、ヒトラーの自殺によって全てを破壊しようとするナチの脅威が待ち受けていた・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    この作品、本国アメリカでは2013年の公開予定が延期され、翌2014年に公開にこぎ着けられているが、興行成績はどうやらパッとしなかったようだ。そして日本では、当初2014年秋に公開予定だったのだが、なぜか急遽劇場公開中止となっている。その理由は「諸般の事情」という、なんともしっくりこない漠然としたもので、1年経った2015年11月6日にやっと劇場公開にこぎ着けている。結局公開中止の理由は謎のままという、曰く付きの作品だ。
 まずは、『ミケランジェロ・プロジェクト』なんていう、全く見当違いの邦題には文句を言いたくなる。もちろん、美術品の中にはミケランジェロの作品も含まれるのだろうが、ミケランジェロに特化したプロジェクトではなく、その名前すら作品中には登場しない。要は『ダ・ヴィンチ・プロジェクト』でも『レンブラント・プロジェクト』でも何でも同じなのだ。
 ジョージ・クルーニーが製作・監督・脚本・主演の4役を務め、キャスティングがマット・デイモン以下豪華キャストとなると、誰しもが『オーシャンズ』シリーズの美術品版じゃない?と想像するだろうが、観てみたら当たらずといえども遠からず。ナチスが隠匿した美術品を発見するに至る経緯は大幅に省略されていて、その代わりに不要だとしか思えない小ネタが満載だ。だったら娯楽大作かといえば、スリルや緊迫感を感じることもなく、最後まで弛緩状態が続く。
 実を言うとこの作品、公開1週目の平日に仕事を終えて臨んでいるのだが、疲れと作品の緊張感のなさの相乗効果のおかげで、上映時間118分のうち、おそらくは100分近くは意識を失ってしまっていたのだ。その点でも、まさに『オーシャンズ』を彷彿とさせる作品で、二度目の鑑賞はフリーパスポートがあったから良かったようなものの、正規の料金を払ってまでも二度観る作品じゃない。