評     価  

 
       
File No. 2307  
       
製作年 / 公開日   2015年 / 2015年11月14日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   紀里谷 和明  
       
上 映 時 間   115分  
       
公開時コピー   今、日本の心が世界に羽ばたく。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   クライヴ・オーウェン [as ライデン]
クリフ・カーティス [as コルテス副将]
アクセル・ヘニー [as ギザ・モット]
ペイマン・モアディ [as 皇帝]
アイェレット・ゾラー [as コルテス副将]
伊原 剛志 [as イトウ]
ショーレ・アグダシュルー [as マリア]
アン・ソンギ [as オーガスト]
モーガン・フリーマン [as バルトーク卿]
 
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あ ら す じ    誇り高き騎士の時代は終わりを迎え、よこしまな政治が栄誉に取って変わろうとしていた封建的な帝国。権力欲に取り憑かれた非道な大臣ギザ・モットへの賄賂を堂々と断り、刀を向けたバルトーク卿は反逆罪に問われ、最も残忍な方法による死罪を宣告される。それは、愛弟子であり、自身の後継者として信頼するライデンによる斬首だった。絶対に出来ないと断るライデンに対して、騎士の掟を全うし、自分が亡き後の一族を守れと諭すバルトーク卿。ライデンは震える手で主君の首に刃を振り下ろした。
 それから1年。気高い騎士たちは、その日が来るまで刀を捨て、身分を隠していた。その中で、宿敵の目を欺くため、酒浸りの日々を送る隊長のライデン。全ては忠誠を誓った主君バルトーク卿の仇を討ち、不正が蔓延する堕落した権力に報復するためだった。死を覚悟した気高い騎士達の戦いが今、幕を開ける・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    あの名作、じゃなくて迷作『CASSHERN』の紀里谷監督ハリウッド・デビュー作なのだが・・・・・大した実績もない無名に近い監督の作品に、クライヴ・オーウェンはともかく、オスカー俳優のモーガン・フリーマン、それに韓国のモーガン・フリーマンとも言っていい実力派俳優のアン・ソンギまでもが、よくまぁ出演を承諾したものだと、まずはその点に驚く。中身は忠臣蔵をモチーフにしたものだという予備知識があったのだが、観てみると思った以上に忠臣蔵そのまんま。単に武士道を騎士道に置き換えただけで、これならキアヌ主演の『47Ronin』の方がハッキリと忠臣蔵を謳っている分、まだ潔くて個人的には好きだな。もっとも、あちらは娯楽大作、対するこの作品はスピリチュアルな騎士の生き様という、描く視点からして全く異なる作品だから、単純に比較は出来ないけど。
 忠臣蔵に例えるなら、クライヴ・オーウェンが大石内蔵助、モーガン・フリーマンが浅野内匠頭、あの見るからに嫌みなギザ・モット大臣が吉良上野介、そして伊原剛志が清水一学ってことになるんだろう。死罪を言い渡されたモーガン・フリーマン演じるバルトーク卿の首を、彼を尊敬してやまないクライヴ・オーウェン扮する腹心のライデンが討たざるを得ないというのは、ちょっと身につまされる。
 その後、ライデンが敵の目をごまかすために放蕩三昧というのは、忠臣蔵通り。クライマックスでは、ライデンと伊原剛志扮するイトウ(この名前の由来はどこからくるんだろう?)との一騎打ちもあり、そこそこ盛り上がりも見せてくれる。最後は処刑されることになるのだが、そこでようやくアン・ソンギの出番となるわけで、なるほどこのために彼が選ばれたのか、と妙に納得させられてしまった。本国では大コケしたらしいが、日本人にとってはお馴染みのストーリーだし、そこそこ楽しめるレベルには仕上がっていると言っていいだろう。