評     価  

 
       
File No. 2310  
       
製作年 / 公開日   2014年 / 2015年11月20日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   マーク・ローレンス  
       
上 映 時 間   107分  
       
公開時コピー  
大丈夫、人生のシナリオはいつだって書き直せる
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ヒュー・グラント [as キース・マイケルズ]
マリサ・トメイ [as ホリー・カーペンター]
ベラ・ヒースコート [as カレン・ギャブニー]
J・K・シモンズ [as ハロルド・ラーナー学科長]
クリス・エリオット [as ジム・ハーパー教授]
アリソン・ジャネイ [as メアリー・ウェルドン教授]
アニー・Q [as サラ]
アヤ・ナオミ・キング [as ローザ]
エミリー・モーデン [as アンドレア]
スティーヴン・カプラン [as クレム]
ダマリス・ルイス [as マヤ]
マギー・ゲハ [as フロー]
ニコール・パトリック [as ジェシカ]
ローレン・マックリン [as レイチェル]
アンドリュー・キーナン=ボルジャー [as ビリー]
オリヴィア・ルッカルディ [as クロエ]
キャロライン・アーロン [as エレン]
ジェイソン・アントゥーン [as グレッグ・ネイサン]
マーク・ネルソン [as ジョシュ]
 
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あ ら す じ    脚本家のキース・マイケルズはアカデミー賞を獲得し栄光を掴むが、その後ヒット作を生み出せないまま15年もの月日が経ってしまう。妻に逃げられ一人息子に会えず、ついには電気を止められてしまい、キースはやむなくエージェントに紹介されたニューヨーク北部の田舎町ビンガムトンにある大学のシナリオコースで教鞭を振るうことにする。
 ビンガムトンではまだ過去の栄光が通用し、ダイナーで出会った学生カレン・ギャブニーと意気投合してベッドインしてしまう。大学のパーティでは調子に乗って酔っぱらい、メアリー・ウェルドン教授に暴言を吐いたり、自分の授業の受講者を、プロフィールの写真でだけで判断して好みのタイプの女子を中心に選んだりと好き勝手をして学科長のハロルド・ラーナーに何度もたしなめられる始末。しかしシングルマザーのホリー・カーペンターをはじめ生徒たちは真摯に授業に臨んでおり、彼女らの映画への情熱に触れたキースの中で何かが少しずつ変わり始める。
 ところが皮肉なことに、学生たちを教えることにやりがいを感じ始めた矢先、未だに続いていたカレントの関係がウェルドン教授に知れてしまい、学生との恋愛は御法度という規則に反したキースはクビを言い渡されてしまう・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    劇場で観るかどうかも迷ったほど期待してはいなかった作品だが、時に笑えて時には胸にグッとこみ上げるものがあり、最後まで力を入れずにゆったりと楽しめる。かつてはラブコメの帝王の名をほしいままにしたヒュー・グラントの、新境地開拓への一歩となるだろう作品だ。
 ヒュー・グラントのちゃらんぽらん講師ぶりが最高で、受講者を顔写真だけで決めたり、そのくせせっかく集めた美人学生たちとの講義をいきなり1ヶ月休講にするなんて、いかに彼のやる気がないかがよくわかる。おそらく、彼も以前になまじオスカーを受賞したりしたために、“過去の栄光”という亡霊に囚われているて、プライドを捨てられずにいるのだろう。プライドがあるから、「たかが学生なんかに教えることはない」と内心では講師という仕事を完全に見下しているのだ。
 けれども、そんな彼に新しい人生の糸口を見つけさせてくれたのが、皮肉にも彼が馬鹿にしていた学生たちなのだ。最初は講義をどう進めたらいいか五里霧中だったキースに対して、容赦なく質問を投げかけてくる学生たち。いつしか彼らに対し真摯に向き合うようになったキースは、今まで経験したことのない新しい喜びを知る。そのひとつが、クレムの脚本がハリウッドで認められたことなのだ。
 そんな彼をさり気なくフォローする、マリサ・トメイ演じるホリーの存在も忘れちゃいけない。2人の子どもを育てるシングルマザーでありながら、脚本を真剣に学ぼうとする彼女は、間違いなく魅力的で輝いている。そしてその輝きは、かつてのキースが持っていながら、今は失ってしまったものなのだ。“リライフ"=人生のやり直し、それはコピーにある通りいつだって遅くはない。そのことに気づいたキースが、クビを言い渡されて取った行動は・・・・・自ずと想像がつくはずだ。