評     価  

 
       
File No. 2441  
       
製作年 / 公開日   2016年 / 2016年07月29日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   庵野 秀明  
       
上 映 時 間   000分  
       
公開時コピー   現実(ニッポン)対虚構(ゴジラ)。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   長谷川 博己 [as 矢口蘭堂(内閣官房長官)]
竹野内 豊 [as 赤坂秀樹(内閣総理大臣補佐官)]
石原 さとみ [as カヨコ・アン・パタースン(米国大統領特使)]
高良 健吾 [as 志村祐介(内閣官房副長官秘書官)]
松尾 諭 [as 泉修一(保守第一党政調副会長)]
市川 実日子 [as 尾頭ヒロミ(環境省自然環境局野生生物課課長補佐)]
余 貴美子 [as 花森麗子(防衛大臣)]
國村 隼 [as 財前正夫(統合幕僚長)]
平泉 成 [as 里見祐介(農林水産大臣)]
柄本 明 [as 東竜太(内閣官房長官)]
大杉 漣 [as 大河内清次(内閣総理大臣)]
渡辺 哲 [as 郡山肇(内閣危機管理監)]
中村 育二 [as 金井光二(防災担当大臣兼国家公安委員長)]
浜田 晃 [as 河野純(総務大臣)]
矢島 健一 [as 柳原邦彦(国土交通大臣)]
手塚 とおる [as 関口悟郎(文部科学大臣)]
嶋田 久作 [as 片山修一(副総理兼外務大臣)]
高良 健吾 [as 志村祐介(内閣官房副長官秘書官)]
津田 寛治 [as 森文哉(厚生労働省医政局研究開発振興課長)]
高橋 一生 [as 安田龍彦(文部科学省研究振興局基礎研究振興課長)]
野間口 徹 [as 立川始(資源エネルギー庁電力・ガス事業部原子力政策課長)]
鶴見 辰吾 [as 矢島(統合幕僚副長)]
橋本 じゅん [as 三木(東部方面総監部幕僚長)]
斎藤 工 [as 池田(第1戦車中隊長)]
ピエール瀧 [as 西郷(タバ作戦戦闘団団長兼第1普通科連隊長)]
光石 研 [as 小塚(東京都知事)]
 
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あ ら す じ    東京湾・羽田沖。突如、東京湾アクアトンネルが崩落する重大事故が発生する。すぐさま総理以下、各閣僚が出席する緊急会議が開かれ、地震や火山などの原因が議論される中、内閣官房副長官・矢口蘭堂は未知の巨大生物の可能性を指摘し、上官にたしなめられてしまう。しかしその直後、実際に巨大不明生物が海上に姿を現わし、政府関係者を愕然とさせる。のちに“ゴジラ”と名付けられるその巨大不明生物は陸に上がると、逃げまどう人々などお構いなしに街を蹂躙していく。やがて政府は緊急対策本部を設置するが、対応は後手後手に。
 一方、米国国務省が女性エージェントのカヨコ・アン・パタースンを派遣するなど、世界各国も事態の推移と日本政府の対応に強い関心を示していく。そんな中、様々な思惑が交錯する関係機関をまとめ上げ、ゴジラによるこれ以上の破壊を食い止めようと奔走する矢口だったが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ヱヴァンゲリヲンの庵野秀明監督がメガホンを執った作品。タイトルの『シン・ゴジラ』とは、『新・ゴジラ』と『真・ゴジラ』双方の意味合いを持たせるものだろうか、と勝手に推測。ハリウッド版『GODZILLA』に本家本元の日本が負けるわけにはいかない、とばかりに気合いが入っているのか、総勢328名というとてつもない数のキャストをはじめ、相当な制作費をかけていると思われる。
 今回のゴジラの造形は従来のゴジラと異なり、人間が着ぐるみを着ているのではないためか、ティラノサウルスのように前足が短く小さい。そして、それを補って余りある重量感で圧倒的な迫力を感じさせる今回のゴジラは、歴代の和製ゴジラのいずれと比較しても遜色ない。
 今回のゴジラ、迎え撃つのは日本という国家になるわけだが、登場する政治家たちがおしなべて愚かで危機感に欠ける中、ひとり長谷川博己演じる内閣官房長官の矢口のみが巨大生物の存在を主張する。そして、彼の言う巨大生物を目の当たりにしたとき、あたふたと戸惑うばかりで何もできない閣僚たちの何と愚かなことか。だが、考えてみれば、もし映画というフィクションではなく、本当の現実にゴジラのような巨大生物が出現して、冷静な判断力を保てる者がいるだろうか。その意味では、あれが日本のトップを形成する政治家たちの実物大の投影図であり、実にリアリティにあふれた描写と言えるのだろう。ただ、大杉漣扮する大河内内閣総理大臣の無能ぶりには目を覆いたくなり、その後釜の平泉成演じる里見の方が、よっぽど肝が据わっていて総理にふさわしいように思う。