評     価  

 
       
File No. 2445  
       
製作年 / 公開日   2015年 / 2016年08月06日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   安藤 尋  
       
上 映 時 間   95分  
       
公開時コピー   覗いちゃいけない深淵を
覗いてしまったの
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   村川 絵梨 [as 古川園子]
林 遣都 [as 雨宮清彦]
安藤 政信 [as 越智泰範]
藤本 泉 [as 古川蓉子]
落合 モトキ [as 正田]
奥野 瑛太 [as 畑中]
毬谷 友子 [as 北林未亡人]
 
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あ ら す じ    古川園子は親が決めた婚約者の雨宮清彦と結婚し、息子を授かるが、夫婦の間に愛情はなかった。そんなある日、清彦の転勤で移り住んだ京都で、清彦の上司である越智泰範と恋に落ちてしまう。
 園子は初めて抱く恋心に困惑しつつも、次第に欲望の赴くままに越智との性愛に溺れていく・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    村川絵梨は結構好きな女優なので、彼女の主演作ということで劇場で観ることにしたのだが、これが予想以上に「R15+」な作品だった。原作者・瀬戸内寂聴へのインタビューでは、「主演の女優さんの肌が綺麗」とコメントしていたが、それじゃロコツに「知らない女優だ」と言っているようなもので、ちょっと村川絵梨が可哀想な気が・・・・・。主演女優なんだから、せめて事前に少なくとも名前だけは覚えておくべきだったのでは?
 この作品は発表当時(1957年)に“ポルノ小説”だなどと揶揄され、瀬戸内寂聴自身も“子宮作家”などというレッテルを貼られたらしい。そもそも、タイトルの『花芯』からして、まさにそのものを表していてえげつないのは事実だとは思う。もしこの小説を書いたのが女性作家ではなく、例えば谷崎潤一郎あたりだったら、扱いが違ったかもしれない。あるいは、この小説を発表したのが1950年代じゃなくて現代だったら、それほどの批判に晒されることもなかったかもしれない。もっともその場合は、逆に注目されることなく通俗的な小説として他の有象無象の小説に埋もれてしまう可能性は高くないだろうけど。
 今まで数多くの脇役をこなしてきただけに、村川絵梨の演技力はさすがなのだが、満を持して主役を張るのがこの作品でいいのか?と思ってしまう。共演の林遣都は、彼の健康的なイメージからはかけ離れているような役柄のような気がするのだが、それは演技でカバーできるとして、原作の設定は知らないが年齢的にちょっと若いんじゃないかな。