評     価  

 
       
File No. 2514  
       
製作年 / 公開日   2016年 / 2016年11月23日  
       
製  作  国   イギリス / アメリカ  
       
監      督   デヴィッド・イェーツ  
       
上 映 時 間   133分  
       
公開時コピー         

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   エディ・レッドメイン [as ニュート・スキャマンダー]
キャサリン・ウォーターストン [as ティナ・ゴールドスタイン]
ダン・フォグラー [as ジェイコブ・コワルスキー]
アリソン・スドル [as クイニー・ゴールドスタイン]
エズラ・ミラー [as クリーデンス・ベアボーン]
サマンサ・モートン [as メアリー・ルー・ベアボーン]
ジョン・ヴォイト [as ヘンリー・ショー・シニア]
カーメン・イジョゴ [as セラフィーナ・ピッカリー]
コリン・ファレル [as パーシバル・グレイブス]
ロン・パールマン [as ナーラク]
ローナン・ラフテリー [as ラングドン・ショー]
ジョシュ・カウダリー [as ヘンリー・ショー・ジュニア]
フェイス・ウッド=ブラグローブ [as モデスティ・ベアボーン]
ジェン・マーリー [as チャスティティ・ベアボーン]
ケヴィン・ガスリー [as Mr.アバナシー]
ジェンマ・チャン [as マダム・ヤ・ジョウ]
ウンミ・モサク [as ベリル]
ゾーイ・クラヴィッツ [as リタ・レストレンジ]
ジョニー・デップ [as グリンデルバルド]
 
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あ ら す じ    1926年、イギリスの魔法使いで魔法生物学者であるニュート・スキャマンダーは、アリゾナ州へ向かうルートの経由地ニューヨークに船で到着する。そして、ノー・マジ(No-Magic:魔法が使えない者)のジェイコブ・コワルスキーと出会うが、ひょんなことから2人が持っていたスーツケースが入れ替わった挙げ句に、スーツケースから魔法動物が何体か逃げ出してしまう。
 降格させられた闇祓いであるティナ・ゴールドスタインが、ニュートを未登録の魔法使いとして逮捕し、かつての地位を取り戻したいとの思いを秘めながらアメリカ合衆国魔法議会 (MACUSA) の本部に連行する。その頃、ニューヨークでは謎の“黒い影”によに建造物が破壊される事件が続発していた。そしてついに、黒い影によって上院議員が殺害されてしまい、魔法保安局長官パーシバル・グレイブスは、黒い影の正体をニュートが逃がした魔法生物だと決めつるが、ニュートはそれが子供の魔法使い潜む寄生物のオブスキュラスによるものだと確信する。
 グレイブズは少年クリーデンス・ベアボーンに接近し、虐待を行う母親から逃がしてやるかわりに、オブスキュラスを見つけさせようとする。彼もまた町中で起こっている謎の破壊活動はオブスキュラスが起こしたと知っていたのだ。ところが、クリーデンス自身がオブスキュラスのホストであることが発覚し、自分がグレイブズに利用されていたと知ったクリーデンスは怒りのあまり制御することなしにオブスキュラスを解き放ってしまうのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『ハリー・ポッター』シリーズの原作者J・K・ローリングが、新たに魔法動物学者のニュート・スキャマンダーを主人公に書き下ろしたシリーズ第1作。『ハリポタ』よりも映像がスケールアップしているのは間違いなく、それはハリーが最初は魔法を使えなかったのに対して、ニュートはすでにホグワーツを卒業しているという、魔法に対する習熟度の差でもあり、また、『ハリポタ』の1作目が制作されたのが15年も前であるから、時代の違いによる映像技術の進歩の差もまた大きな理由なのだろう。
 133分と長めの尺なのだが、この作品を単なるシリーズの導入策と位置づけることに飽き足らなかったのか、「これでもか」と言わんばかりに詰め込まれた情報量が膨大過ぎて、観ていて息抜きする箇所に迷う。下手な箇所で息抜きしたがために、その見落としが命取りになりかねない、そんな印象を受けたし、実際に私も再度DVDで(さすがにもう一度劇場で観ようという気にはなれなかった)見直した結果、いかに自分が細かいが重要なポイントを見落としていたかを痛感する羽目になった。
 冒頭で『ハリポタ』のヴォルデモートに相当する、ニュートと敵対する魔法使いグリンデルバルドがチラッと後ろ姿だけで登場するが、顔はわからない。ラストになって、グリンデルバルドを演じるのがなんとジョニー・デップであることがわかった時には、正直自分の目を疑ってしまった。なんでも、制作当時に元妻アンバー・ハードに対するDV疑惑のあったジョニーを、老若男女と幅広い層を対象にした作品に出演させるのが疑問視されたこともあったらしい。
 舞台は『ハリポタ』から遡ること70年ほど昔で、この作品の舞台はイギリスではなくニューヨークであるため、ハリポタでは魔法が使えない普通の人間が“マグル”と呼ばれていたのに対して、この作品ではノー・マジ(No-Magic:魔法が使えない者)と呼ばれるなど、米・英の違いが見られるのは面白い。そして、新たな魔法だけではなく、『ハリポタ』と共通の魔法も登場したりして、時と場合によっては『ハリポタ』へ原点回帰する必要があるかと思うと、ちょっとうんざりだ。
 この作品に対する賞賛のコメントは少なくないのだが、私のように、キャラクターや時代設定は違っていようとも“善の魔法使い VS 悪の魔法使い”という基本的な図式に変更があるわけじゃない、と斜に構えてしまうと、ついつい重要なシーンを見過ごして意味不明に陥りかねない。どうでもいいけど、2度目を観てもなお、ロン・パールマンがどこに登場していたのか気づかなかった(笑)。