評     価  

 
       
File No. 2523  
       
製作年 / 公開日   2016年 / 2016年12月03日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   堤 幸彦  
       
上 映 時 間   105分  
       
公開時コピー   今世紀最大の温泉ギャグミステリー  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   向井 理 [as 朝永蘭丸]
木村 文乃 [as 甕棺墓光]
佐藤 二朗 [as 宮沢寛治]
岡本 信人 [as 文吾]
渡辺 哲 [as 六郎]
矢島 健一 [as 丹治]
春海 四方 [as シバ]
落合 モトキ [as ワカ]
永瀬 匡 [as ト真]
中野 英雄
市原 隼人 [as 龍之介]
黒谷 友香 [as 湯川麗子]
財前 直見 [as 花乃]
木村 多江 [as りん先生]
 
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あ ら す じ    「絶対舌感」という特殊能力を持つ男・朝永蘭丸は、唯一、口内細菌を気にすることなくキスできる相手に失恋し、傷心の旅の途中、行き倒れてしまう。気がつくと、そこは怪しげな鬼灯(ほおずき)村。人工呼吸された時、その口内の細菌になぜか不快感のなかった女医のりん先生に興味をもった蘭丸は、伝説の三助として語り継がれる「大津のヘースケ」の孫であることを生かして、村の温泉で働くことにする。
 甕棺墓光宮沢寛治が蘭丸を追って村にやって来た頃、村の空気は次第に不穏さを増していく。鬼灯村は玄武岩が多い土地柄で良い成分の水が沸く。そのため、住民たちは温泉で村おこしをしようと試みていたものの、最近、黒水が出て対処に追われる上に、不吉な鬼火が目撃され、さらには秘かに語り継がれていた「子殺しの温泉」という曰くつきの悪評が明るみに出て、問題てんこもり。村が大騒ぎになっていた頃、大陥没地帯で遺体が発見される。
 殺されたのはりんと恋仲だと噂されていたト真だったことから、たちまちりんに疑惑の目が向けられる。りんは事件と関係しているのか?不吉なことが次々と起る理由は一体? そして、りんを責めるように老婆たちが集まって歌い踊る妖しい「かごめかごめ」に隠された謎とは?蘭丸の舌が、封印された村の秘密を明るみにする・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    タイトルが長すぎるんだよ!(笑)。ポスターやチラシをパッと見ただけだと、『RANMARU 神の舌を持つ男 鬼灯デスロード編』が正式タイトルだと思えるのだが、トンデモない。スタッフや出演者でも、このタイトルをすべて正確に覚えている人間はいないんじゃないだろうか。私が今まで知る中で最も長い映画のタイトルは『いかにしてマイケルはドクター・ハウエルと改造人間軍団に頭蓋骨病院で戦いを挑んだか』だが、もしかして映画自体の面白さはタイトルの長さと反比例するのだろうか。もっともこの作品、共演の木村文乃と佐藤二朗のおかげでずいぶんと救われていて(この作品を観ようと想った理由も、実はそ の2人の存在があってこそ)、向井理単独では劇場はおろか、DVDですら観る気が起きなかったかも知れない。
  この作品はTBS系列だが、同じ堤幸彦が絡んでいるだけに、局は違うがテレ朝の『TRICK』と同様な路線を目指した作品だと思われる。そして、この作品にも出演している財前直見がかつて主演したドラマ『QUIZ』のネタもふんだんに使われている ・・・・・と言っても、『QUIZ』がOAされたのが2000年、10代の観客にとっては全くチンプンカンプンの世界だろう。 さらに、葛城ユキの楽曲“ボヘミアン”に至っては、ヒットしたのが1983年だから、リアルタイムで曲を聴いているのは若くても30代後半ってことになる。これはもう、制作側の完全な自己満足と言っていいんじゃないかな。まぁ、私はボヘミアンもリアルタイムで聴いていれば、『QUIZ』も偶然レンタルビデオではあるが鑑賞済だったから、思わず「クスッ」と笑えるネタは少なくなかったが。
 基本的に『TRICK』同様にギャグがふんだんにちりばめられているのだが、さすがにちょっと度が過ぎて上滑りしているように思えなくもない。特に、おそらく初のコメディエンヌに挑むのであろう木村文乃の異様なテンションの高さが際立っている。決して観ていて嫌いじゃないんだけどね。