評     価  

 
       
File No. 2524  
       
製作年 / 公開日   2015年 / 2016年12月10日  
       
製  作  国   イギリス  
       
監      督   ニコラス・ハイトナー  
       
上 映 時 間   104分  
       
公開時コピー   ボロは着てても心は錦!
ポンコツ車のレディがやってくる
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   マギー・スミス [as ミス・シェパード]
アレックス・ジェニングス [as アラン・ベネット]
ジム・ブロードベント [as アンダーウッド]
フランシス・デ・ラ・トゥーア [as ヴォーン・ウィリアムズ夫人]
ロジャー・アラム [as ルーファス]
デボラ・フィンドレイ [as ポーリーン]
クレア・ハモンド [as 若き日のマーガレット・フェアチャイルド]
リチャード・グリフィス [as サム・ペリー]
パンドラ・コリン [as フィオナ・ペリー]
ニコラス・バーンズ [as ギレス・ペリー]
ドミニク・クーパー [as 俳優]
トム・クレナーマン [as トム・ペリー]
グゥエン・テイラー [as 母]
クレア・フォイ [as ソーシャルワーカー]
ジェームズ・コーデン [as トレーダー]
エレノア・マツウラ [as インタビュワー]
 
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あ ら す じ    ロンドンのカムデン、グロスター・クレセント通り23番地。文化人が多く暮らすリベラルなこの地区に、壊れかけた一台の黄色いバンが停まっている。所有者はみすぼらしい身なりの老婦人、ミス・シェパード。ホームレスの彼女は、このバンで寝泊まりし、自由気ままに暮らしていた。プライドが高く、心配する近所の住人の親切にも、悪態で返す偏屈ぶりだった。
 ある日、ついに退去命令を受けて途方に暮れるミス・シェパード。劇作家のアラン・ベネットは、そんな彼女に自宅の敷地を提供する。一時しのぎになればと軽い気持ちで提案したベネットだったが、まさかそのまま15年間も居座り続けるとは思いもしなかった。
頑固で変わり者の彼女に振り回されつつも、決して互いに深入りすることのなく、一定の距離を保って奇妙な共同生活を送るベネット。それでも作家として、ミス・シェパードの謎めいた人生に興味を抱かずにはいられないベネットだったが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ハリー・ポッターシリーズの厳格なマクゴナガル先生がホームレスとはねぇ・・・・・。今のご時世なら警察へ強制連行されそうなミス・シェパードが放置されているとは、この時代 は相当寛容な時代だったんだろう。でも、邦題のミス・シェパードを“お手本に”のお手本とは、彼女の一体どこをどう手本にするというのか。彼女の真似をすれば、お金がなくても生きていけるとでも言うつもりなのか?その点が全く理解不能だ。コピーにあるような“ボロは着てても心は錦”なんていう高尚なものでもなく、通常の人間なら持ち合わせている最低限の恥やプライドといった観念すらかなぐり捨ててしまった、ただの面倒くさがりの偏屈な老人でしかない。 よって、彼女をお手本にできる点などひとつもない、と個人的には断言したい。
 そんなミス・シェパードだから、どうやらコメディに分類される作品にもかかわらず、笑えない。これを観て笑うと、不謹慎というか、真面目に生きている人に対する侮辱にすら思えてしまう。 ただ、そんな彼女であっても、その死はやはり荘厳なもので、おそらくは関わり合いを避けたいと思いつつ付き合わされ続けてきたアランも、その日常の一部分が欠落してしまったような喪失感を味わったことだけは間違いない。