評     価  

 
       
File No. 2529  
       
製作年 / 公開日   2015年 / 2016年12月23日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   テレンス・マリック  
       
上 映 時 間   118分  
       
公開時コピー   すべてが運命のひと。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   クリスチャン・ベイル [as リック]
ケイト・ブランシェット [as ナンシー]
ナタリー・ポートマン [as エリザベス]
ブライアン・デネヒー [as ジョセフ]
アントニオ・バンデラス [as トニオ]
ウェス・ベントリー [as バリー]
イザベル・ルーカス [as イザベル]
テリーサ・パーマー [as カレン]
フリーダ・ピント [as ヘレン]
イモージェン・プーツ [as デラ]
ピーター・マシーセン [as クリストファー]
アーミン・ミューラー=スタール
チェリー・ジョーンズ [as ラス]
マイケル・ウィンコット
ケヴィン・コリガン
ジェイソン・クラーク
ジョエル・キナマン
クリフトン・コリンズ・Jr
ニック・オファーマン
ジェイミー・ハリス
デイン・デハーン
シェー・ウィガム
ライアン・オニール
ブルース・ワグナー
ジョスリン・ドナヒュー
ニッキー・ウィーラン
ジョー・マンガニエロ
トーマス・レノン
ジョー・ロー・トゥルリオ
ボー・ガレット
カティア・ウィンター
ジェリー・ハウイー
ニック・クロール
ダニー・ストロング
セルゲイ・ボドロフ
イェルク・ヴィトマー
 
声 の 出 演   ベン・キングズレー
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あ ら す じ    脚本家として成功への階段を駆け上がったリックは、業界の有力者の豪邸で開かれるパーティーに頻繁に招かれ、金と欲望にまみれた享楽的な日々に溺れていく。一方で、崩壊した家族の絆を取り戻そうと奔走し、富と引き換えに自分を見失っていく人生に漠然とした不安を抱いていた。やがて、“ここにはない何か”を探してさまよい始めたリックは、6人の美女たちと巡り会う。彼には、女たちは自分が知るよりも多くのことを知っているように思えた。彼女たちに導かれ、リックは自らが探し求めていたものへと近づいて行く・・・・・。  
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たぴおか的コメント    テレンス・マリック監督作だから、最初から覚悟はしていたものの・・・・・この作品を筆頭に『ツリー・オブ・ライフ』以降のテレンス・マリック作品を観て、映画通ぶって理解できたようなコメントをするなんて事は、私には到底無理だ。以前にも書いたかも知れないが、映画は基本的に娯楽であるべき、というのが私の映画鑑賞に於ける大前提となる持論で、観客に観てもらってナンボのものなんだから、少しでも多くの観客に楽しんで欲しい、そう考えるのが当然だと思っている。なのに、テレンス・マリック作品は常に独善的で、まるで孤高の道を行くがごとく「自分について来られる奴だけは受け入れる、それ以外の奴らには自分の作品を観る価値はない」とでも言っているよう。観客に媚びろとは言わない、だけど、劇場で一般公開するつもりなら、少しでも理解して楽しんでもらいたい、それが製作者として当たり前のスタンスだろう。それができないような、制作費をすべて自腹でまかなって大いにこういったマスターベーション作品を連発してもらいたい。そして、できた作品は人目にさらすことなく自宅でひっそりと鑑賞していただきたいものだ。
 この邦題についても、あまりのアホさ加減にはあきれ果ててしまう。『聖杯たちの』だ?原題が“KNIGHT OF CUPS”だからといって、それを馬鹿正直に和訳する必要なんてない。『聖杯の騎士』でいい。それとも、登場する女性たちを聖杯にたとえているから『聖杯たち』と擬人的に扱ったとでもいうのか。そんな点に配慮するくらいなら、劇場公開をするか否かについて、もう少し配慮してもらいたい。現在の映画マーケットはどんどん先物を買う傾向に拍車が掛かっていて、中身を鑑賞してからでは手遅れで、監督やキャストのネームバリューだけで下手をすると制作前に購入が決まってしまう。この作品もクリスチャン・ベイル、ケイト・ブランシェット、ナタリー・ポートマンと錚々たる顔ぶれだから、それだけで購入してしまったとしてもわからなくはない。ちなみに、私はその3人にはあまり興味はなく、テリーサ・パーマー、フリーダ・ピント、イモージェン・プーツという3人の若手美人女優の名前に惹かれたクチだけど。とにかく、購入してしまったのは仕方ないとして、これを劇場公開して採算がとれるとでも思ったのか?潔く劇場公開を断念してDVDの販売だけに留めておくという英断も必要だったのではいだろうか。
 もっとも、劇場公開だけで採算がとれる作品は意外に少なく、むしろ劇場公開をDVD販売のための広告宣伝費と捉える傾向があったりするので、おそらくはこの作品もそのクチだろうが、言っちゃ悪いが劇場公開でクソミソにけなされて、DVDを購入はおろかレンタルすらしようとは思えない、というのは目に見えている。
 余談だが、星を5個も付けたのは、あくまで主役3人と先に書いた3人の美人たちにであって、それがなければ星1個か、あるいは久々の「論外」になっていたことを付け加えておきたい。