評     価  

 
       
File No. 2737  
       
製作年 / 公開日   2015年 / 2018年02月10日  
       
製  作  国   ポーランド  
       
監      督   アグニェシュカ・スモチンスカ  
       
上 映 時 間   92分  
       
公開時コピー   初恋は、残酷な味がする。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   マルタ・マズレク [as シルバー]
ミハリーナ・オルシャインスカ [as ゴールデン]
キンガ・プレイス [as クリシア]
ヤクブ・ギェルシャウ [as ミーテク]
アンジェイ・コノプカ [as ドラマー]
ジグムント・マラノヴィチ [as ナイトクラブ支配人]
マグダレナ・チェレツカ [as ミス・ムフェト]
カタジナ・ヘルマン [as 民兵官]
マルチン・コヴァルチク [as トリトン]
 
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あ ら す じ    1980年代のポーランド、ワルシャワ。人間たちを捕食して生きる美しい人魚姉妹はある日、ビーチに遊びに来ていたバンドマンたちを目撃し、彼らを追って陸に上がる。そして、ナイトクラブにたどり着くと、支配人の目にとまった2人はステージで歌や踊りを披露するようになり、たちまち人気者になっていく。そんな中、姉シルバーはベーシストの青年ミーテクと恋に落ちる。
 初めての恋に浮かれるシルバーだが、妹ゴールデンは、そんな姉を複雑な眼差しで見つめていた。人魚にとって、人間の男は“餌”でしかないからだ。やがてふたりの間に生じた緊張感は限界に達し、残虐で血なまぐさい行為へと彼女たちを駆り立てていく・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ポーランド発のファンタジー・ホラーという奇妙な作品で、あのアンデルセン童話の人魚姫がモチーフになっているとはいえ、イメージは全く異なる。何と言っても、下半身の魚の部分が異様に長くて、いかにも生臭さが伝わってきそう。そして、2人の人魚が人間を餌にするというのは原作の設定にはないホラー要素ではあるが、全体的にミュージカル仕立てになっていて、それほどホラー色は強くない。
 人魚だからヌードは必然、と言うことで、2人が見事な脱ぎっぷりを随所で披露してくれるのだが、監督が女性だということもあってか、エロさよりも健康的な美しさを感じるのがいい。場面の切り替わりに不自然というか、脈絡のなさを感じることも何度かあったが、そんな枝葉末節にこだわっちゃいけないと思う。
 姉のシルバーと妹のゴールデンという人魚姉妹、私は最後まで姉妹が逆じゃないのか?という疑問を拭えなかった。姉のシルバー役のマルタ・マズレクの方が、日本人受けしそうな可愛らしさで、どこか幼さを残してもいて好感が持てる。余談だが、シルバーを妹という設定にして、妹の恋物語にした方がより自然だったのでは?なんて思ったりする。
 アンデルセンの原作同様に、人間に恋した人魚の恋愛が成就しなければ、彼女は相手の男を食べない限り海の泡に帰してしまう。結末がどうなるかはここでは言えないが、ただラストシーンでミーテクに抱かれるシルバーの本当に幸せそうで儚げな表情が、あまりにも印象的で忘れられない。