評     価  

 
       
File No. 2738  
       
製作年 / 公開日   2018年 / 2018年02月10日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   武内 英樹  
       
上 映 時 間   109分  
       
公開時コピー   運命なんて飛び越えて、
私はあなたに逢いにいく。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   綾瀬 はるか [as 美雪]
坂口 健太郎 [as 牧野健司]
本田 翼 [as 成瀬塔子]
北村 一輝 [as 後藤龍之介]
中尾 明慶 [as 山中伸太郎]
石橋 杏奈 [as 吉川天音]
西岡 徳馬
柄本 明 [as 本多正]
加藤 剛 [as 病室の老人]
 
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あ ら す じ    昭和35年。映画監督を夢見る青年・牧野健司が密かに思いを寄せるのは、通い慣れた映画館・ロマンス劇場の映写室で見つけた、古いモノクロ映画のおお転婆なお姫様・美雪だった。
 今はもう誰も観なくなったその映画を、毎日のように繰り返し観ていた健司の身に、ある日奇跡が起きる。美雪がスクリーンから飛び出して、突然健司の前に現れたのだ。そしてその日から、2人の不思議な同居生活が始まった。
 モノクロの世界しか知らない美雪を、カラフルな現実世界に案内する健司。〃時間を過ごす中で、2人は次第に惹かれ合っていく。けれども、美雪には秘密があった。現実の世界に来るための代償で、人の温もりに触れたら美雪は消えてしまうのだ。そんな中、美雪は健司が働く映画会社の社長令嬢・成瀬塔子が健司に想いを寄せていることを知る。
 好きだから触れたい、でも触れられない。この切ない真実に2人はどう向き合い、どんな答えを出すのだろうか・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    久々に胸にじんわりと染み入るようなファンタージ作品で、このところあまり好きじゃなくなっていた綾瀬はるかの好感度が随分と上昇して、昔に戻った気がする。映画の中から抜け出した綾瀬扮するお姫様(美雪という名前は劇中では一度も登場しなくて、Webで調べるまでは彼女の名前は知らなかった)と彼女に思いを寄せる坂口健太郎演じる青年・牧野健司の物語だということは事前に知っていたが、観てみると実はもう一ひねりしてあって、おかげで予想外に楽しむことができたのはラッキー。秘密の鍵は加藤剛の存在にあるんだけど、そこはネタバレになるのでこれ以上は劇場でご覧あれ。
 最初に疑問だったのが、物語の時代設定が昭和35年だということ。なぜ、現在じゃなくそんな50年以上も昔が舞台になっているのかが不思議だったのだが、観ていれば理由は明確だった。モノクロ映画やフィルムを回して上映する映写機という設定もさることながら、もっと決定的なストーリー上の必然性があってのことだった。
 監督が「これまでで最も美しい綾瀬はるかを撮る」と事前に宣言していたらしいが、その言葉に嘘はなかったようだ。それどころか、綾瀬はるかの主演作の中でもこの作品が代表作になるんじゃないかと思わせる出来だ。そして、相手役に坂口健太郎を充てたのも大正解だろう。脇役として中尾明慶や本田翼、北村一輝の絡ませ方にも無理がなく、全体として見事な調和を保っていると言っていい。そして、忘れちゃいけないのが死に瀕した老人を演じた加藤剛の熱演で、これがなければ単なるドタバタコメディに終わってしまっていたかも知れない。