評 価
File No.
2745
製作年 / 公開日
2017年 / 2018年02月24日
製 作 国
日 本
監 督
塚本 連平
上 映 時 間
100分
公開時コピー
ナイスバディだけが取り柄の地味なOLと
年商500億のワンマン社長が
入れ替わったからさぁ大変!?
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
知英
[as 小鳥遊玲音]
吉沢 亮
[as 一条徹]
大政 絢
[as サリナ]
斉藤 慎二
[as 朝比奈政夫]
ミッツ・マングローブ
[as 猫田]
原 幹恵
[as インタビュアー]
河井 青葉
[as 愛梨]
山崎 育三郎
[as 日下]
竹中 直人
[as 朝比奈玲男]
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あ ら す じ
磨けば美人でナイスバディの持ち主だが、消極的な性格で地味な派遣OL・
小鳥遊玲音(たかなし・れおん)
。彼女が務める年商500億の朝比奈フーズの社長は、女好きなワンマン社長・
朝比奈玲男(あさひな・れお)
。ある日、玲男が運転する車が事故を起こしてしまい、その事故に巻き込まれた玲音と共に、同じ病院に担ぎ込まれるのだった。
翌朝目が覚めると、玲男の身体にはある異変が。なんと、心は朝比奈玲男のままだが、身体が小鳥遊玲音になってしまっていたのだ。中身は玲男だが、外見は玲音。とんでもない事態に陥りながらも何とか会社にたどり着いた玲男だったが、当然誰も自分が社長だとは信じてくれない。中身が玲音になってしまった自分の身体は、未だに意識不明のままだった。
玲男の身体が目覚めないのをいいことに、それに乗じて、甥で副社長の
朝比奈政夫
が、プレイボーイの税理士・
日下
と結託して会社乗っ取りを企てる。さらには、入れ替わりの秘密を知る由もない同僚の
一条徹
から、見た目が玲音の玲男は一方的に思いを寄せられてしまう。
やっとの事で意識を取り戻した玲音は、身体が玲男になっていることに気づいて混乱この上ない。2人の秘密を知るのは、玲音の親友の
サリナ
だけだった。果たして、2人が巻き起こす騒動の結末は・・・・・?道理でゴツいはずだ。
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たぴおか的コメント
過去にも何度か書いている通り、私は竹中直人が大嫌いで、この作品も最後まで劇場で観るか否かを迷ったのだが・・・・・これが竹中の得意な悪ノリが過ぎるようなハチャメチャな演技がふさわしい役柄で、逆の意味で予想を裏切られたのは幸いだった。とは言ってもあの竹中直人のこと。中身が玲音になってしまった玲男は、言っちゃ悪いが“中身が女性”には見えず、完全にオカマの所作で、やたらとクネクネした動きがちょっと気持ち悪い(笑)。一方の玲音を演じた知英だが、彼女には心底驚かされた。どう見てもネイティブの日本人としか思えない彼女が、実は韓国人でしかも元KARAのメンバーだったとは・・・・・もう、日本語が上手すぎて言葉も出ない。ハッキリ言って、日本人よりも綺麗な日本語をしゃべっているのだ。KARAを脱退して以来、日本に活動の場を移しているとのことで、今後の彼女が楽しみになった。
男女の入れ替わりと言えば、古くは大林宣彦監督の『転校生』、最近では大ヒットアニメの『君の名は。』とあるが、階段を転がり落ちれば入れ替わった2人が元に戻れる、なんて言うのは『転校生』へのオマージュだろうか。いずれにしても同世代の男女が入れ替わるというラブストーリーなのに対し、この作品は中年エロ社長と若くて美人だが地味なOLの入れ替わりだから、知英演じる小鳥遊玲音と竹中直人演じる朝比奈玲男との間には恋愛感情は一切絡まない(絡んだら不愉快に思ってしまったかも)。残念ながら(てか、私にとっては幸いだったのだが)朝比奈玲男社長の身体は後半に入るまで意識が戻らないままだから、見せ場のほとんどが知英の演技によるものだ。あの竹中直人が演じるエロオヤジっぷりを演技するなんて、日本人女優が演じてもこれは相当にハードルが高いはずだ。加えて、美形にもかかわらず変顔や果てはゴジラの真似までと、コメディエンヌの素質も充分なようだ。
キャストを調べてみてもう一つ驚いたのが、朝比奈社長の秘書・猫田を演じたミッツ・マングローブだ。私はTV(特に地上波は)をほとんど観ないので、この作品で初めて遭遇した彼女、とにかくデカくてゴツい女だと・・・・・なんて思っていたら、これが女性ではなく男性だったこと。マツコは明らかに女装男子に見えるけど、ミッツ・マングローブは女性役での初見参だったから、女性だという先入観が邪魔して冷静な判断ができなかったようだ(笑)。
また、脇を固める大政絢と吉沢亮がいい。大政絢はこれまでシリアスというか、どちらかと言えば重苦しい作品のイメージしかなかったが、この作品で見せてくれたコミカルな演技もまたいい。
ラストでは入れ替わってしまった玲音と玲男の2人が、無事元に戻れるのは予定調和と言っていいが、その代わりじゃないだろうけど予想もしない仕掛けがされていて、最後まで気楽に楽しめる作品になっている。