とにかくスクリーンが金色を中心に極彩色に彩られて、豪華絢爛・・・・・なのだが、おかげで必要以上に目が疲れたためか、眠気に誘われて苦戦した気がする(笑)。それ以外はほとんど記憶に残らないのだが、チャン・ロンロンが演じる楊貴妃の美しさだけは鮮明に記憶に刻まれている。そして、コピーには「史上空前の冒険絵巻」なんてあるが、冒険の「ぼ」の字も出てこないような、単なる推理劇に過ぎないと感じたのは私だけだろうか?
そんなワケで、期待した分肩透かしを食ったようなこの作品。空海が主人公なのは明らかで、原作のタイトルにも“空海”の文字があるにもかかわらず、この作品の原題が“妖猫傳”で英語タイトルもナゼか“Legend of the Demon Cat”とは、そこまでして日本人が主役であることを拒絶したいのか、なんて勘ぐりたくもなる。染谷将太演じる空海のニヤけ顔が鼻につくし、阿部ちゃん演じる阿倍仲麻呂に至っては存在価値が感じられないしで、もうどう贔屓目にみても賞賛すべき点が見当たらない。ってことで、今年が6分の1終わった時点での暫定だが最低作品にランクされるのも仕方ないだろう。