評     価  

 
       
File No. 2784  
       
製作年 / 公開日   2018年 / 2018年05月04日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   三池 崇史  
       
上 映 時 間   115分  
       
公開時コピー   凶器は知性×動機は愛×殺人を証明せよ  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   櫻井 翔 [as 青江修介]
広瀬 すず [as 羽原円華]
福士 蒼汰 [as 甘粕謙人]
志田 未来 [as 奥西哲子]
佐藤 江梨子 [as 水城千佐都]
TAO [as 桐宮玲]
玉木 宏 [as 中岡祐二]
高嶋 政伸 [as 武尾徹]
檀 れい [as 羽原美奈]
リリー・フランキー [as 羽原全太朗]
菅原 大吉
渋川 清彦
豊川 悦司 [as 甘粕才生]
 
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あ ら す じ    初老の男性が妻と訪れた温泉地で、硫化水素中毒により死亡する。事件の担当刑事・中岡祐二は、妻による遺産目当ての計画殺人ではないかと疑いを抱く。中岡からの依頼で事故現場の調査を行った地球化学の教授・青江修介は、気象条件の安定しない屋外で、致死量の硫化水素ガスを吸引させる計画殺人は実行不可能と断定し、事件性を否定する。ところが、それから数日後。別の地方都市で再び硫化水素中毒による死亡事故が発生し、その被害者が前回の事故の被害者と顔見知りであることが判明するのだった。
 青江は新たな事故現場の調査に当たるが、やはり前回同様に事件性は見受けられなかった。もしもこの2つの硫化水素中毒死が事故ではなく殺人と仮定するならば、犯人は予めその場所で起きるすべての自然現象を予め予測していたことになる。未来を予見する知性=「ラプラスの悪魔}など現実に存在するはずはない、と行き詰まる青江の前に、ひとりの女性が現れる、その女性・羽原円華は、事件の鍵を握る人物・甘粕謙人の行方を追っているといい、青江に協力を求めてくるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    結構期待していただけに、観てみたら予想外の期待外れのでガッカリだったのだが、エンド・クレジットで、原作=東野圭吾、監督=三池崇史だとわかり、それじゃぁ、この程度でも仕方ないだろうな、と変に納得できてしまった。
 そもそも今まで、東野圭吾原作を映画化した作品で、手放しに「面白い!」なんて思えた作品はひとつもない。原作の小説を読んだことがない(読む価値なしとさえ思っている)私にとって、東野圭吾という作家はあくまで“有象無象の通俗的な大衆作家の一人”の域を超える作家じゃなく、“100点満点で60点(かろうじて及第点)の作品を多発している作家”というイメージしかないのだ。それだけでもキツいのに、今回はメガホンを執ったのが三池崇史とあっては、残念な出来に仕上がっているのはむしろ至極当然な結果だと言っていい。
 文句はまだある。タイトルが『ラプラスの魔女』であるように、作品も明らかに広瀬すず演じる羽原円華が主役だ。原作を読んでいないからなんとも言えないが、無理矢理横車を押してまでジャニーズを主役に据えようとしているかのように感じてしまい、ちょっと不愉快だ。
 櫻井翔、広瀬すず、そして福士蒼汰というメインキャストのために、ともすればアイドル主演作のように薄っぺらい出来になってしまいそうなところを引き締めてくれたのは、トヨエツにリリー・フランキーの2人のベテランの演技。前半はとにかく抑えに抑えてクライマックスで一気に爆発させたトヨエツ演じる甘粕才生の狂気、すべての感情を徹底的に排除して理性的のみで淡々と事の顛末を語るリリー・フランキー演じる羽原全太朗の非人間的な怖さ。その2点だけが強烈に印象に残っている。あと、どうでもいいけど、顔すら判別しかねて「どこに出演してのか?」的な檀れい、それに高嶋政伸、佐藤江梨子の使い捨て感は酷いな。