評     価  

 
       
File No. 2796  
       
製作年 / 公開日   2017年 / 2018年05月25日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   瀬々 敬久  
       
上 映 時 間   128分  
       
公開時コピー   心を許した友は
あの少年Aだった。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   生田 斗真 [as 益田純一]
瑛太 [as 鈴木秀人/青柳健太郎]
夏帆 [as 藤沢美代子]
山本 美月 [as 杉本清美]
富田 靖子 [as 白石弥生]
奥野 瑛太 [as 清水]
飯田 芳 [as 内海]
小市 慢太郎
矢島 健一
青木 崇高
忍成 修吾 [as 達也]
西田 尚美 [as 山内智子]
村上 淳
片岡 礼子
石田 法嗣 [as 山内正人]
北浦 愛
坂井 真紀
古舘 寛治
宇野 祥平
大西 信満
渡辺 真起子
光石 研
佐藤 浩市 [as 山内修司]
 
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あ ら す じ    職場でのトラブルが元で週刊誌ジャーナリストへの道を閉ざされた益田純一は、部屋を借りる金もなく、何とか寮のある町工場に職を得て働き始める。益田とほぼ同時期に鈴木秀人という男がこの町工場に就職するが、鈴木は技術こそあれども無愛想な男で、工場の誰とも交わろうとはしなかった。寮の先輩である清水内海は強引に益田を巻き込み、鈴木の部屋に無断で入り込み、そこに裸婦が描かれたスケッチブックを見つける。
 ある日の帰り道、鈴木は男に追われている女性・藤沢美代子を助ける。彼女は元恋人の達也に騙されてAVに出演させられた過去を持っていた。美代子を庇い、達也に殴られた鈴木は彼女のマンションで介抱を受ける。
 その数日後、疲労困憊の益田が作業中に誤って機械で指を切断してしまう。鈴木の機転とタクシー運転手の山内修司の助けにより病院に運ばれた益田の指は、幸い元通りに戻るとのことだった。そして、入院中の益田のもとに、元恋人で雑誌記者の杉本清美が見舞いに訪れる。清美はここ最近、埼玉付近で起きた児童殺人事件を追っており、その手口が17年前に世間を震撼させた少年による連続殺傷事件と酷似していることから、益田に意見を求めにきたのだった。しかし、過去に深い傷を持つ益田はそれを頑なに断るのだった。
 やがて指も元に戻って退院した益田は、17年前の事件を調べて、犯人の少年・青柳健太郎が何と鈴木に似ていることを知る。そして、鈴木が持っているスケッチブックの女性とは、医療少年院で青柳を担当していた白石弥生だと知る。
 山内が数年ぶりに息子・正人と再会する。そして、恋人を妊娠させたという正人に対し、事故を起こして家族を解散に追い込んだ当人が、新たな家族を築こうとしていたことに怒りを覚えた山内は、きっぱりと結婚を認めることはできないと告げる。
 美代子は達也によって寮のポストに自身が出演していたAVのDVDを投げ込まれ、これまで隠していた過去を暴かれてしまう。これを知って寮のテレビを叩き壊すなど今までにない凶暴性を見せる鈴木の姿を見た益田は、鈴木こそが行方をくらましている青柳その人ではないかと確信し、思わず清美に喋ってしまう。清美が追っていた事件の犯人は別人であったものの、鈴木が青柳であったことは記事で出回ってしまい、鈴木は誰にも告げずに姿を消してしまうのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    瑛太が出演しているからある程度予想はしていたものの、ただひたすら重苦しく、そのうえ何の救いも見いだせない作品だった。予告編で佐藤浩市が「お前のために家族を解散したのに、お前が家族を作ってどうするんだ!」と怒りをぶちまけるシーンを何度も見せられたおかげで、てっきり彼が少年Aの父親だと思い込んでいて、人物の相関図が頭の中で混乱してしまっていたのがそもそもの失敗。実は、佐藤浩市演じるタクシー運転手の山内 は、少年Aと直接は何の関係もないのだが、そのことに気づいたのは、映画が半分以上も終わってからやっとという体たらくだったのだ。
 というワケでこの作品、すべてのピースが少年Aに収斂されるわけじゃなく@少年A、A山内の息子、B夏帆演じる藤沢美代子のエピソードという、3つの柱から成り立っていることを前提として踏まえて観ないと、私のように混乱を来してしまうのは必至だ。 ただ、その3つのエピソードが完全に独立しているわけでもなく、微妙に絡み合っているから、余計に人物の相関図を把握しておくことが必要になるのだ。そして、その前提を正しく理解するためには、あの予告編 が大きな障壁となる。予告編は観る者の興味を興味を惹く必要があるために、特徴的なシーンを編集して作られるのはわかるが、観客を誤解させるような編集は絶対にすべきじゃな い・・・・・てか、絶対にやめて欲しい。