評     価  

 
       
File No. 2843  
       
製作年 / 公開日   2018年 / 2018年08月24日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   原田 眞人  
       
上 映 時 間   123分  
       
公開時コピー   一線を、超える。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   木村 拓哉 [as 最上毅]
二宮 和也 [as 沖野啓一郎]
吉高 由里子 [as 橘沙穂]
平 岳大 [as 丹野和樹]
大倉 孝二 [as 弓岡嗣郎]
八嶋 智人 [as 小田島誠司]
音尾 琢真 [as 千鳥]
大場 泰正 [as 前川直之]
谷田 歩 [as 青戸公成]
酒向 芳 [as 松倉重生]
矢島 健一 [as 高島進]
キムラ 緑子 [as 桜子]
芦名 星 [as 運び屋の女]
山崎 紘菜 [as 最上奈々子]
松重 豊 [as 諏訪部利成]
山崎 努 [as 白川雄馬]
 
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あ ら す じ    都内で発生した殺人事件。犯人は不明。事件を担当する検察官は、東京地検刑事部のエリート検事・最上毅と、刑事部に配属されたばかりの駆け出しの検事・沖野啓一郎。最上は複数いる容疑者の中から、松倉重生に狙いを定め、執拗に追い詰めていく。松倉は、かつて起きた殺人で、今は時効を迎え未解決のままの事件の重要参考人だった。
 最上を師と仰ぐ沖野は、被疑者に自白させるべく取り調べに力を入れるのだが、これをのらりくらりと交わす松倉からは、一向に手応えが得られずにいた。そしてやがて、沖野は最上の捜査方針に疑問を持ち始める。最上は、松倉を無理矢理犯人に仕立て上げようとしているのではないか、と。
 そんな頃、事件に大きな転機が訪れる。これに対し、最上のとった驚くべき行動は・・・・・?そして、それに対する沖野の選択は・・・・・?
 
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たぴおか的コメント    そもそもキムタクなんかにはハナから期待していないし、対する二宮和也も、一躍俳優として脚光を浴びたイーストウッド監督作『硫黄島からの手紙』での演技にしても、個人的には「なぜあの程度の演技であれほど評価されるのか?」と大いに疑問だったから、だったらなぜ観ると突っ込まれると返答に困るような作品だった。
 観てみると予想通り、2人の検事が互いの正義を信条にぶつかり合うサスペンスなのだが、必要不可欠と言っていい手に汗握るような心理戦の緊迫感が全く感じられない。キムタクの演技は相変わらず上っ面だけという感じで、正義を盾にする検察官がその盾をかなぐり捨てるには相当な葛藤もあっただろうし、そこからくる憔悴もあっただろうに、そんなのはどこ吹く風とあっさり禁断の領域に踏み込んでしまうその呆気なさ。
 一方のニノも、取り調べではただ怒鳴りつけるしか能がない、とても優秀とは思えない検察官ぶりで、セリフも今ひとつ。極めつけは、予告編で何度も聞かされた「僕には松倉が犯人とは思えません、たとえ証拠の凶器が出てきてもです」、このセリフを途中に間を置くこともなく一気に吐いてしまって、セリフが尻すぼみになってしまう不自然さは明らかだ。これでニノがジャニーズNo.1の演技派だなんて世間の評価は、やはり過大評価だと確信できた。
 一方で、松倉役の酒向芳の怪物ぶりや松重豊演じる諏訪部は少なくとも2人より一枚も二枚も上手な老獪さで、ハッキリ言って主役2人の至らなさを周囲のベテラン勢がカバーして何とか成り立っているという感は否定できない。個人的には、同じジャニーズからキャスティングするならば、最上役を東山紀之、対する沖野役を長瀬智也あたりにしたら、もっと違った作品になるんじゃないかとは思う。まぁ、キャスティングが決まった時点で、この作品の出来はある程度が予想できた、その程度の主役の2人だったということだろう。
 週末の興行成績では、『銀魂2』を退けて観客動員1位になったこの作品。とは言え、2015年のキムタク主演『HERO』の57%の動員とは、看板2人を掲げての作品としては決して成功とは呼べない結果だったのは間違いない。