評     価  

 
       
File No. 2855  
       
製作年 / 公開日   2018年 / 2018年09月14日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   英 勉  
       
上 映 時 間   115分  
       
公開時コピー   美女とオタク 違う世界のふたりが恋に落ちた!?
    
恋して世界は輝きだす
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   中条 あやみ [as 五十嵐色葉]
佐野 勇斗 [as 筒井光]
清水 尋也 [as 高梨ミツヤ]
恒松 祐里 [as 石野ありさ]
上白石 萌歌 [as 綾戸純恵]
ゆうたろう [as 伊東悠人]
荒木 飛羽 [as 筒井薫]
三浦 貴大 [as 間淵慎吾]
濱田 マリ [as 筒井紀江]
竹内 力 [as 筒井充]
神田 沙也加 [as えぞみち(声の出演)]
 
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あ ら す じ    筒井光は2次元を愛する超絶オタクの高校3年生。3Dの現実の世界ではまったく存在感がないが、大好きなアニメ『魔法少女えぞみち』のヒロイン・えぞみちと、オタク仲間でネコ耳をつけた親友・伊東悠人のおかげで何とか生きのびていた。
 ある日、伊東と「リアルに触れあわず2次元の中に生きよう」と話していた光は、教師に呼び出された俺様系イケメンの高梨ミツヤに命令され、身代わりに職員室に向かう。同じくそこに呼び出されていたのは、不良、ビッチ、男グセが悪い、女ウケが悪い、いいのは顔だけで性格は最悪・・・・・と噂される超絶美少女・五十嵐色葉だった。
 先生から2人でプール掃除をする罰を課された光だったが、色葉と2人きりと言う状況から挙動不審に陥り、色葉とふたりでプールに落ちてしまう。ブレザーを脱ごうとする色葉に、光がさらに挙動不審になっていると、色葉は「筒井は呼びづらいから、つっつんでいい?恋とかした方がいいよ。何ならあたしがつきあってあげようか?」と、自分のペースで切り込んでくるが、慣れないつっつんは色葉に対し激昂してしまう。
 後日、色葉に謝るために彼女のあとをつけていたつっつんは、色葉が万引きの濡れ衣を着せられているところに遭遇する。勇気をふりしぼって色葉のアリバイを詳細に説明するつっつんだったが、逆にストーカーに間違われる始末。次こそはヘマをせずちゃんと謝ろうと練習するつっつんの前にあらわれた色葉は、「あたしとつきあって」と意外な言葉を口にする。しかも半年間の期限付きで彼氏になってほしいという。色葉の申し出を受けたつっつんは、新手のイジメだと疑いながらも、交際をスタートするのだった。
 色葉から言われた「送り迎え」「守る」「一緒にごはん」「デートする」「プレゼント」「ちゅー」という彼氏の条件に応えようと、努力をする日々が始まった。つっつんはデートのプランを練るために、クラスのヒエラルキーの上位に属していると自称する石野ありさに助けを求めるが、交換条件はミツヤとのパイプ役になることだった。アドバイスを受けて初デートに臨むつっつんだったが、色葉の希望ははつっつんの家に行きたいという想定外のものだった。
 緊急事態に焦りまくるつっつんだが、家族は泣いて喜び、色葉は部屋に並べられたフィギュアに引くこともなく、『魔法少女えぞみち』を一緒に楽しんでくれるのだった。「この女の子、魔法が使えるんだね。いいなぁ・・・・・」筒井が初めてえぞみちを観た時と同じ感想をつぶやく色葉。初めて意見が合ってふたりの間に不思議な空気が流れる。こんな自分でも恋をしてもいいのかもしれない。そう思った直後、色葉へのプレゼントのために着ぐるみのバイトをしていると、色葉が主治医の間淵慎吾と楽しそうに話しているところを見かけてショックを受けてしまう。
 翌日「かぶれがひどくて触るとうつるから」という謎のメールを送って色葉を避けたつっつんは、校舎裏の菜園で自分と同じような雰囲気を持つ1年生の綾戸純恵に出会う。愛するアニメの話を早口でまくし立てて盛り上がるふたり。それを見てジェラシーを感じる色葉。やがて、色葉、つっつん、伊東、純恵、ミツヤ、ありさの6人で出かけたキャンプでは、つっつんは正直な気持ちを色葉に打ち明けるが、色葉とつっつんが交際を初めて半年がたったハロウィンで、突然「私のことは忘れて」と言い残し、色葉はつっつんの元から去ってしまう・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    以前に『覆面系ノイズ』で観た中条あやみが全然可愛いとは思えず、だったらナゼこの作品を観た?と言われそうだが、オタクと美女(とは私は認めない)の格差恋愛がどうなるのか興味があって、劇場で観てしまった。相手役の筒井光を演じるのが『青夏 きみに恋した30日』の佐野勇斗だとすぐ気づき、ちょっとばかりテンションが上がる。周囲を固める『ちはやふる』の清水尋也や、恒松祐里、上白石萌歌ら個性的なキャラクターがいいアクセントになっていて、さらに少しテンションは上がった。
 一方の中条扮する色葉は、“筒井”という名前が呼び難いから“つっつん”だと言うが、どう考えても“つっつん”の方がよっぽど呼び難い・・・・・のはどうでもよくて、学校一の美女の色葉(クドいようだが、私は認めない)が、オタクの光とつきあうほどの強いモチベーションが未だによくわからない。「半年の期限付き」というのは、うすうす理由は想像ついていたけど、彼女が“超絶美女”(三たびクドいようだが、私は認めない)ならばその相手として、もっとふさわしい別の相手がいただろうに。
 そんなこんなで、前半は最近は犬も歩けば当たると言っても過言じゃないラブコメ原作の作品の域を出るものとは思えなかった。ただ、笑いの取り方にちょっと特徴があって(ちなみに、竹内力がここでも『スカッと』同様に白目で迫ってくるのは予想外だったが)、もしかして英監督か?なんて思ったら、珍しく正解だった。
 「ブスは3日で慣れる」と言うが、苦手な中条あやみのルックス(ただ、彼女が私の好みじゃないだけ。決して彼女がブスだと言っているワケじゃないので誤解無きよう。)も次第に気にならなくなって、逆にそのアクの強さも彼女の魅力のひとつなのかと思えてきた。ラストでは大どんでん返しもあり、果たして彼女が光のことを完全に思い出したのか、それとも以前に友達だったことを思い出した程度なのか。どちらなのか知りたくて仕方なくて、そんな妙に気を持たせるラストシーンは悪くなかった。