評     価  

 
       
File No. 2878  
       
製作年 / 公開日   2016年 / 2018年10月20日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   スーザン・ジョンソン  
       
上 映 時 間   98分  
       
公開時コピー   「幸せになるためのリスト」はじめます。  

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   ベル・パウリー [as キャリー・ピルビー]
ガブリエル・バーン [as キャリーの父]
ネイサン・レイン [as ペトロフ医師]
ヴァネッサ・ベイアー [as タラ]
コリン・オドナヒュー [as ハリソン教授]
ジェイソン・リッター [as マット]
ウィリアム・モーズリー [as サイ]
デスミン・ボルヘス [as ダグラス・P・シンプソン]
プールナ・ジャガナサン [as フリス]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    ニューヨークのマンハッタンで暮らすキャリー・ピルビーはIQ185、ハーバード大学に14歳で飛び級入学し卒業した天才だが、友達も仕事も持たず読書ばかりしている“コミュ力ゼロ”の屈折女子。話し相手はセラピストのペトロフ医師だけだった。
 ある日ペトロフはキャリーにリストを渡し、そこに書かれた6つの課題をクリアするように命じる。「何のために?」「それで問題はすべて解決するの?」半信半疑ながらも、まずは金魚を2匹飼い始め、昔好きだったチェリーソーダを飲み、新聞の出会い広告でデート相手を探し…と1つずつ項目を実行していくキャリー。そして、人と関わり打ち解けたり傷ついたりする中で、徐々に自分の変化に気づいていく。キャリーは果たしてリストを全てクリアして、幸せを手にすることができるのか・・・・・?
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    観る前は「主人公のキャリーを演じる女優、眼が大きいなぁ」程度しか思っていなくて、劇場で観るのかあるいはDVD鑑賞で済ませるかの当落選上にあった作品だったのだが、いざ観てみるとどんどん彼女に惹かれていく自分がいた。実際、チラシの画像だけを見ると決して美人とは言えないような顔をしているが、そこは一瞬をとらえた静止画と実際に生き生きと表情を変える動画との差だということもあるのだろう。
 “天才と○○は紙一重”と言われるように、とかく天才と呼ばれる人物には奇人が多く、主人公のキャリーもまた他人とのコミュニケーションが苦手で、もっとも彼女ほどの天才なら周囲の人間は皆バカに見えるだろうし、自分とのレベルが釣り合わないから、ある意味無理もないことではある。
 そんな彼女にカウンセラーが課した課題は、それらをクリアすること自体が目的ではなく、個々の課題自体にはハッキリ言ってそれほど重要な意味はないのだ。それらをクリアすることによって、キャリーが変わることを意図したものなのだ。その意図にまんまと乗せられたキャリーが、イヤでも避けられないこと、それはまぎれもない他人との接触だ。
 人は自分で決心したとしても大きく変われるものじゃなく、人を大きく変えるのは、結局は他人から受ける影響以外の何物でもない。他人とは自分を写す鏡なのだとよく言われる通り、他人と接触して初めて人は自分を知ることになる。他人との接触を嫌うのは、結局は他人を通して自分を目の当たりにすることへの畏れなんだと思う。
 他人と接触することで、キャリーは次第に変わっていく。そして、彼女の見た目もまたどんどんと魅力的に見えてきたのは、決して気のせいではないだろう。最初の彼女は頭はいいが一緒にいて退屈な女性にしか見えなかったのが、いつの間にか可愛らしい魅力たっぷりの女性にしか見えなくなっている。もっとも、元々キャリーを演じるベル・パウリー自身が間違いなく可愛いんだけど(笑)。
 ただし、キャリーが変わっていく過程は決して平坦な道のりじゃなく、山あり谷ありの険しい道のりで、中には本当の意味で彼女に釣り合わない、人間的にいかがかと思わせるような輩もいるわけで、そんな障害を一つ一つ彼女が乗り越えていく有様は、まさに彼女ならではの方法で、それが観ている者を大いに楽しませてくれる。
 キャリーの父親をガブリエル・バーンが演じているのだが、正直彼も歳を取ったなぁ、とついつい我が身を省みてしまうのは寂しいものがあった。