評     価  

 
       
File No. 2882  
       
製作年 / 公開日   2018年 / 2018年10月26日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   三木 康一郎  
       
上 映 時 間   118分  
       
公開時コピー   ぼくは、最後まで
サトルの猫でいる。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   福士 蒼汰 [as 宮脇悟]
広瀬 アリス [as 杉千佳子]
大野 拓朗 [as 杉修介]
山本 涼介 [as 澤田幸介]
前野 朋哉 [as 吉峯大吾]
田口 翔大 [as 宮脇悟(小学生)]
二宮 慶多 [as 澤田幸介(小学生)]
中村 靖日 [as 五十嵐]
橋本 じゅん [as 宮脇健悟]
木村 多江 [as 宮脇和子]
田中 壮太郎 [as 澤田慶介]
笛木 優子 [as 澤田洋恵]
戸田 菜穂 [as 神崎看護師]
竹内 結子 [as 香島法子]
 
声 の 出 演   高畑 充希 [as ナナ]
沢城 みゆき [as モモ]
前野 智昭 [as 虎丸]
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あ ら す じ    野良猫として誇り高く、人間など信用せずにタフに生きてきたナナ。だが、定期的においしいものをくれる優しい青年・宮脇悟のことは、ちょっと気に入ってた。そしてある日、一瞬のタイミングのずれで車に轢かれ大けがを負ってしまうナナ。薄れゆく意識の中、ナナが必死で助けを呼んだのは悟だった。この日からナナは悟の猫になり、ふたりは家族になった。
 いつもナナのことを一番に考えてくれる、優しい悟。それなのに、ある事情で悟はナナを手放す決心をする。そして、ナナの新しい飼い主を探すため、悟はナナを愛車に乗せ最初で最後の旅に出た。だがこれっぽっちも納得していないナナは、旅先で出会う悟の友達に心を開かない。小学校時代からの悟の親友・澤田幸介のところではゲージから出ようとせず、高校時代の友人・杉修介千佳子の夫婦の先住犬・虎丸には喧嘩を売り、大騒ぎになる始末だった。  困り果てた悟は、小さい頃に両親を事故で亡くして以来、悟を引き取って育ててくれた叔母・香島法子にナナを託す決心をする・・・・。
 
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たぴおか的コメント    有川浩の原作の映画化作品だということを、観終えて帰宅して初めて知った。何を隠そう、犬派・猫派に分けるならば私は完全な犬派で、猫はどちらかと言えば好きじゃないのだが、この作品に登場するナナはワケが違う。何が違うかと言えば、声を高畑充希が担当しているからで、この作品を観ようと決めた最大の理由もそこにあった。
  高畑充希の、何をやらせてもソツなくこなしてしまう器用さには本当に感心する。『プーと大人になった僕』では、主人公のクリストファーが何をしゃべっても堺雅人の顔が浮かんで仕方なかったのだが、この作品では、彼女の声があまりに猫にピッタリ過ぎて、猫がしゃべっているという違和感すら感じさせなかったのは見事と言うほかない(なんて、贔屓の引き倒しだろうか)。もっとも、高畑充希って、犬顔・猫顔に分けるなら、間違いなく猫顔というのもあるかも知れないけど。
 もうひとつ嬉しかったのが、相変わらず事前の情報を仕入れずに観たこの作品で、広瀬アリスにお目にかかれたこと。高畑充希は顔が見えないだけに、せめてひとりでも目を惹くようなヒロインが欲しいなぁ、なんて思っていた矢先だったから、これはもう大歓迎だった(笑)。
 事前では単にナナの引き取り手を探すロードムービーだと思っていたのだが、どんな理由があって悟はナナを手放そうと思ったのか、その点がずっとひっかかっていた。観ている最中も。後半になってやっと、実はそこがこの作品の大きなテーマであることが知らされることになるのだが、まさかああいう幕切れになるとは、観る前にはまったく予想もしていなかった。「4回泣ける」なんていう『コーヒーが冷めないうちに』では一度もウルッとさえしなかった私だが、さすがにこの作品には目頭が熱くなるものがあった。可愛がっている動物が死ぬシーンには極めて弱い私にとっては、微妙な展開ではあったけど。