評     価  

 
       
File No. 2883  
       
製作年 / 公開日   2018年 / 2018年10月26日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   宅間 孝行  
       
上 映 時 間   116分  
       
公開時コピー   思い出すのは、遠くはなれた家族のこと。
    
25年ぶりにめぐり逢った父と娘のたった5日間の物語
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   倉科 カナ [as 高島さつき]
市原 隼人 [as 雨宮清太郎]
入山 杏奈 [as 松岡麻衣子]
高橋 メアリージュン [as 福田日出子]
やべ きょうすけ [as 竹内力也]
布川 隼汰 [as 船田知之]
永井 大 [as 雨宮虎蔵]
金田 明夫 [as 代議士]
大和田 獏 [as 製薬会社のドン]
越村 友一 [as 滑川秀樹]
サブリナ・サイン [as エレーナ]
トミーズ雅 [as 車海老貫一]
立川 談春 [as 東雲六郎]
原田 知世 [as 松岡玉枝]
 
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あ ら す じ    愛する妻と娘との日々を思い返しながら、六郎は電車に乗り、小さな田舎町に降り立った。夕立が来そうな雲行きの中をさまよい歩き、とある神社に辿り着く。“恋園神社”という名のその神社の一角にあるお茶屋“恋園庵”の女将・松岡玉枝、六郎の思い詰めたような姿が気になり、彼の後を追って哀しそうに佇む六郎にそっと傘を差しだした。そして、そんな2人の姿を、少し離れたところからずっと見つめる視線があった。
 それから25年後。六郎は、25年前の夏の日の出会いをきっかけに、玉枝と彼女の一人娘・麻衣子との家庭を築いていたが、麻衣子との関係がうまくいかずに悩んでいた。そして、年に一度の恋園神社の夏祭りが近づくある日、運命が動き出す。
 父・虎蔵の後を継いでテキ屋になった雨宮清太郎は、「結婚するかも知れない」という驚きの報告と共に、ひとりの美しい女性を伴って地元に帰ってきた。女性・高島さつきが、自分に対して恋愛オーラを出しまくる清太郎を上手く交わしながら、彼に伴われて町に訪れた理由は、25年前に母親と自分を置いて姿を消した父・六郎を探すためだった。死んだと聞かされていた父親が生きていることを知り、なぜ会いに来ないのか、一体どんな暮らしをしているのかを確かめに来たのだった。
 さつきは清太郎から、六郎が新しい家族を持っていること、けれども入籍はしていないことを教えられてショックを受ける。やがて訪れた祭りの夜、六郎が一人でいる時に、さつきは六郎に声をかけるのだが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント     年に相当な本数の映画を劇場で観る私も、おそらく倉科カナが主演はおろか、チョイ役ではないキャラクターで出演する作品さえ観たことがない・・・・・なんて思ったら、実は『3月のライオン』でバッチリお目にかかっていたことが調べてみて発覚。おそらく、『3月のライオン』ではもっぱら有村架純と清原果耶にばかり目が行ってしまっていたためじゃないかと思われる。とにかく、初めて観るに等しい彼女、初見では小林麻耶かと一瞬思ってしまったが、それにしちゃちょっと若すぎる、そんな印象を受けた倉科カナの主演作。
 共演の市原隼人の相変わらずなテンションの高さに、例によって例のごとく市原扮する清太郎が独り合点で恋に舞い上がって失恋するパターンか、なんて想像を裏切り(とは言え、“当たらずといえども遠からず”だったけど)、実は父と娘の物語で、クライマックスでは胸にグッとくるものもある作品だった。
 とは言っても一方では、愛する妻と娘を捨てた六郎が、そう簡単に新しい家族を築くことができるものなのか、という点が引っかかって仕方ない。新しい家族と籍を入れないところを見ると、かつての家族を忘れたわけじゃないし、それはさつきとの再開のシーンでも明らかだ。ならばなおさら、新しい家族を持つことには大きな抵抗があるはずだし、いずれにしても一度かつての妻と娘に会って、一端の決着を着けるのが大人の対応じゃないだろうか。それができない以上、六郎がいくら現在と過去との板挟みに苦悩しようと、それは自業自得というものであって、同情の余地はない。
 この作品のメガホンを執った宅間孝行だが、なぜか10年も前に観た映画『同窓会』で主演したことをハッキリと覚えていた。共演の永作博美をすっかり忘れていたにもかかわらずね(不覚!)。そして、おそらくこの作品も『同窓会』と似たような雰囲気の作品だろうという予想はほぼ間違っていなかった。派手さのない、どちらかと言えば地味な展開の人情物で、だからこそ市原のあのハイテンションさが異様にまで際立っていて、ちょっとやり過ぎじゃないか、とさえ思った。一方で、高橋メアリージュンとやべきょうすけの、まるで夫婦漫才のような掛け合い(まぁ、夫婦漫才と言ってもあながち間違いじゃないけど)は息がピッタリで、観ていて本当に面白かった。やべはともかく、今まであんな彼女は観たことがなかったから、非常に新鮮。