評     価  

 
       
File No. 2886  
       
製作年 / 公開日   2018年 / 2018年11月02日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ルーベン・フライシャー  
       
上 映 時 間   112分  
       
公開時コピー   最も残虐な悪(ダークヒーロー)が誕生する。
    
地球外生命体に規制された男は、その悪に支配される
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   トム・ハーディ[as エディ・ブロック]
ミシェル・ウィリアムズ [as アン・ウェイング]
リズ・アーメッド[as カールトン・ドレイク/リオット]
スコット・ヘイズ[as ローランド・トレース]
リード・スコット[as Dr.ダン・ルイス]
ジェニー・スレート [as Dr.ドーラ・スカース]
メローラ・ウォルターズ[as マリア]
ウディ・ハレルソン [as クレイタス・カサディ]
ペギー・ルー [as Mrs.チェン]
 
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あ ら す じ    正義感溢れるジャーナリストのエディ・ブロックは、危険な人体実験が行われているという“ライフ財団”への執拗な取材がアダとなり、仕事を失い恋人のアン・ウェイングからも愛想を尽かされてしまう。その後、協力者を得て財団内部への侵入に成功したエディだったが、そこではトップのカールトン・ドレイクによって“シンビオート”なる地球外生命体を人間に寄生させる恐るべき実験が行われていた。そして被験者の一人と接触してしまったエディは、シンビオートの一体に寄生されてしまうのだった。
 やがてエディの身体を乗っ取ったシンビオートはエディの意志にお構いなしに、圧倒的なパワーと残忍さを兼ね備えた怪物“ヴェノム”へと姿を変えるのだったが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    マーベル史上最も残虐な“悪”だというヴェノム。実はスパイダーマンの宿敵らしいのだが、そんな予備知識なしに劇場に臨んだ。最近はマーベルのキャラクターにも飽きがきていた私にとって、新たな刺激になるかな?という淡い期待を寄せていたのだが、予想を覆す面白い作品だった。ちなみに、ここで言う“面白い”とは、interesting ではなくむしろ funny の方で、ネタバレになるかも知れないが、作品のクライマックスは何とヴェノムと同類との決戦なのだ。そして、明らかにヴェノム=善(と言い切っていいかどうかは微妙だけど)、敵の同類=悪という図式になっているのだ。
 「意外」だったのは、もっとヴェノムが徹底した残虐無比な悪という予想を裏切り、結構面白いヤツだったりすること。掲示板を見ると、「ヴェノムが可愛い」という、観る前にはまったく意味不明な書き込みが少なくないのだが、その理由も観てみると理解できる。おかげで、観終えて最初に思ったのは「この作品って、もしかしてコメディ?」というものだった。あまりにも残虐すぎて悲壮感が漂うよりは、単純に「面白かった」で終われるような作風の方が、むしろ良かったかもしれないけど。
 そんなわけで、個人的にはこのヴェノムをアベンジャーズに加えてもいいんじゃない?とさえ思った。少なくとも前作『インフィニティ・ウォー』で初登場なのに消えてしまったブラックパンサーやドクター・ストレンジよりは遥かに面白いキャラクターだと思うし、そもそも怒ったら制御不能なハルクってキャラがいるくらいだから、ヴェノムもアベンジャーに入れる資質は充分にあるだろう。まぁ、アベンジャーズには入れなくとも、この1作だけで終わりにしてしまうには、あまりに勿体ないキャラクターだから、続編が制作されることを期待したい。
 ヴェノムに乗っ取られるエディ・ブロックを演じるのはムキムキのキン肉マン、トム・ハーディなのだが、この作品ではこの作品ではその筋肉を見せびらかす余地もなく、存在感がやや薄く感じられるのはちょっと残念。彼の元・恋人役がミシェル・ウィリアムズというのは、嬉しいサプライズだった。