評     価  

 
       
File No. 2888  
       
製作年 / 公開日   2018年 / 2018年11月02日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   中田 秀夫  
       
上 映 時 間   116分  
       
公開時コピー   私の全てが
壊されていく
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   北川 景子 [as 稲葉麻美]
千葉 雄大 [as 加賀谷学]
バカリズム [as 小柳守]
要 潤 [as 武井雄哉]
高橋 メアリージュン[as 杉本加奈子]
酒井 健太 [as 大野俊也]
筧 美和子 [as 天城千尋]
原田 泰造 [as 毒島徹]
成田 凌 [as 浦野善治]
田中 圭 [as 富田誠]
 
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あ ら す じ    商社マンの富田誠は恋人の稲葉麻美にプロポーズをしようかとタクシーの中で思案中、タクシーが渋滞に巻き込まれてしまう。大事なプレゼンが控えていた富田はタクシーを降りて電車の駅に走るが、慌てていたためにうっかりスマホをタクシーに忘れてしまう。
 そんな事情を知らずに麻美が富田のスマホへ電話すると知らない男が出て、このスマホを拾ったという。そして拾い主は、スマホを横浜のカフェに預けておくと言い、無事スマホを受け取った麻美は富田と合流する。そして富田は、プラネタリウムで麻美にプロポーズをするのだった。
 ところが、その日以降麻美と富田の周辺で、不可解な事件が立て続けに起きるようになる。身に覚えのないクレジットカードの請求、親友の杉本加奈子の勧めで再開したSNSに、何者かによって掲載される画像、そして奇妙なメール。疑心暗鬼になった2人の関係は、次第にぎくしゃくしていく。
 一方、丹沢の山奥で女性の死体が発見され、女性の髪の毛の一部が極端に切り取られていて、下腹部には鋭い刃物で何度も刺された跡が残されていた。警視庁の毒島徹と若手刑事の加賀谷学は、殺害する行為への犯人の執着を感じ、周囲の捜索を進めるとさらに複数の遺体が発見されるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    現代人にとって手放すことができない必須アイテムで、数々の個人情報が詰め込まれたフマート・フォン。それを落として、もしも悪意のある人間が拾ったら・・・・・なんて、非常に興味深い設定に加えて、主演が北川景子とあればこれは見逃すわけには行かない。相手役が田中圭というのには個人的にちょっと不満があるが、彼女が登場するだけでスクリーンに惹き付けられてしまうような美形がたまらない(笑)。。
 映画とはちょっと離れるが、モバイル端末はどこへでも簡単に持ち運びができるというメリットを享受できる反面、紛失や置き忘れといったリスクを負うというデメリットが常に伴うことを忘れちゃいけない、と改めて思った。そして、忘れちゃいけないのは、“100%絶対”と言えるセキュリティ対策は存在しないということ。どれほど安全策を講じようとも、必ず盲点はあるのだ。唯一“絶対”に近い対策は、一切の情報を“携帯しないこと”だが、情報漏洩を恐れるあまりモバイル端末から得られるメリットを捨てるべきじゃないし、今さらそんなことをできるはずもない。この作品はあくまでフィクション、スマホを落としたら「こういう事態に陥る可能性もありますよ」という極端にデフォルメされた例であって、“必ずこうなる”という警告では決してないのだから。
 で、話を戻すと、私が思うこの作品のキー・パーソンは加賀谷刑事を演じた千葉雄大だった。この男、身体を使った捜査は苦手な反面、頭脳がやたらと切れる。特に、サイバー捜査に関する知識とスキルには目を見張るものがあって、こんな優秀な人材を捜査一課に配属するのは勿体ない。もっとも、コンビを組んだ原田泰造演じる毒島刑事が体育会系で加賀谷とは正反対なキャラだから、2人が互いに足りないところを補い合えば、最強コンビになることは間違いない。加えて、そんな加賀谷が途中までは「もしかして犯人?」と思わせるようなフシがあるのだ。まさに、作品全体に影響を与える重要人物だ。
 そんな加賀谷だが、彼の過去のエピソードは不要だと思う。それを敢えて挿入しているのは、おそらく彼を犯人へとミスリーディングするためだろう。私もまんまとそれに乗せられてしまったひとりだから。