アニゴジ3部作の完結編で、やはりゴジラを倒すのはコイツしかいないだろう、と言わんばかりに満を持して登場のキングギドラ(この作品では、“キング”なしのギドラだけど)。実写版でもゴジラと双璧をなすこの怪獣、やはり三つ首の黄金の竜というのはインパクトとしてはゴジラを遥かに凌駕していて、2019年に公開予定のハリウッド版最新作『GODZILLA: KING OF THE MONSTERS』でもモスラ、ラドンと共に登場する予定のようだ。
本来であればゴジラを倒す救世主となりそうなギドラだが、実はゴジラよりも遥かに厄介な「破壊の神」とでも言うべき存在で、人類の希望は一転して絶望に変わるのだ。そして、ギドラを取るかゴジラを取るかのジレンマに追い込まれる、それがこの作品の最大の見所だ。エクシフは果たしてゴジラを倒すためにギドラを召喚したのか、それともゴジラは元々眼中にすらなくギドラを召喚することが当初からの目的だったのだろうか。どうやら後者が正解のようだが、だとしたらゴジラの登場など待つ必要などなかったのに。
2作目までがそこそこ悪くなかったからこそ観たこの3作目の完結編なのだが・・・・・やたら宗教色が強くて、また高尚な言葉を並べてやたら観念的過ぎて、映画作品としてのエンターテイメント性が希薄に思えるのは私だけじゃないだろう。説教を聞かされるために料金を払って劇場に集まったわけじゃないんだから、そういうのは幸福の科学に任せて、一部のマニアにのみ受け入れられるような作品じゃなく、万人向けの娯楽大作にして欲しかったものだ。