評     価  

 
       
File No. 2893  
       
製作年 / 公開日   2018年 / 2018年11月16日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ステファノ・ソッリマ  
       
上 映 時 間   122分  
       
公開時コピー   このルールなき戦いに、
終わりはあるのか
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ベニチオ・デル・トロ [as アレハンドロ]
ジョシュ・ブローリン [as マット・グレイヴァー]
イザベラ・モナー [as イサベル・レイエス]
ジェフリー・ドノヴァン [as スティーヴ・フォーシング]
マヌエル・ガルシア=ルルフォ [as ギャロ]
マシュー・モディーン [as ジェームズ・ライリー]
イライジャ・ロドリゲス [as ミゲル・エルナンデス]
デヴィッド・カスタニェーダ [as ヘクター]
キャサリン・キーナー [as シンシア・フォード]
 
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あ ら す じ    アメリカ国内の商業施設で市民15人の命が奪われる自爆テロ事件が発生する。犯人一味がメキシコ経由で不法入国したと睨んだ政府は、国境地帯で密入国ビジネスを仕切る麻薬カルテルを混乱に陥れる任務を、CIA工作員のマット・グレイヴァーに命じる。
 それを受けてマットは、 カルテルへの復讐に燃える旧知の暗殺者アレハンドロに協力を要請する。麻薬王・レイエスの娘イサベル・レイエスを誘拐し、カルテル同士の戦争を誘発しようと企てる。 しかしその極秘作戦は、敵の奇襲やアメリカ政府の無慈悲な方針変更によって想定外の事態を招いてしまう。
 メキシコの地で孤立を余儀なくされたアレハンドロは、兵士としての任務と復讐心、そして人質として保護する少女の命の狭間で、過酷なジレンマに直面していく・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    エミリー・ブラントが主役を務めた前作の続編・・・・・というよりも、むしろスピンオフのような位置付けの作品で、前作にも登場したジョシュ・ブローリンとベニチオ・デル・トロが今作ではメイン・キャラクターを演じているが、エミリー・ブラントは登場しないので念のため。
 前作ではあたかも殺人鬼のようなキャラクターだったベニチオ・デル・トロ演じるアレハンドロが主役となり彼の人間らしい一面がうかがわれる本作。もっとも、最初のシーンでは無表情に相手を銃で蜂の巣にするあたりは、前作のイメージがそのままうかがわれるのだが。それはともかく、国家の命令により正体を隠して麻薬カルテルの首魁の娘を敵対組織の仕業と見せかけて誘拐し、それを助ける辺りまでは比較的平穏な展開なのだが、それが娘を始末するよう命令が変更されてから、やたらと画面が慌ただしくなる。そして、ここでアレハンドロとジョシュ・ブローリン演じるマットが正反対の立ち位置に立つことになるわけだ。フツーに考えれば、命令に反して娘を守ろうとするのがマット、あくまで命令通り殺そうとするのがアレハンドロ、と思われがちだろうが、ここでは立場が逆になるのだ。この展開にはちょっと違和感を感じる。だって、ラストではマットもやはり命令に背いて(と言っても、あくまで自分の行為を正当化することは忘れていないが)、娘を保護しているし。そして、アレハンドロを処分するのがマットではなく、あくまでテロ組織としたのが少々残念でもあり、個人的にはマットとアレハンドロの対決シーンが観たかった。
 実はこの作品、3部作の2作目に当たるようで、次にまた続編が制作されるようなのだが、それにしては今回の結末はいかなるものかと首をかしげざるを得ない。2作目でエミリー・ブラントが登場しなかったのさえ残念なのに、このままでは3作目はデル・トロも登場しなくなるんじゃないか、そうなるとジョシュ・ブローリンだけではさすがに訴求力不足になるんじゃないか、なんて心配になる。