評     価  

 
       
File No. 2905  
       
製作年 / 公開日   2018年 / 2018年11月30日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   アリ・アスター  
       
上 映 時 間   127分  
       
公開時コピー   完璧な悪夢  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   トニ・コレット [as アニー・グラハム]
アレックス・ウォルフ [as ピーター・グラハム]
ミリー・シャピロ [as チャーリー・グラハム]
アン・ダウド [as ジョーン]
ガブリエル・バーン [as スティーブ・グラハム]
 
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あ ら す じ    グラハム家の祖母・エレンが亡くなった。娘のアニー・グラハムは夫・スティーブン、高校生の息子・ピーター、そして人付き合いが苦手な娘・チャーリーと共に家族を亡くした哀しみを乗り越えようとする。自分たちがエレンから忌まわしい“何か”を受け継いでいたことに気づかないまま。
 やがて奇妙な出来事がグラハム家に頻発する。不思議な光が部屋を走る、誰かの話し声がする、暗闇に誰かの気配がする・・・・・。祖母に溺愛されていたチャーリーは、彼女が遺した“何か”を感じているのか、不気味な表情で虚空を見つめ、次第に異常な行動を取り始める。まるで狂ったかのように。やがて最悪な出来事が起こり、一家は修復不能なまでに崩壊してしまう。そして、想像を絶する恐怖が一家を襲う。
 “受け継いだら死ぬ”祖母が家族に遺したものは一体何なだったのか・・・・・?
 
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たぴおか的コメント    奇しくもこの日、2本目となるトニ・コレットの主演作。“低予算ながら全米で大ヒット”と、最近では珍しくもない売り文句にまんまと乗せられて観たのが失敗だった。そもそも、全然怖くない。怖いのはトニ・コレットの顔、それに輪をかけて娘のチャーリーを演じたミリー・シャピロの顔の方が数段怖い。
 もっともこの作品、賛否両論に大きく分かれるようで、これを傑作と評価するファンも少なくないようだが、私は明らかに「否」の立場の人間で、ガス代を費消してまで劇場へ行き、1,300円のレイトショー料金を払い、睡眠時間を削ってまで観るような作品ではなかったことは確かだ。こんなことなら、2回目ではあるが『くるみ割り人形と秘密の王国』でマッケンジー・フォイの可愛らしさに見とれていた方が良かった、と後悔することしきりだ。
 最近のホラーに多く見られる、突然の大音響で驚かせたり、あるいは血が飛び散るスプラッタ的な要素もなく、単にストーリーでジワジワと攻めてくる、そのアプローチは悪くないが、如何せん尺が長過ぎでテンポも悪いために間延びしてしまい、行き着く先は例によって例のごとく睡魔に襲われるという体たらくだった。
 サブタイトルに日本語で“継承”とはあるものの、原題の“HEREDITARY”という単語の意味が調べるまでは不明で、観終えてから“遺伝”だと知った。いったい何が遺伝する、あるいは継承されるのか、欧米ではいざ知らず、神と悪魔といった土壌が存在しない日本では、むしろピンと来ないというのが自然だろう。
 淡々と進む前半から、後半は急遽展開が早くなるが、そのためか無理矢理こじつけた感がありありで、もうその時点でホラーではなくなってしまい、むしろ滑稽なほど。特に、トニ・コレットがみずからの首を○○するシーンなどは、もはや怖さなどは微塵もなく、苦笑の対象でしかなかった。
 余談だが、Webでこの作品に登場する悪魔・パイモンを“パイモン”というワードでググってみたら・・・・・パズドラのキャラクターのパイモンばっかりが引っかかってきて笑った。ワードを“パイモンとは”に変えて、ようやくパズドラの呪縛から逃れられたが。