評     価  

 
       
File No. 2907  
       
製作年 / 公開日   2018年 / 2018年12月07日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ヴィクター・レヴィン  
       
上 映 時 間   87分  
       
公開時コピー   こじらせ続ける
ふたりの恋の
終着点は?
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ウィノナ・ライダー [as リンジー]
キアヌ・リーヴス [as フランク]
 
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あ ら す じ    とある金曜日、リゾート・ウエディングに招待されたフランクリンジーは、空港で同じ飛行機を待っていた。初対面同士の軽い挨拶のはずが思わぬ口論へと発展し、イヤ〜な気分で搭乗するとなんと席が隣同士だった。やがてフランクは花婿のキースと絶縁中の異父兄弟で、リンジーはキースに捨てられた元婚約者だと判明する。お互いにキースから悪い噂ばかり聞かされていた相手だった。
 飛行機はサンルイスオビスポ空港に到着、迎えの車を待つ間、なぜ出席するのかを探り合うふたり。フランクは母親の命令でやむなく、リンジーは破談になった時にキースを訴えまでしたのだが、それでも心の広いフリをして招待するキースに、同じく心が広いフリをして受けたのだ。「けじめもつけたくて」と、いまだ未練が残っていることを、リンジーは正直に認めるのだった。
 迎えの車も1台だけ、仕方なく同乗したふたりは、互いの仕事を尋ねながら、ホテルに到着する。するとなんと、部屋までが隣同士だった。ふたりは落ち着かない気持ちのまま、最初のイベントであるリハーサルディナーに出席する。フランクとキースの母、彼女と別れたキースの父、彼の元妻より年上の愛人と、フクザツな家族の全員集合だ。極めつけはフランクから聞かされた彼と亡き実父との関係で、リンジーは思わず「すごい家族ね」と目を見張る。重い腰を上げてキースに挨拶したリンジーは、別れた6年前と全く変わらない彼の姿に未練が爆発し、先に部屋へと帰ってしまう。
 土曜の朝、歓迎バスケットに入っていた無料サービス券で、並んでフットマッサージを受けるふたり。「僕はドケチだ」「恋愛から手を引いた」と、その偏屈ぶりを悪びれることなく披露するフランク。一方のリンジーは朝からキースへの毒舌が止まらない。互いに激しくツッコミを入れながら、なぜかテンポはピッタリで、まるで息の合ったラリーのようにふたりの会話は尽きない。
 お昼前にはワイナリーの見学だ。しゃべり通しのふたりの意見が、「週末を潰して」「何千キロも遠くから幸せを祝いに来い」なんて、「リゾート・ウエディングは傲慢だ」と初めて一致する。だが、意気投合したのも束の間、「運命の人」を見つけたいリンジーと、そんな人はいないと全否定するフランクでまたまた議論が盛り上がる。
 いよいよふたりにとって“最高にムカつく”、葡萄畑を見下ろす丘の上でのサンセット結婚式が始まった。幸せの絶頂のキースを見たくないリンジーは、「お散歩しない?」とフランクを誘う。のどかな道を、全然のどかでないヘリクツを交わしながら歩くふたり。どういうわけか強く惹かれ合い始めたふたりに、とんでもない恋のハプニングが待ち受けていた・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    観終えての最初の印象は、ウディ・アレンがメガホンを執った『恋人までの距離』、とでも言うのが適切だろう。牙を抜かれたような最近のウディ・アレンらしい作品だと思ったが、当然のことながらクレジットを観ても彼の名前はない。ひたすら主人公リンジーとフランクの会話でストーリーが進んでいく、この手の軽妙なコメディ作品は決して嫌いじゃないが、難点を挙げればキャスティングがどうもねぇ・・・・・。
 今回が4回目の共演となるウィノナ・ライダーとキアヌ・リーヴス。かつて『シザーハンズ』を観た友人が、「最高の美人だ」と褒めていたウィノナ・ライダー(私にはそこまで美人だとはとても思えない)だが、さすがに50歳手前ではいくら美人だとしてもテンションが上がらなくて困った。顔はメイクで誤魔化せたとしても、首筋を見ると衰えは隠せず、私はてっきり50歳を超えていると思ったほど。せめてアラフォーの女優をキャスティングして欲しかった。しかも、私の好みの女優を。
 一方のキアヌも、確かにルックスはイケメンかもしれないが、『スピード』の頃の精悍さは影を潜め、体型は完全にオッサン化してしまっていて、これは『ノック、ノック』の歳も感じていたのだが、おそらくは“胸囲<胴囲”というスタイルが残念だ。
 理屈抜きで感情に走るリンジーと、感情を押し殺して理屈を優先させるフランク。 共にダメダメな2人だが、ダメダメ同士が磁石のNとSのように惹かれ合ったということだろう。理屈優先のフランクが、ラストで珍しく感情が勝ってとった行動が微笑ましい。