評     価  

 
       
File No. 2925  
       
製作年 / 公開日   2018年 / 2019年01月11日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   スティーヴン・ケイプル・Jr  
       
上 映 時 間   130分  
       
公開時コピー   戦わなければならない奴がいる。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   マイケル・B・ジョーダン [as アドニス・クリード]
シルヴェスタ・スタローン [as ロッキー・バルボア]
テッサ・トンプソン [as ビアンカ]
フィリシア・ラシャド [as メアリー・アン・クリード]
ドルフ・ラングレン [as イワン・ドラゴ]
フロリアン・ムンテアヌ [as ヴィクター・ドラゴ]
ラッセル・ホーンズビー [as バディ・マルセル]
ウッド・ハリス [as トニー・“リトル・デューク”・バートン]
マイロ・ヴィンティミリア [as ロバート・バルボア]
ロビー・ジョンズ [as ローガン・バルボア]
アンドレ・ウォード [as ダニー・“スタントマン”・ホイーラー]
ブリジット・ニールセン [as ラドミリア・ドラゴ]
 
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あ ら す じ    ロッキーの指導の下、世界チャンピオンに上り詰めたアドニス・クリード。そんな彼に対し、かつて父アポロの命を奪ったイワン・ドラゴの息子・ヴィクター・ドラゴが挑戦状を叩き付けてくる。父の敵を討たんとばかりに意気上がるアドニスだったが、ロッキーは対戦に否定的で、相手の挑発を無視しろとアドニスに忠告するのだっった。
 それでもヴィクターとの対戦を望むアドニスに、ロッキーは「自分はセコンドにつけない」と告げる。そんな状況で行われたヴィクターとの試合でアドニスは、ヴィクターの反則行為により勝利したものの大怪我を負い、心身ともに不調に陥ってしまう。やがて婚約者のビアンカが出産して父親になったアドニスは、ロッキーから父親という存在の大切さを諭され、しばらく一線から遠のくことになるのだった。
 しかし、「ボクシングこそが自分そのもの」と気づいたアドニスは、ヴィクターとの再戦を決意し、再びロッキーの指導の下、過酷なまでのトレーニングに励むのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『ロッキー4』でロッキーに敗れたドラゴ、その息子ヴィクターが、ロッキーの息子ではなく(ロッキーの息子・ロバートはボクサーじゃないから、やむを得ないわな)、父親が倒したアポロの息子、アドニスに挑むという、『クリード』の続編でありながら『ロッキー4』の流れを強く汲む作品。『ロッキー4』に続いてドラゴ役としてドルフ・ラングレンが登場するのは当然として、ドラゴ父子を捨てたはずのブリジット・ニールセンまでが同じ役柄で主点していたのは、サービス精神はわかるがちょっと無理があるだろう。なぜか彼女の役名のファミリー・ネームも“ドラゴ”のままのようだし。
 ネタバレになるかもしれないが、私は最初から「ラストではアドニスがヴィクターに勝利するはず」と確信してみていたから、安心して観ることができた。この、「最後に主役は勝つ」という安心感、これは『ロッキー』から受け継がれているお約束のような展開だ。もっとも、最初の戦いでのアドニスの負け方を見ると、試合自体はヴィクターの反則負けになったとは言え、両者の力の差があまりに圧倒的過ぎて、アドニスがヴィクターに勝つなんて一生かかっても無理なんじゃね?とさえ思える。また、キャラクターの凄みという点では、この作品のヴィクターよりも、まさに完璧な殺人マシーンのような父親イワンの方が数段勝っていたし、実際ドラゴは観ていて怖かったのを覚えている。
 そんなわけで、最後にアドニスがヴィクターに勝利したことには、意外なほど感動することがなく、むしろ、父親と息子が立て続けにロッキーに敗れたドラゴ父子の悲哀の方に私の感情は向かってしまっていた。今回もまたヴィクターが劣勢になるや迷わず席を立って退場するブリジット・ニールセン演じる元妻(コイツ、本当にいけ好かないキャラだ)。その冷徹と言うより冷酷とさえ思える仕打ちを二度も受け、挙げ句にタオルを投げ入れざるを得なかったイワンの断腸の思いを察すると、そっちの方に強く肩入れしたくなったのは、やはり判官贔屓と言われる日本人の気質のせいなのだろうか。蛇足だけど、副題を『炎の友情』にして、二世同士の戦いの末に、ロッキーとドラゴが友情で結ばれる、なんてストーリーも意表を突いて案外面白かったかもしれない。その方がドラゴに対して、これほど悲壮感を感じることもなかったはずだ。