評     価  

 
       
File No. 2928  
       
製作年 / 公開日   2018年 / 2019年01月18日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   鈴木 雅之  
       
上 映 時 間   133分  
       
公開時コピー   次の殺人予告は、一流ホテル。
    
全員を疑え。
犯人は、この中にいる。
    
潜入捜査官×ホテルマン 正反対のコンビが、連続殺人事件に挑む
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   木村 拓哉 [as 新田浩介]
長澤 まさみ [as 山岸尚美]
小日向 文世 [as 能瀬]
梶原 善 [as 本宮]
泉澤 祐希 [as 関根]
東根作 寿英 [as 久我]
石川 恋 [as 川本]
濱田 岳 [as 宿泊客]
前田 敦子 [as 宿泊客]
笹野 高史 [as 宿泊客]
高嶋 政宏 [as 宿泊客]
菜々緒 [as 宿泊客]
生瀬 勝久 [as 宿泊客]
宇梶 剛士 [as 宿泊客]
橋本 マナミ [as 宿泊客]
田口 浩正 [as 宿泊客]
勝地 涼 [as 宿泊客]
明石家 さんま [as 宿泊客]
松 たか子 [as 宿泊客]
鶴見 辰吾 [as 田倉]
篠井 英介 [as 尾崎]
石橋 凌 [as 藤木]
渡部 篤郎 [as 稲垣]
 
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あ ら す じ    都内で起きた3件の殺人事件。手口がバラバラで被害者にも繋がりは無く、当初は別個の殺人と思われたが、現場に残された数字の羅列が次の殺人の日付と現場の座標を表していたことが判明し、連続殺人事件として扱われることになる。そして、3件目の現場に残された数字から、次の殺人が一流ホテルのホテル・コルテシア東京で行われるであろうと判断した警察は、他に手がかりが一切ないことから、ホテルへの潜入捜査を断行する。
 事件の捜査に当たっていた、捜査一課のエリート刑事・新田浩介は、ホテルのフロントクラークとしての潜入を命じられ、彼の教育係を命じられた、優秀なフロントクラークの山岸尚美とタッグを組むこととなる。刑事としてホテルに訪れる客総てを疑う新田と、利用客を第一として新田とは正反対の立場で振る舞うホテルマンの山岸のコンビは、最初から衝突の連続だったが、やがて互いのプロとしての価値観を理解するようになるにつれ、信頼関係が生まれてくる。
 時には新田の客を見抜く目に山岸は感心させられ、また、時には山岸の一般人としての考え方を参考にする新田。新田と元コンビを組んでいた刑事の能瀬も加わり、殺人予告の日は刻一刻と近づいてくる中、事件は意外な方向へ展開するのだった・・・・・。。
 
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たぴおか的コメント    以前にも何かの作品のコメントに書いたように、東野圭吾原作の映画をさほど面白いと感じたことがなく(新参者にしても、ガリレオにしても元となる東野作品が平凡なのは明らかだろう)、よって東野圭吾は凡庸な大衆作家の域を出ないと思っているし、彼の作品がなぜこれほど映画化されるのか、全く理解不能だ。そして、この作品も映画としては豪華キャストによる娯楽作として成り立ってはいるものの、肝心のミステリー的な側面から観るならば、極めて薄っぺらな内容の作品と言っていい。この感想は、誰がメガホンを執ろうと、誰をキャスティングしようと、悪くなることはあっても良くなることはあり得ないだろう。
 この作品、人間模様がしっかりと描かれているわけじゃなく、かと言ってその分ミステリーが巧妙に仕組まれていることもなく、つまりはセールスポイントが何もないのだ。確かに、個々の客のエピソードが面白いことは面白いが、残念ながらそれはあくまで作品の枝葉の部分であり、作品の根幹をなすべきなのは連続殺人であることは改めて言うまでもない。そして、枝葉を細かく描写した結果、130分を超える尺になってしまっているのだ。これじゃ、どう観ても枝葉>根幹であって、事件は終わり間際になって急転直下、まるでやっつけ仕事とでも言わんばかりの雑さで解決されてしまうのだ。こんなことなら、いっそのこと三谷幸喜が脚本を担当して、ミステリーをかなぐり捨てたコメディにした方が・・・・・なんて思ったけど、それじゃ『THE有頂天ホテル』の二番煎じになりかねないから撤回(笑)。
 そんな私がこの作品を観た理由は、長澤まさみが出演していること以外の何物でもない。そして、彼女の存在があったからこそ、130分超えという長尺にも耐えられたのだ。個人的な希望を言わせてもらうなら、橋本マナミのエピソードなどは全く不要、カットすべしだ。菜々緒と宇梶剛士のエピソードも、カットしていいと思う。一方、エンド・クレジットを観て初めて気づいたのだが、キャストの中に“明石家さんま”の名前があったのは、この作品最大のサプライズだった。どうやらキムタクに出演を頼み込んだようだから、わずかワンカットのカメオ出演だろうけど、別に睡魔に襲われていたわけでもないのに、全く気づきもしなかったのが悔しくて仕方ない。TOHOシネマズの1ヶ月フリーパスポートもあることだし、周囲の熱が冷めて空いてきた頃合いを見計らって、もう一度観てやろうかな?