評     価  

 
       
File No. 2928  
       
製作年 / 公開日   2019年 / 2019年01月18日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   二宮 健  
       
上 映 時 間   104分  
       
公開時コピー   チワワちゃんが死んじゃった
    
一緒に遊んでたわたしたちは
チワワちゃんの本名すら
知らなかった
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   門脇 麦 [as ミキ]
成田 凌 [as ヨシダ]
寛一郎 [as カツオ]
玉城 ティナ [as ユミ]
吉田 志織 [as チワワ]
村上 虹郎 [as ナガイ]
松本 穂香
仲 万美
古川 琴音
篠原 悠伸
上遠野 太洸>
松本 妃代
成河
栗山 千明 [as ユーコ]
浅野 忠信 [as サカタ]
 
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あ ら す じ    その日、東京湾バラバラ殺人事件の被害者の身元が、千脇良子・20歳・看護学校生だと報じられる。ミキはそれが、自分の知っている“チワワちゃん”のことだとは思いもしなかった。
 ミキがいつものミュージックバーで、仲間のヨシダカツオナガイユミらと飲んでいる時、ヨシダの新しいカノジョとして“チワワ”は現れたのだった。以前、ヨシダのことが好きだったミキは、フクザツな気持ちで2人を見ていた。その時、バーテンダーのシマから、VIP席にいる男たちのバッグの中に、政治家に届ける600万円が入っていると教えられる。皆がザワつくなか、意を決したチワワがあっという間にバッグを奪って走り出し、仲間たちも皆つられて追っ手から逃げるのだった。
 翌朝、昨夜の男たちが贈賄罪の疑いで逮捕されたとニュースで報じられていた。宙に浮いた600万をめでたく頂いて、ミキたちはバカンスに繰り出す。毎晩が豪華なパーティと、最高のお祭り騒ぎだったが、600万円をたった3日で使い切り、皆は日常に戻っていった。 そんな中、チワワだけが“パーティ”を続けていた。インスタがきっかけとなり人気モデルとなったチワワは、サカタという有名カメラマンと付き合い始めていた。やがてチワワとミキたちは住む世界も違い始めていった。
 チワワを偲ぶために、仲間たちが久しぶりに集まったが、誰も最近のチワワを知らなかった。そんな中、ファッション雑誌のライターのユーコから、チワワの追悼記事の取材を受けるミキ。もっと話を聞かせてほしいと頼まれたミキは、仲間たちに改めてチワワとの思い出を聞きに行く。しかし、ミキを待ち受けていたのは、それぞれの記憶の中の全く違うチワワだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    この手の作品は、私が最も苦手とするところで、しかも、寛一郎や村上虹郎、玉城ティナといった興味をそそるキャストの中に、成田凌の名前を見つけたとあればなおさらだ。最近『ここは退屈迎えに来て』や『ビブリア古書堂の事件手帖』、『スマホを落としただけなのに』と立て続けに観るこの成田凌という役者が、どうにも好きになれないのだ。それだけでも睡魔に襲われるには充分な理由(?)で、しかも23:45という深夜に始まる回だったが、眠くもならずに観終えたことに、自分で自分を褒めてあげたい、なんてね(笑)。
 タイトルにもなっているチワワちゃんを演じた吉田志織、パッと見は目を惹くような美人でもないのだが、終始目が離せなかった。自分ではそんなつもりは全くないのだが、『Saki 咲』の浅川梨奈といい、実は無意識に巨乳に弱いのだろうか?良く言えば天真爛漫、悪く言えば周囲の空気などお構いなしで無鉄砲に振る舞うチワワは間違いなく魅力的で、もしも自分が彼らの輪の中にいたならば、やっぱりチワワを好きになっているだろうと思う。そのせいか、余計に成田凌が嫌いになった(笑)。
 今時の若者・・・・・こんな言葉を使うようになるとは、私も完全にオジサン化してしまったことを痛感してしまい、悲しい哀しい限りなのだが、3日で600万円を使い果たすような今風の若者たちの刹那的な生き方には反感を覚える反面、羨ましくもある。おそらくは、私の世代のように行く末を心配する必要など無く、今この時という瞬間を至上のものとするためには、600万という金額は決して高いものではなかったのだろう。そして、そんな時間を過ごすためには、チワワの本名が千脇良子であろうが何であろうが、そんなことは無関係なのだ。むしろ本名なんてものは現実を想起させる邪魔者であって、だから彼女はチワワで充分だったのだろう。
 そんなチワワの死亡報道を目にして、メンバー全員が久しぶりに一堂に会しそうなものだが、そうならなかったのは、グループの中のピースの一片という立場から脱却して個に目覚め、自らの在り方を考え始めるようになったためだろう。中でも、メンバーの中で最もブッ飛んでいたはずの成田凌演じるヨシダが、仲間たちが音信不通を心配するのをどこ吹く風とばかり、身なりを整えて就活とは・・・・・役柄とはいえこの上ない嫌な奴で、そんなキャラが似合う成田凌は、やっぱり私にとっては嫌な奴なのだ。