評     価  

 
       
File No. 2932  
       
製作年 / 公開日   2017年 / 2018年01月25日  
       
製  作  国   フランス  
       
監      督   グザヴィエ・ルグラン  
       
上 映 時 間   93分  
       
公開時コピー   ジュリアンは
母親を守るため、
必死で嘘をつく
    
家族は、衝撃の
結末を迎えた
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ドゥニ・メノーシェ [as アントワーヌ・ベッソン]
レア・ドリュッケール [as ミリアム・ベッソン]
トマ・ジオリア [as ジュリアン・ベッソン]
マチルド・オヌヴー [as ジョゼフィーヌ・ベッソン]
マチュー・サイカリー [as サミュエル]
フローレンス・ヤナス [as シルヴィア]
 
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あ ら す じ    両親が離婚したため、母ミリアム、姉ジョゼフィーヌと暮らすことになった、11歳の少年ジュリアン・ベッソン。離婚調整の取り決めで親権は共同となり、彼は隔週の週末ごとに別れた父アントワーヌと過ごさねばならなくなった。
 母ミリアムはかたくなに父アントワーヌに会おうとせず、電話番号さえも教えない。アントワーヌは共同親権を盾にジュリアンを通じて母の連絡先を突き止めようとするが、ジュリアンは母を守るために必死で父に嘘をつき続ける。そのため、父アントワーヌの不満は徐々に溜まっていき、家族の関係に緊張が走る中、想像を超える衝撃の展開が待ち受けていた・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    う〜ん・・・・・結構期待度が高かっただけに、肩透かしを食らったような感がある。一言で言うなら、裏を読んでいた私だったが、実は裏の裏、つまりは単純に表だったのだ。
 この作品、明らかに夫・アントワーヌ側の視点から描かれているために、敢えて表面に現れている事実を素直に受け入れるのではなく、余計な深読みをしてしまう。ただ、結末はコピーにもある通り“衝撃的”で、それまで若干の睡魔を催していたのも一気に吹っ飛んだ。ただ、いきなり青天の霹靂のように訪れる結末ではなく、徐々に布石は張り巡らせてある。そして、それらしきシーンに遭遇するたびに、「こんなことをしていては、ミリアムの主張通りに親権を奪われてしまうんじゃないのか?」と気が気ではなかった。
 そんな結末に煙幕を張るためか、アントワーヌ目線で見たミリアムの言動が実に怪しく描かれている。冒頭の調停のシーンからして、夫婦の主張は真っ向から対立していて、いずれか一方が明らかに嘘をついているのは明らかなのだが、ミリアムが何か隠し事をしているかのような印象を与える。そして、アントワーヌに接触することを異常なまでに避け、代わりにジュリアンを矢面に立たせて、一種の防波堤な役割までを負わせているのだ。親権が共同で実行されることが決まった以上、ジュリアンをアントワーヌに合わせないわけにはいかない、というのはわかるが、何かあればジュリアンではなく自分に直接アプローチするように仕向けるのが、子を守る親のあるべき姿だと私は思う。なのに、そうせずにひたすらジュリアンをアントワーヌに会わせる、そんなミリアムは親としていかがなものかとは思うし、だからこそミリアムに不信感を抱いてしまったのだ。