評 価
File No.
2946
製作年 / 公開日
2019年 / 2019年02月15日
製 作 国
日 本
監 督
筧 昌也
上 映 時 間
91分
公開時コピー
死んで猫になったダメ夫が、
愛する家族に残したいものとは
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
北山 宏光
[as 高畑寿々男]
多部 未華子
[as 高畑奈津子]
平澤 宏々路
[as 高畑実優]
飯豊 まりえ
[as ホワイテスト]
富山 えり子
[as 桜木亜子]
要 潤
[as 浦上栄剛]
バカリズム
[as 裁判長]
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あ ら す じ
売れないマンガ家の
高畑寿々男
は、唯一のヒット作品である『ネコマン』を完結させることなく放置して久しく、かと言って新作を描くわけでもなく、妻・
奈津子
がパートで稼いだお金をギャンブルに使うという、ヒモ同然のお気楽な生活を送っていた。
ある日、1万円を10倍にすると大口をたたいて競輪場に向かった寿々男は、運良く1万円を10万円近くにまで増やしたものの、帰り道に交通事故であっけなく死んでしまう。そんな寿々男のダメ夫っぷりに“あの世の関所”の
裁判長
が下した判決は、「執行猶予1ヶ月、過去の愚かな人生を挽回せよ。但し、猫の姿で」というものだった。
トラ猫の姿で奈津子と娘の
実優
のもとに戻った寿々男は、“トラさん”と名付けられて高畑家で飼われることになる。愛する家族のために何かしたいと思うトラさん=寿々男は、知り合った猫の
ホワイテスト
にも助けられ、何ができるのか考えるものの、言葉さえ通じない猫の姿で手をてをこまねいたまま、時間だけがただ無為に流れていく。
彼は、一体どうやって人生を挽回するのだろうか・・・・・?
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たぴおか的コメント
予想通以上に面白いわけじゃなく、かと言って予想を下回るつまらなさ、というわけでもなく、「まぁ、こんなもんでしょう」。競馬で資金を9倍にしたのは良かったものの、風に飛ばされた1万円札9枚を追って車に撥ねられるとは、いかにもこの作品の主人公・高畑寿々男らしい人生の幕切れと言えるだろう。何かと言い訳をして新しい作品を描こうとしないのはもちろん、唯一のヒット作・『ネコマン』を完結させられずに放置して、妻に生活費を稼がせて自らはパチンコや競馬に明け暮れるとは、ハッキリ言って典型的なダメ夫・ダメオヤジの見本のような人生だ。
そこまではともかく、その後がいただけない。なぜ、数多い生き物の中から、犬でも金魚でもいいだろうに、よりによって猫に転生するのか?その理由がまったく語られていない。そして、寿々男が猫に転生したのは、あくまでも生きていたときの汚名返上のためなのに、猫のトラさんになった寿々男には、何ひとつそれらしき成果が見られないのだ。
飯豊まりえ演じる猫のホワイテストは、「猫でなければ見えないものがある」と言うが、それが何なのかもまったくわからない。挙げ句の果てに、猫の姿で現世に留まっていられる時間が残り3時間になって、何の成果もないダメ猫トラさんの懇願が聞き入れられ、1日限定で人間としての時間を送れるとは、そんな都合のいい話があろうはずがないだろう。結局、寿々男にできることは未完のままになっていた『ネコマン』の最終回を描くことだけだったのだ。これほどのご都合主義の展開を、私は今まで観たことがない。
救いは、多部未華子の初めての母親役が見られることと、娘の実優を演じている平澤宏々路チャンの可愛らしさだけ。飯豊まりえのホワイテストも可愛いとは思うが、個人的にはどうしても彼女があまり好きになれないんだなぁ。尺が91分と短めだったのも救いのひとつで、これが100分を超える尺だったなら、おそらく私は途中で意識を失っていたことだろう。