評     価  

 
       
File No. 2949  
       
製作年 / 公開日   2018年 / 2019年02月22日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ロバート・ロドリゲス  
       
上 映 時 間   122分  
       
公開時コピー   天使が
戦士に目覚める
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ローサ・サラザール [as アリータ]
クリストフ・ヴァルツ [as イド]
ジェニファー・コネリー [as チレン]
マハーシャラ・アリ [as ベクター]
エド・スクライン [as ザパン]
ジャッキー・アール・ヘイリー [as グリュシュカ]
キーアン・ジョンソン [as ヒューゴ]
 
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あ ら す じ    数多くの空中都市とURM(火星連合)との没落戦争から300年。地球の人々は唯一残った空中都市のザレムと、そこからゴミが廃棄されるアイアンタウンの2か所に別れて暮らしていた。人はザレムからアイアンタウンに追放されることがあっても、ザレムに行くことは認められていなかった。
 アイアンタウンのサイバー医師イドは、廃棄されたクズ鉄の中から大破したサイボーグ少女の上半身を見つけて、奇跡的に脳が無傷だったためそのまま連れ帰る。記憶障害はあったものの少女の脳は正常に動き、イドは彼女に身体とアリータという名前を与えた。アリータとはイドの亡くなった娘の名で、アリータに与えた身体もまた娘のために用意した物だった。
 アイアンタウンに暮らす青年・ヒューゴとの出会いや、危険な遊戯モーターボールに触れる中で、アリータは自分に並外れた戦闘能力があることに気づき、自分が以前戦闘していたことを思い出す。彼女の存在を知ったモーターボールの支配者で、アイアンタウンの実力者ベクターは、アリータの確保を配下の巨体サイボーグのグリュシュカに命じる。そして、ベクターのそばには優秀な科学者でイドの元妻でもあるチレンがいた。彼女とイドは元はザレムの住人だったが地上に追放されてしまい、チレンはベクターと組むことで、ザレムに帰ることを狙っていたのだ。
 ある日アリータは、ヒューゴに連れられてURMの宇宙船の遭難現場に訪れる。そして、宇宙船の中からURMのバーサーカー・ボディを見つけたアリータは、それを持ち帰ってイドに自分の身体を交換して欲しいと頼むのだが、イドはなぜか彼女の頼みを聞き入れようとはしなかった。けれども、グリュシュカと戦ったアリータはボディを破壊されてしまい、覚悟を決めたイドはアリータにバーサーカー・ボディを与えるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    木城ゆきと原作のコミック『銃夢』をジェームズ・キャメロンが製作と脚本を務め、ロバート・ロドリゲスがメガホンを執って映画化した作品。『銃夢』は私がビジネスジャンプを毎週読むようになった時には既に連載中だったため、出だしのストーリーはわからないが毎回楽しみにしていたのは覚えている。そして、この作品も予告編で大きな瞳をしたアリータの映像を何度も見せられたが、何度観ても飽きなくて公開が待ち遠しかった。
 『アバター』と同様にアリータは主演のローサ・サラザールをモーションキャプチャーで撮影してアリータの映像を動かすという手法を採っていて、だからアリータの動きはもちろんのこと、表情までが妙に人間臭くて、微妙な表情がとてもいい。私にとっては、主人公アリータの造形がモロに好みだったから、それだけで作品自体も成功したようなものだと言っていい。
 上空に浮かんだいわゆる“上の社会”のザレムと、下層社会のアイアンタウンの雑多とした雰囲気、そんな世界観もまた気に入った。加えて、雑然としたアイアンタウンでありながら、その映像が美しくて、どこか懐かしいような親しみやすさが感じられる。そして、特筆すべきはアリータのアクション!これに関してはケチの付けようがなくカッコイイ。あんなに華奢で可愛い女の子が、あんなキレキレのアクションを披露してくれているから、もうアリータから目が離せなくなるし、当然どれほど疲れた状態で観たとしても、この作品で睡魔に襲われることなど考えられない。
 サイバー医師のイド役が、あの曲者俳優のクリストフ・ヴァルツというのが気に掛かっていたが、この作品では曲者はむしろ彼の元妻・チレンの方だった。そして、『グリーンブック』では差別を受ける黒人ピアニストを演じていてオスカーにもノミネートされているマハーシャラ・アリが、ザレムのノヴァの傀儡・ベクターという要の役どころを演じている。そう言えば、賞金稼ぎのザパンを演じていたエド・スクライン、『ビール・ストリートの恋人たち』にも出ているようだ。